#1 幻想御手編×学園都市編
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桃李累の朝は、一杯のムサシノ牛乳から始まる。
なぜムサシノ牛乳を飲むのかというと、黒子が所属している風紀委員(ジャッジメント)第177支部の固法先輩が、お水代わりのように飲んでいるメーカーだからだ。
累は、固法先輩がムサシノ牛乳を飲み続けた結果、バストアップに成功したのだという噂を聞きつけ、ナイスバディになるために一週間前から飲み始めている。
「早く膨らめ!バストよ!」
そう念じながら胸を触る。
揉めば大きくなるという噂もあるので、それも忘れずに行っている。
しかし、残念ながら今のところ1㎜でさえ膨らんでおらず、ショックを隠し切れない累であった。
そんな累を仏のように微笑んで見つめているルームメイト…2年生の一之宮誉(いちのみやほまれ)は、累を現実に連れ戻す。
「桃李さん、早く支度をしてください。もう朝食の時間ですわよ」
最初は、累の行動を見守るだけだった一之宮。
とあるきっかけで共に朝食をとるようになってから、累の独り言を止めるようになった。
「誉さん…そうですね。落ち込むのはここまでにして…朝食をっと」
制服に着替え終わり、一之宮と部屋に出る。
と同時に隣の部屋から、御坂美琴と白井黒子の二人も出てきた。
「ごきげんよう。御坂さん、白井さん」
一之宮はいつものように綺麗なお辞儀をしながら二人に挨拶をする。
累は作法に魅入って、さすがはお嬢様だと関心をし、自分も一之宮さんみたいになりたいと思いながら美琴と黒子に挨拶をするのだった。
「おはようございます」
だけど、美琴と黒子をいまさら名字で呼び合う仲ではないので、挨拶だけにしている。
一之宮さんの前だけで名字を呼び合うのは違うと、いつも自分に言い聞かせて美琴と黒子の挨拶を待つ。
「おはようございます。一之宮さん。累」
「おはようございます」
美琴はさわやかに一之宮と累に挨拶をする。美琴の後に出てきた黒子は、また何かをやらかしたらしく、頭を撫でながら挨拶だけをするのだった。
朝食をすませた一之宮は「では、お先に」と学校に向かう。
一之宮に礼をした累は朝食を残さずに食べて、口周りを拭き、美琴と黒子の座っているテーブルに行こうとしたが、同学年と思われる3人組に遮られてしまった。
「ごきげんよう、累様。…あの……私…伊吹唯(いぶきゆい)と申します」
「おはようございます。うん、覚えていますよ」
伊吹さんは嬉しそうに頷く。
だけど、何か言いたかったことを忘れてしまったらしい。
「あ、あれ?……忘れちゃいました…えっと…」
どうして忘れるんだろう?不思議に思ったが、伊吹さんの言葉を待つ。
そんな状態の伊吹さんを「頑張れ唯さん!」、「伊吹さんチャンスですわよ!」と背中を押す2人。
これはいったい…と思いながらも伊吹さんの言葉を待とうとした。
しかし、美琴と黒子が累に何事かを聞いた瞬間、伊吹さんは出入口に走って行ってしまったのだ。
「累、どうかしたんですの?」
「あの子、前も話しかけてきたわよね?」
黒子はあきれているように見える。何かを知っているのかもしれない。勘だけど。
美琴は、一昨日を目撃していたのだろう。
「うーん…何かしたのかな…?」
思い当たる理由が見つからない。
入学式以来、話していないことに関係しているのかなと考えたけどわからない。
そんな累を黒子は面白くなさそうに見ている。
累は気づいていないが、美琴は気づき「この2人はもう…」と呟きクスッと笑っていた。