#1 幻想御手編×学園都市編
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「風紀委員(ジャッジメント)です。この場から早急に避難してください‼」
突然の出来事に店内は一瞬、時が止まったかのように静まり返る。
それもそうだろう。誰もが今、何に巻き込まれているのか、理解をしていないからだ。
「あ…あの、ウチの店で何か…?」
「この付近で重力子(グラビトン)の爆発的な加速が観測されました」
「グラ?」
「簡単に言うと、爆弾が爆発する前兆があったという事です。」
つまりこのお店に爆弾が仕掛けられたと思われている。
その言葉のなかに『爆弾』という単語を聞いた瞬間、店内のなかの人たちが動揺を隠しきれず走り始めた。
しかし、一人だけ足をくじいて座り込んでいる女性がいたため、もう一人のジャッジメントが外まで連れ出そうとしたが、間に合わなかった。
そのもう一人のジャッジメントがコンビニの床にあったもの…人形を認識した時、人形が黒い球体になり爆発したからだ。
爆破現場を見に行くと、もう一人のジャッジメントは負傷し倒れていた。
おそらく、逃げることは不可能と分かり、せめてケガをした女性を守ることを考え庇い、負傷したのだろう。
黒子「―――――以上が昨日の夕方に起こった事件ですの。…聞いてます?累とお姉さま」
美琴「聞いてるわよ。あ、ハズレだ…累、苺おでん食べる?」
累「ハズレだからって…まぁ、ありがたく食べます」
黒子「…本当に聞いているんですの?」
累「聞いてるよ。連続爆破事件とかいうのだっけ?」
黒子「正確には、連続虚空爆破(グラビトン)事件ですの」
そう言い、黒子は苺おでんを指さし説明する。
黒子「アルミを基点にして、重力子(グラビトン)の数ではなく、速度を急激に増加させた」
累「それを一気に周囲に撒き散らす…」
黒子「ようは『アルミを爆弾に変える』能力ですの」
黒子は連続虚空爆破(グラビトン)事件をもっと詳しく教えてくれた。
ぬいぐるみの中にスプーンを隠して破裂させたり、ゴミ箱のアルミ缶を爆破するといった手を使ってくるのだと。
黒子「爆発の前に前兆があるので、死者こそ出ていませんが、まだ犯人の特定ができてませんの」
美琴「能力者の犯行なんでしょ?だったら学園都市の『書庫(バンク)』にある、全ての学生の能力データをあたって、該当する能力を検索すれば、容疑者を割り出せるんじゃないの?」
それは確かであって、確かではないと思う。
私の考えが当たっていれば、この犯人は……
黒子のほうを見ると、何か納得できないことがあるみたいだ。
黒子「妙なのはそこですの…」
そう言って、黒子は事件の犯人と思われる学生のことを話してくれた。
黒子「『量子変速(シンクロトロン)』それも爆弾に使用できる程、強い力を持った能力者となると、学園都市には大能力者(レベル4)釧路帷子(くしろかたびら)という生徒ただ一人…」
累「それじゃあ、そのクシロさんが容疑者じゃないの?」
黒子「……」
美琴「違うの?」
黒子「それが…一連の事件の始まりは一週間前なのですけれど…彼女は8日前から原因不明の昏睡状態に陥っていますの」
累「クシロさんにはアリバイがあるんだね」
黒子「そうですの。病院からの外出はおろか、一度も意識を取り戻しておりませんし、医療機器にも記録が残ってますので、彼女に犯行は不可能ですのよ」
美琴「『書庫(バンク)』のデータに不備があるって事?」
黒子「あるいは、滅多にないケースですが、前回の身体検査(システムスキャン)後の短期間で、急激に力をつけた能力者の犯行という可能性もありますわね」
急激に……やはり、『幻想御手(レベルアッパー)』に繋がっている可能性が…。