ドレスコードと夜の海

「ミーア様、お支度が整いました。パーティ会場までご案内いたします」

そう言って今度は別のメイドがミーアの前を歩く。

「、、、き、、聞いてない、、、っこんな格好させられるなんてっ!聞いてない!!」

メイドに促され、後ろを歩くのは、
綺麗なヘアメイクに、深紅のスリムなスリットの入ったドレス姿のミーア。

「ヒールなんて履いたことないから、いてぇ、、、っ」

涙目でひょこひょこと歩いていく。

「会場の準備が整うまで、こちらでお待ちください。ドリンクサービスもおこなっておりますので、よければ、どうぞ」

そう言ってまた、元来た長い廊下を戻っていくメイド。

「あっ、、ちょっ、、!」

突然1人にされて戸惑うミーア。

その時、背後から声がした。

「ミーアさん!!!」

正装した小松の声だった。

「ミ、、ミーア、さん?」
ミーアを纏う不穏な空気を読み取り、冷や汗をかく小松。

「、、、こーまーつぅぅっ!!」

「ひぃぃっっ!な、な、なんですかっ!?」

「こんな格好させられるなんて、聞いてなかったぞ!!ヒールなんて、初めて履くから痛いし!!こんなペラッペラなドレス着せられて動きにくいしっ!なんだよこれぇ!!もう帰りたい!!」

涙目でキレながら訴える。

「だ、だってっ、大富豪のパーティですよっ、ドレスコードは、当たり前じゃないですかっ!」

必死に反論する。

「そんなん知るかーっ!!」

掴みかかろうとするミーアに誰かが声をかけた。

「ミーア、、さん??」

陽輝だった。

「陽輝!!!お?」

陽輝は裾がフワリとしたデザインの黄色いパーティドレスを身にまとっていた。
ミーアと同じでヘアメイクも完璧だ。

「可愛いじゃん!」

素直に褒めると顔を赤らめて喜ぶ陽輝。

「最初、黒を選ぼうとしたらサニーさんがこっちがいいって言って、、、どう、ですかね?」

「確かに陽輝は黒じゃないな、、うん、サニーの言う通りその色が似合ってる!ていうか!元気だったか?」

「はい!!ミーアさんも元気そうで!!今度また、お店に行きますっ!」

「あぁ!いつでもおいで!」

陽輝のお陰でミーアの機嫌が少し良くなり、小松がホッとした顔で見ていた。
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