ドレスコードと夜の海

本日、10食、完売。

表の看板をCLOSEに変えて、閉店準備をするミーア。

「あぁぁ!!」

外から大きな声がした。

「、、、トリコ、か」

その声を聞いてミーアが苦笑いをする。

「悪かったなー今さっき終わったところだ!」

「まじかよぉ、、間に合わなかったぜ、、どうする?小松ぅ、、、」

いつもの様に隣には小松が立っている。

「しょうがないですよ、トリコさん!」

シュンと肩を落とすトリコを小松がヨシヨシ、と宥める。

「定食が食べられなかったのは残念ですが、、そもそも、僕はこれをミーアさんに渡すために来たんですから!」

「?」

小松が懐から1枚の封書を取り出した。

「なんだ?手紙?」

不思議そうな顔をしてそれを受け取るミーア。

「招待状です!」

「?招待状?」

封書の正体が分かっても尚、ピンとこない顔をする。

「以前、僕の働くホテルの応援に来てくれた事があったでしょ?」

「うん、あの、重役の娘さんの結婚披露宴のやつだろ?」

「そうです!その重役の娘さんが、披露宴がとても素晴らしいものになったから、携わったスタッフにお礼がしたい、と、パーティを開くそうなんです。そのパーティの招待状です!」

意気揚々と小松が話す。

「えー、、いいよ、パーティとか、、めんどくさいもん、、、」

頭をポリポリ掻きながら招待状をペラペラと眺めるミーア。

「そ、そんなこと言わないで行きましょうよ!!ミーアさんに直接お礼も言いたいそうなんです!お願いします!」

「えー、、いいよ、そんなの、、店あるし、、、」

なおも乗り気になれないミーア。

「それに、、、」

モゴモゴと言い淀む小松。

「ん?、、、あ!!お前まさか、また!?!?」
「えぇ、、言っちゃいました、、必ずOK貰ってきます、って、、えへへ」

「えへへ、じゃねぇっ!!今回は応援じゃないなら断る!!!」

ふんっと、突っぱねるミーア。

「そ、そんなこと言わずに行きましょうよ~~~!!」

なおも諦めずに食い下がる小松。

「いーやーだ!!料理作るんじゃないなら、行かない!」

2人のやり取りを眺めていたトリコが、ハッとした顔をした。

「あー、、そういやぁ、陽輝もくるらしいぞ?」

その名前にすぐに表情がかわるミーア。

「陽輝が?!」
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