その娘、慌て者につき。

しばらくして、他の客が食事を終えて帰っていき、フロアには陽輝とサニーのみになる。

「はい!お待たせ!!」
2人だけになったのを見計らったかのようにミーアが厨房から戻ってきた。大きな何かを抱えて。

どんっ!!!

「!?!?」

目の前に置かれたのは、高く盛られたいわゆるパフェ。
色とりどりのアイスと白とチョコのクリーム。
この辺りで採れるキラキラしたフルーツ。

「ミ、ミーアさん、、これは、、?」
陽輝も、サニーも目を丸くしていた。

「うちは基本、毎日私が決めたメニューの定食のみの提供だけど、今日は特別!スイーツは、別腹、だろ?」

ウインク1つ。

「で、でもっ、私っ」

陽輝が何かを言いかけてミーアがそれを制した。

「とにかく!今は、何も考えずに食べな。甘いもの苦手なわけじゃないだろ?」

「はい、、っ大好きです、、!」

「んじゃ、しばらく他の客も来ないだろうからゆっくり食べな!飲み物は、、紅茶があるけど、どうする?」

「紅茶か、俺はそれを貰おう」

「了解」

サニーがミーアにお礼代わりの軽い目配せをした。

、、、
ぱくっ
「ん~~~っっ甘くて、冷たくて、美味しいぃぃ!!お腹いっぱいだったはずなのに、どんどん食べれちゃう!!不思議!!」

「よかった、甘いもの苦手だったらどうしようかと思ったけど!」

安心したように笑いながらサニーの前に紅茶を置くミーア。


「ほぉ、この紅茶、普通の紅茶じゃねぇな?」
サニーが目を細める。

ティーカップに注がれた、淡いオレンジ色の紅茶、口元に持ってくると、フルーティーな香りが鼻をくすぐる。

「さすがだな。あまり世に出てない幻の紅茶と呼ばれる代物だ。少しクセがあるから滅多に出さないが、あんたなら、これの良さがわかると思ってな」

「この色も、香りも、味も、、、美しい、、!!」

感動に震えるサニーを見て、陽輝とミーアが顔を見合せてニッコリと笑った。




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