その娘、慌て者につき。

チュンッチュンッ
早朝、鳥の声で目が覚める。

「んんーーっっ」
ベッドから身を起こし、背伸びをひとつ。

カーテンから差し込む光で今日は晴天だと言うのが分かると、少しだけ心が弾む。

シャコシャコシャコ、、、
洗面台で歯を磨き、冷たい水で顔を洗うと、一気に眠気が吹き飛ぶ。
肩まである髪をいつものように後ろでひとつに縛って、朝食のパンを齧りつつ、フロアの掃除を鼻歌交じりに始めた。

開店時刻は、これから4時間ほど先。
その間に今日の定食のメニューを決めて、足りない材料の捕獲に向かい、店に戻ったら開店時間までに残りの仕込みを終わらせる。

これが、開店前のミーアのルーティン。

しかし、この日だけは、違った。

、、、
「よーし、掃除終わり!足りない材料の捕獲に行くかな!」

扉を開けようとしたその時。

ガチャ。

「、、、え?」

自分が開けるより先にドアノブが動いた。

「とうちゃーーく!!!サニーさん!!早く!急いでください!!」

女の子の意気揚々とした声がフロアに響き渡った。

「こんな早くからほんとに開いてんのかよ、、」

向こうからゆっくりとカラフルな長髪をたなびかせた男が歩いてくる。

「噂では開いてるって聞きましたよ!噂ですけど!、、て、あれ、真っ暗、、」

「ほれみろ、まだ開いてねぇじゃねぇか。ほんとに信用出来る噂だったのかよっ」

「え、、あれ?おかしいな、、」

ワタワタする女の子の隣で男はため息混じりに頭を抱えた。

「あ、あのー、、、」

そのやり取りを全て見ていたミーアが静かに口を開いた。

ふたりが同時にミーアを見る。

「、、開店時間は、、まだ先、なんだが、、、」

「ぇ?、、ほ、ほんとですか?」
「ほんと。店主の私が言うんだから間違いねぇよ」

「はぁ、、、こいつ、、また、やらかしやがった、、」

「ええぇぇーーー!?!?」

信じられないといわんばかりの声がそこらに響き渡った。
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