風邪と看病

「ご馳走様でしたー!また来るねー!」

9番目の客がウキウキと帰っていく。

「はーい!またなー!」

顔が熱い。
視界がぼやけて来た。

「頑張れー私、、あと1食!!」

力無く呟き、自分になんとか喝を入れてテーブルを拭きあげる。

その時。
ばんっ!!!

10番目の客が扉を開けた。

「おー、ゼブラか!いらっしゃい~~~」

「、、、、」

「どうした?そんなとこに突っ立ってねぇで、ここ、座りな」

フラフラと席に案内するミーア。

「、、、おい」

「ん??、、っ!?」
気が付くと、ゼブラが目の前に迫っていた。

「いつもの威勢はどうした?」

扉が壊れる!といつもならドヤされるはずが、力無く中に案内される違和感を不思議に感じてゼブラが問う。

いつもより心拍数が早く呼吸も浅い。

「、、なんの事?定食はいつもの爆盛りでいいか?」

それでもミーアは厨房へと向かおうと歩き出した。

踵を返したその瞬間。

フラリと視界が歪む。

「おい!!!」
咄嗟にミーアの体を支える。
ミーアを支えた手のひらがとても熱い。

「おっと、、ごめん、、、悪い。ちょっと待ってな、すぐ持ってくるから」

「、、、」

、、、、

「はい、お待たせ!」

なんとか作り上げた料理をゼブラの前に並べる。

ガツガツっ
もぐもぐもぐっ
ズズッ
ごくんっ

「足りねぇ。まだ持ってこい」

「はいはい、待ってな」











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