風邪と看病

寒い冬の季節。
ミーアの店にもうっすらと雪が積もる。

「うぅ、、寒い、、っ」

白い息を手のひらに吹きかけながら開店前の店内へと戻る。

この季節にそぐわぬぐっしょりと濡れた体。

「やっちゃったなぁ、、まさか、この季節に川にダイブするとは、、ブルブル、、」

珍しい魚を見つけ、捕まえようとしたところ、石につまづいてそのまま冬の川に落ちてしまったのだ。

熱いシャワーでも浴びたいところだが、開店時間が
迫っていた。

「しょうがない、体拭いて、着替えたら、店開けよ、、っくしゅんっズルッ」

、、、、

開店直後、すぐにいつものように客が来る。

「よっしゃ!今日は定食食べられるぞ!」

一番乗りした客が喜び、声を上げる。

「いらっしゃい!すぐ準備するから、待ってな!、、っくしゅんっ!」

「あれ、ミーアちゃん、風邪?」

2番目に来た、常連客が鼻声とくしゃみに気が付く。

「いらっしゃい!あー、、いや、大丈夫だ!待ってな!すぐ持ってくるから!」

「今日は大盛りで頼むね!」

「了解!」
と親指を立てて合図する。

昼過ぎまで客足は絶えず、あっという間に9食目が終わろうとしていた。

「はい、お待たせ!」

ガタッ

「おっと、ごめん!!」

足がよろけて、定食を落としかける。

「ミーアちゃん、大丈夫!?フラフラしてない?」

「へへ、大丈夫大丈夫!!ゆっくり食べていきな!」

そう言って厨房へと戻る。

「うぅ、、頭痛てぇ、、あと、1食、、あと1食、、」




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