恋の手助け

「ルイス!何やってんだよ!」
「ミ、ミーアさん、、俺、、やっぱり無理だ、、自信がない、、言えないよ、、」
泣きそうな顔で立ち尽くすルイス。

「何?どういうこと?」
ジーナは状況が全く把握出来ておらず、オロオロしている。

「お前の覚悟はそんなもんなのかよ」
はぁ、とため息ひとつ。

「、、、ルイス、どういう事なの?説明してくれる?」
ジーナは悲しげに立ちすくむルイスに迫った。
「ご、ごめん、ジーナ、、、」
謝ることしか出来ないルイス。

その時、再び椅子がカタカタと動いた。
「!!」
空気がキラキラと光り、それは人型に変わっていった。

「お、、ね、ぇちゃ、、」
ぼんやりと煙のように浮かんだその人型はそう声を発した。
「!!この声、、アリス!?アリスなの!?」
ジーナが叫ぶ。
「そうだよ!」
その声と人の形は段々とはっきりしてくる。
「アリス、、!!」
ポロポロと涙をこぼして煙に手を伸ばすが、触れることが出来ず、ふわりと漂うだけ。
「、、お姉ちゃん、私は大丈夫だから、もう悲しまないで。ルイスと幸せになって欲しいの」
「ルイスと?」
ジーナは顔を赤らめた。
「それが私の願いだよ」
その煙の影はニッコリと笑ったように見えた。
「アリス、、、」
ルイスも驚いた顔のままアリスの声を聞く。
「幸せになってね、、、おね、ぇ、ちゃん、、ル、、イス、、、」
一瞬だった。
また、ただの空間にもどりつつある。


、、、、
「、、、ジーナ、聞いて欲しい」
意を決してルイスがジーナの前に傅き言葉を発した。
ジーナは真剣な眼差しでルイスを見つめる。

ミーアは慌てて厨房へと引っ込んだ。

「、、、ずっと。幼い頃から君のことが好きだった」
ジーナの目に涙が浮かぶ。
「僕を君の幼なじみから、、フィアンセにしてくれないか?」


結婚を前提に僕とお付き合いしてください


「やった!言えた!」
ミーアが小さくガッツポーズをする。

ジーナの答えは、、、

「、、、はいっ、よろこんで!」
涙でくしゃくしゃの顔でルイスにハグを求めるジーナ。

緊張で強ばっていたルイスの顔が一瞬にして柔和な笑顔にかわった。

「ははっ!やったー!」
ジーナを強く抱き締めてルイスは叫んだ。

「っていうか、遅いのよ!」

「、、、え?」
ジーナの少し強めの言葉にたじろぐルイス。

「いつ言ってくれるのかと、待っていたのよ!」
「え、、そ、それって、、」

ルイスの言葉が終わるより早く。
「私もあなたが好きだったんだもの!」
とジーナの告白。


「なぁんだ、そうだったのかよ、、、さては、アリス、知ってたな?」
何も無い空間を睨むと、また、アリスが現れた。
「えへへ~」
バレたか、と舌を出す。
「まったく、、でも、まぁ、よかったな、2人とも幸せそうだ、アリスの計画通り、、とはいかなかったけど、結果オーライだな」
幸せそうに見つめ合うフロアの2人を盗み見る。
「そうだね!よかったぁ、、!あ、そういえば、、ミーアは、あの時のお兄ちゃんとほんとに付き合ってないの?」
アリスの無邪気な言葉に一瞬の間があく。
「、、、はぁ!? だっ、誰の事だよっ」
「ほら、前に一緒に居た体の大きな人!名前はなんて言ったかしら、、ゼ、、、ゼブラ?だったっけ?押し倒して跨ってたでしょ?」
アリスが店に出た時に一緒にいたのは、ゼブラしかいない。
「バカ!押し倒してねぇよ!あれは、事故だっ!事故!!ゼブラとは、何もねぇよ!」
「ほんとにぃ??なんなら、私が恋の手助け、してあげてもいいよ?」
ケラケラと笑いながらミーアをいじるアリス。
「余計なお世話だっ」
そう言ってアリスの声の方を見た。
「、、、アリス?」
すでにその姿はなく、キラキラとした空気の残像だけがそこにあった。

、、、ありがとう、、、

アリスのそんな声が聞こえた気がした。
「心残りはなくなった、ってことか、、また、いつでも食べに来いよ!うちは、幽霊も大歓迎だから、、恋の手助けは必要ねぇけどなっ!」
クスクス、、、

残像がきらめき、消えるその最後までミーアはそれを見送った。
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