雨上がりの先に

「さぁ着いたぞ」
ミャァ

研究所から帰ってきて、店のドアを開けると同時にミーアの腕の中で寝ていたレインが目を覚まして小さく鳴いた。

「ここなら安全だからな。ちょっと待ってろよ」
ミーアはそう言うとレインを腕の中からフロアの真ん中へ下ろして何かを探しに奥へと行ってしまった。

ミャ、、、
途端に不安に襲われるレイン。
プルプルと震えて小さい体が更に小さく縮こまってしまった。

その時、ドアの外に人の気配がした。
!?

レインは、過去の恐怖を思い出してしまう。

バンッ!!
「ミーア!!帰ってきてんのか?」
ニ”ャ!?
大きな音をたてて扉が開くと自分より遥かに大きな人影が見えた。

「ん?なんだ、、?」
低く腹に響く声がして、レインはより一層小さく震えていた。
「お前、、もしかして、昨日の、、?」
ゼブラはその小さな丸い生き物を睨むように覗き込んで昨日のことを思い出していた。
「!?」
レインもほんの少しだけ昨日の記憶が蘇ってくる。

「お、ゼブラか、悪いけど、今日は店、やってねぇぞ、今研究所から戻ったんだ」
奥からようやく現れたミーアが来店したゼブラに気がついてそう言った。
「食材あんだろ、なんか作れ、腹減った」
「はぁ?無理だって、今からこいつの世話するんだから。どっかで捕獲して食えばいいだろ」
そう言って奥から持ってきた小さな木製のカゴにタオルを敷いた。

レインを、ヨイショと、抱き上げるミーア。
「お前、そいつ、、」
ゼブラがミーアの腕の中のレインを指さした。
「そ、昨日のバロンタイガーだよ、研究所で色々あって私のパートナーになったんだ」
そう言うと、ほら、と腕の中のレインを見せた。
「パ、、パートナーだとぉ!?」
「マンサム所長に言われてな。こいつ、親も兄弟もハンターに殺されてしまって、バロン諸島に戻すのも危険だからって、私が預かることになったんだ」
「、、、、」
ミーアに説明されるが、頭に入ってこない。
「ゼブラ?」
呼びかけるが固まったままのゼブラにミーアが
続けた。
「、、、食うんじゃねぇぞ」
「バロンタイガーの肉は、調理向けじゃねぇから食わねぇよ」
じとっとした目で見るミーアに間髪いれずに突っ込むゼブラ。
「まぁな、さすがのゼブラもそれは知ってるか」
ミーアは安心したように笑ってレインを撫でた。

「、、、、」
何故だろう。
ミーアに抱かれて胸元に顔を埋めて甘えるレインを見て、無性に腹が立ってしまった。
「そ、、っ、そんな事より、飯!!」
腹立ち紛れにそう叫んでしまう。
「ここはお前の実家かっ!!ったくもう、、、じゃあちょっと作ってくるから、レイン見ててくれ」
「レイン?」
「こいつの名前だよ。じゃ、頼んだぞ!潰すなよ!」
「くそ、なんで俺が、、、」
「あ、そいつ、私以外が触ろうとするとかなり嫌がるから、気をつけてな!」
ミーアはそう言い残して厨房へと消えていってしまった。
「お、おぃ!」

「、、、」
「、、、」
残されたのは、1人と1匹。
5/7ページ
スキ