遠い花より近くの笑顔

まるで子供のようにはしゃぐミーアを黙って見ていた。


「よいしょ、っと」
しばらく立って見ていたミーアが、少し疲れたのか、当たり前のようにゼブラのすぐ横に腰を下ろした。
「おいコラ、何、、、っっ」
ゼブラは、勝手に横に座ってんだよ、と突き放すような言葉を吐こうとして、やめた。
ミーアの横顔が、とても綺麗に見えたから。

目をキラキラさせながら、遠くに見える景色を一生懸命みている。

「、、、」
お互い、言葉は交わさないが、居心地はよかった。

、、、

「、、、ねぇ、なんで私がこれを見たかったこと、知ってたんだ?」
しばらくして、遠くに見える花火のようなものが終わりつつあり、街の人工的な灯りがちらほらと見え始めた頃、ミーアがゼブラに聞いた。
「、、、別に」
突っぱねるようにそう吐き捨てる。
「はぁ?後で説明するって言ったのはそっちだろ、店の片付けそっちのけでついてきたんだぞ!」
その返答が気に入らなかったのか、喧嘩腰にゼブラに噛み付くミーア。
「、、、まぁいいや、どうせ私が客と話してるところでも聞いてたんだろ」
「、、まぁ、間違っちゃねぇな」
鼻で小さく笑うゼブラ。
「、、、ありがと」
照れくささを隠すように視線も合わせずにミーアは呟くように礼を言った。
「ゼブラって、なんだかんだ、いつも助けてくれたり、こういうことしてくれたりするよな」
「まぁな」
ゼブラの意外な返答にミーアがポカンとした顔を向けた。
「んだよ、そのアホみてぇな顔は」
「、、あ、いや、、てっきりそんな事ねぇよって言うかと思ったから、びっくりした」
「ふん」
そう言われて急に恥ずかしさが込み上げてくる。
「おやぁ?照れてんのか?ゼブラ」
それを見てミーアはニヤニヤとゼブラに詰め寄った。
「るせぇな、終わったようだから帰るぞ」
「へーい」
さっさと前を行くゼブラについて歩き出すミーア。

静かな暗い山道。
どこかで獣の鳴き声がする。

怖がるような2人ではないが、ミーアは、なんとなく物悲しさのようなものを感じていた。

「ねぇ、ゼブラ、、」
無言が少し気まずくて思わず話しかけるミーア。
「、、、あ?」
面倒くさそうながらも返事はする。
「、、、えと、、、」
「なんだよ、早く言え」
歯切れの悪い言い方にだんだんとイライラしてくる。
「あのさ、付き合う、、、って、どういうことか、わかる?」

ずっと胸に抱えてた疑問。
今が聞くチャンスだと思ったミーアは、遠慮がちにゼブラに聞いた。
「、、知るか」
想定内の答えが帰ってきた。
「だよな、そう言うと思ったよ。変な事聞いて悪かったな」
ミーアははぐらかすように笑った。
「、、、それを知ったとして、その答えはお前にとってなんになるんだ」
珍しくゼブラが続けた。
「、、、なんになるんだろ、、、でも、ずっと知りたくてさ、、」
聞かれて一瞬わからなくなった。
自分がどうしてそんなことをゼブラに聞くのか。
4/6ページ
スキ