雨と虎

いつも通りに開店して、客も昨日よりも少し多い。

しかし、また、5食目が出た昼過ぎから雨が本降りになってきてしまった。

「あー、、やっぱり降り出したか、、、」
残念そうに空を睨むミーア。

その時。
バタバタと走って店に入ってきた2人がいた。

「ひぃー!降られちまった!」

男が2人。急な雨に降られて雨宿り変わりに店に来たようだった。
「いらっしゃい、これ、使いな」
ミーアはそう言ってタオルを2人に渡した。
「お、サンキューねぇちゃん!悪いけどちょっと雨宿りさせてくれ!ついでに飯食ってこうかな」
頭をタオルで拭きつつ空いた席に座る2人。
「メニューはないよ、定食のみになるけどいいか?味は保証するよ!」
テーブルに水の入ったグラスを置きながらミーアが聞くと、初めて来店したであろうその2人にそう説明した。
「ふーん、不思議な店だな、こんな辺鄙な場所に飯屋とは、、まぁ、腹も減ってたし、、それじゃぁ、そうしてくれ!2人前な」
「了解!」

、、、、

「はい、お待たせ!おかわりもあるから遠慮なく言ってくれ」
そう言って2人の前に定食を置いた。

「おぉ、美味そうだな!いただきます!」
「いただきます!」

二人の男は間髪入れずに箸を持つとすぐに食べ始めた。

「、、にしても、あいつ、どこに逃げたんだろうな」
茶碗を持ってご飯を口に運びつつ2人は話をする。
「さぁな。昨日から天気も悪いし、そう遠くにはいってないはずだぜ、食い終わったら、また探しに出るぞ」
他の客の接客をしながら男たちのそんな会話がミーアの耳に入ってきて無意識に耳を傾けていた。

男たちの話はまだ続いている。

「子供だがあの牙は高く売れるぞ!他の奴らに見つかる前に早く捕獲しないと先越されちまう!皮も欲しいしな!」
「シィー!声がでけぇんだよ!気をつけろ!あいつ、捕まえる寸前で暴れてナイフが入っちまって価値が下がっちまったが、あの牙だけは絶対に手に入れてぇ、生け捕りにするぞ!ダメなら殺して牙だけをいただく!」

「牙、皮、ナイフ、、?もしかして、昨日のあの子の事?、、、傷はこいつらが、、?」
怪訝そうにその男たちを観察する。
確証は無いから突っ込んでは行けない。
ミーアは少しだけ男たちの話に耳を傾けながら仕事を続けた。

、、、

「あーうまかった!じゃあな、ねえちゃん!雨、まだ止んではねぇけど、行くわ!」
「あ、、う、うん!、、ありがとな!」
しばらくして腹を満たした男たちは金を払うと店を出た。

「あいつら、、密猟者か何かか、、?このあとまた探しに行くっつってたな、、もし、見つかってしまったら、、、まだ子供だから傷ついた体で力もそんなに残ってないだろう。あの傷も早く治療しないと致命傷になりかねない、、今すぐ探して保護してやりたい、、、」
心配そうに雨の降る外を見る。

昨日と同じくらいの本降りの雨。
「、、、、」
ミーアは少し考え、今来ている客まで接客すると、10人来てはいないが扉の看板をCLOSEにした。
2/4ページ
スキ