ただならぬ客

「うん、、今でも十分力になってくれてる。1人だった私に、沢山力を貸してくれた。トリコや小松たちには感謝してもしきれないよ」
遠い昔を思い出すようにミーアはそう答えた。

その男も満足そうにうなづく。

「次は私からも質問、していい?」
「なんじゃ?」

まだ、次の客が来る気配は無い。
快晴の暖かな昼下がりの日差しがフロアにはいりこんでいた。

「おじさん、何者?只者じゃないよな?」
「、、、、なぜ、そう思う?」
少し間の開けてその男は質問で返した。
その質問返しに一瞬呆れた顔をするが、ふむ、とミーアは考えた。
「、、、店に入ってきた時、他の客とは違う威圧感があった。トリコやゼブラたちも相当な雰囲気を持ってるけど、それよりももっと深くて強いものを感じたんだよな。それに、おじさんの顔、どっかで見た気がするんだよ、、思い出せないんだけど、、」
その男の顔色を伺いながら少しづつ言葉を選んでゆっくりと答え合わせをするミーア。
「ほぉ、、、」
そのミーアの言葉に感心するように声を漏らす。
「まぁ、、いずれその答えがわかる日がくるじゃろ。それまでは、わしの正体は、秘密ってことにしておこうかの」
「はぁ!?結局教えてくんないの!?なんだよぉ、、」

ヘラっと笑う男を憤慨しながら責めて睨むミーア。
「まぁ、わしが何者であれ、今日はいち客としてここに来たんじゃから、それでいいじゃないか。ちゃーんとお代は払うぞ?」
「そういうことじゃなくてさぁ、、、」
ミーアは呆れた顔でそう言うと、困ったように笑った。
「んまぁー、、いいや。美味そうに食ってくれたし!確かにそれだけで十分だよ」
ミーアは気持ちを切り替えて、茶を飲み終え席を立つその男を見送ろうと、あとをついていく。

「実に美味かった、また来る」
そう告げると店を後にした。
「ありがとう!この辺たまに猛獣なんかも出るから気をつけてな!」

ミーアのその見送りの言葉に振り返ることなく手だけを振り返して返事をした。

「トリコ達並に食ってたな、、結局誰だったんだろ、、いずれ分かるって言ってたけど、、」
その後ろ姿を見つめながら、未だに思いだせず、ただ小さく笑った。
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