ただならぬ客

「はぁー、、食った食った」
何度目かのおかわりを全て平らげたあとその男は満足そうに腹をさすった。

「うまそうに食ってくれて、ありがとな、熱い茶でも淹れようか?」
「おぉ、頼む」
にっこりとミーアを見て笑った。

、、、

「はい、どうぞ」
男の目の前に湯のみが置かれた。
「すまんな」
そう言うと、ずずっとすすって、ふぅと一息ついた。
「、、にしても、おじさん、見た目から想像する年齢の割にはよく食ったな」
遠慮なしのミーアが、ニカッと笑ってそう言うと、その男は戸惑ったり、顔色を変えることなく
「うまい飯がワシの好物じゃからな」
と落ち着いて笑い返した。
「、、、して、お嬢さんよ」
逆に男がミーアに話を振る。
「ん?」

「この店はあんた、1人で切り盛りしとるんか?」
二口目をすすりながら返事を待つ。
「そうだよ!私が1人で作って出してる、正真正銘、私の店!」
「ほぉぉ、見たところまだ若いのに、たいしたもんじゃ。味も噂通りじゃったよ」
目尻にシワを寄せながらその男は言った。

「噂?」

「トリコたちじゃ。お前さんも知っとるじゃろ?」
「トリコか!あぁ!知ってるよ!小松と時々食べに来てくれるんだ!」
「あと、ココやサニーからもな」
「あれ、おじさん、ココとサニーも知ってんの?やっぱり四天王って、有名なんだな~!」
ミーアがそういうと、その男は少し意味ありげに含み笑いをした。
「みな、口を揃えて、この店の定食を食べたら、思い出した頃にまた、食べたくなるんだ、と言うとったわい。そこまで言うなら、ワシも1度食ってみたいと思ってな。ゼブラも口には出さんが、、、この店によく来るんじゃろ?トリコが言うとったぞ!、、まぁ、、あいつの目的はそれだけじゃなさそうじゃが、、、」
少し苦笑いして、ミーアを見ると最後にそう小さく呟いた。
同じくミーアも困ったように笑いながら
「そうそう、あいつもたまに来るよ。人一倍食うくせに、一度も美味いって言ってくれなくてさー。いつか、言わせてやるんだ!」
と声を張り上げた。

「はっはっは!!あのゼブラ相手になかなか威勢のいいお嬢ちゃんじゃ!いや、美味かったよ、全部。確かに、思い出した頃にまた恋しくなるようなあったかい味じゃった」
豪快に笑い飛ばしたあと、そう言って優しくうなづく。

「あ、そうじゃ、あれから何も大きな困り事は、無いかい?」
「?」
思い出したように男がそういうと、ミーアはきょとんとした顔でそれを返した。
「ほれ、いつか、美食會の攻撃にあったじゃろ」
「あ~ぁ!!あの事か!」
少し忘れかけていたあの事件。

美食會の者が料理人であるミーアをさらおうと店に来て、厨房を破壊したのだ。

「あれから怪しい影は見当たらないし、大丈夫だけど、、あれ?なんでその事おじさんが知ってんの?」
怪訝そうにその男を見るミーア。
「ん?んー、、まぁ、色々、とな。大丈夫ならいい」
意味ありげな解答をして、また、ニッコリと、わらった。
「、、、また何かあれば、トリコたちを頼るといい。あやつらならお嬢ちゃんの力になってくれるはずじゃ」
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