1杯のお粥は敗北の味

「さて、と、、、」
ヤマトを寝室に押し込み、寝たことを確認したミーアは、腕まくりをしてリビングの窓を開けた。

、、、、、

「ん、、、あれ、、、」
しばらくして、いつの間にか眠っていたヤマトが目を覚ました。
「、、いい、匂い、、」
ぐぅぅ、、
それと同時に腹がなった。
熱でふらつく体をなんとか起こしてベッドから這い出る。

「ミーア、、さん?」
「あ、起きた?喉乾いてないか?具合はどうだ?」
リビングに向かうと、いつも店で見るエプロン姿のミーアがオタマ片手にこちらを見ていた。
「俺、、熱で幻覚見えてる、、?」
「何言ってんだよ、現実だ、現実!しっかりしろよ」
困った顔で笑うミーアをじっと見つめるヤマト。
よく見ると荒れていた部屋の中は綺麗に片付けられ、空気の入れ替えも完了していた。

「悪いけどキッチン勝手に使わせてもらったよ、お粥、作ったけど、、食えるか?」
「は、はいっす!!」
ミーアの問いに、速攻で答えていた。

、、、、

目の前に置かれたお粥の椀。
ホワホワと温かな湯気が立ち上る。
「熱いからゆっくり食えよ」
「は、はいっす、、頂きますっ」
ゆっくりと手を合わせてスプーンを握った。

が、なかなか手をつけようとしないヤマト。
「?どした?やっぱり体、辛いか??」
不思議な顔でミーアはヤマトにそう声をかけた。

「いや、、、」
「なんだよ、、、あ、お粥の気分じゃなかった?作り直そうか?何が食べたい?うどんにするか?」
「あっ、、いやっ!!ち、違うんす!」
椀に手を伸ばそうとするミーアを制したヤマトは思い詰めた顔でこう言った。
「た、、、食べさせてもらったりとか、、、で、できるっすか、、、?」
熱のせいなのか、なんなのか、顔がどんどん熱くなる。
「、、、ったく、、、しょうがねぇなぁ、もう」
呆れた顔のミーアがヤマトからスプーンを取ると、粥をひとすくいして冷ますように息をふきかけた。
「ふぅ、、ふぅ、、、ん、大丈夫だろ、ほら」

パクっ
ふわりとひろがる卵のとろみ。
薄すぎず、濃すぎず、ちょうどいい塩味。
ほどよく冷まされたクタクタに崩れたご飯。

喉元を通り抜け胃に到達すると、熱にうなされていた体が一気に目覚めた気がした。

「んまぃ、、っっ!ミーアさんっ、、うまいっすっ!」
「そか、そりゃよかった!ほら、もう一口」
あーん。パクっ
もぐもぐもぐ、、ごくんっ

1口ごとに体の中の力が蘇ってくるようだった。
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