好敵手

2人のやり取りを聞いていたゼブラがグラスに残った酒を飲み干すと、おもむろに席を立った。

「お、ゼブラ、帰るのか?」
「、、、」

黙ってヤマトの首根っこをひっつかむと引きずりながら扉の方へむかっていく。

「あっ、おいっ!、、、ヤマトの事、送ってってくれんの?」
慌ててミーアも扉の方へ着いていく。
「煽ったのは俺だからな。ここに置いていくとこいつ、何するかわかんねぇっつってたし、めんどくせぇけど連れてく」
「ははっ、、よく分かんねぇけど、ありがとなー、気をつけてな!ちゃんと送り届けてやれよ!」
ミーアは笑ってそう言うと2人を見送った。

、、、、

「あれ、、なんで俺、ゼブラさんに抱えられてるんだ?」
しばらくして少し酔いが覚めたヤマトは不思議そうにゼブラを見た。
「よぉ、正気に戻ったかよ」
「!!そうか!俺、強い酒に酔ってしまって、、!うぅ、まだ頭がグラグラする、、」
思い出して青ざめるヤマト。ゼブラに乱暴に下ろされると尻もちを着いた。
「いってて、、、」
「飲めねぇ酒、ちょっと俺に煽られたくらいで無理して飲むからだろ」
ヤマトの耳に入っていたはずだが、返答せずにゆっくりと立ち上がる。

「ここまで連れて来てくれたことはお礼を言うっす、、、けど、今日は2勝2敗で引き分けっすよ、、」
「なんの事だ」
ゼブラはヤマトにそう返した。

「大食い対決と強い酒には負けたっすけど、ミーアさんを手伝って2人きりになれたし、酔っててうろ覚えだけど、ミーアさんが自分のベッドを貸してくれるって言ってくれたっす!だから、2勝2敗!借りてはないけど!」
「なんだそれ、くだらねぇ、つーか、その内容は2勝に値すんのかよ、無理やりすぎねぇか?」

「、、、俺とゼブラさんはライバルなんすから!」
「こないだも言ってたそのライバルって、なんの事だ?俺はお前から喧嘩は勝ったが、ライバルになったつもりはねぇぞ。そもそもなんに対してのライバルなんだよ」
怪訝な顔でヤマトを見るゼブラ。
「ゼブラさん、、この期に及んでそれはないっすよ、、、」
二人の間を冷たい空気が駆け抜けた。
「あ?なんだと?てめぇ、、」
「、、、ミーアさんの事、好きなんすよね?ゼブラさんも。俺は大好きっす!今でもミーアさんの事!」

今まで酒に酔ってうつろだったヤマトの顔が、不意に真顔に変わった。
まっすぐ、ゼブラを見据えてハッキリとそう言った。

「だから、俺がミーアさんのベッド借りようとした時、行かせないように連れ出したんじゃないんすか?実際、心の中で慌ててたんじゃないっすか?」
「な、何を言ってんだ?」
明らかにゼブラの態度が変わった。

「今までの事も含めて考えると、だいぶ前からミーアさんの事、気になってたんじゃないっすか?」
「そんなわけ、、っ」

「無いとは言わせないっすよ!ゼブラさんは、明らかにミーアさんの事が好きっす!他人から見るとバレバレっす。気持ちダダ漏れっすよ!いい加減認めてくださいっす!」
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