好敵手

「あっ、誤解だ、ヤマト!説明が悪かったな、ブランチにゼブラに渡してくれって勝手に持たされたんだ、お土産って程のものじゃないから!」
2人のやり取りを見て慌てて言い換えるミーア。

「あ、、あー、、そ、そうだったんすねっ」
引きつった笑顔でそう返すヤマト。
「ゼブラもわざわざ今日飲まなくてもいいだろー、そろそろ帰れよ、、」
ミーアは、はぁ、と呆れ顔でため息。

ゼブラはそれを無視して2つのグラスに酒を注いだ。
「2つ、、、てことは、ミーアさんも飲むんすか?」
「いやいやっ、私は飲まないよ、苦手だし、美味さがよくわかんないしな。これは、一応ヤマトのだったんだけど、ヤマトも酒、苦手だっけ?強めの酒みたいだから、やめとく?」
「、、、」
ホントのところ、普段からあまり飲まない。弱くは無いとは思っているが、好んで飲むほどはない。
これが、相手が恋敵でなければ断っていたかもしれないが、恐らく度数の高い酒を注ぎながら、こちらをみて「飲めるのかぁ?」と、ニヤニヤしながら煽るゼブラを見ていると、また、闘争心が湧いてきてしまった。
「いただくっす!!」
「けっこう度数高いぞ?大丈夫か?」
心配顔のミーアをよそに意を決して酒の入ったグラスを手に取った。
目の前にして生唾を飲む。

「飲めねぇんだったら無理すんなよ」
ニヤリとヤマトを睨むゼブラ。

「無理じゃないっす!飲みます!」
ごくっごくっ、、ぷはぁっっ、、
「うっ、、、、、」
たった数口。クラクラしてくる。

「お前が飲むには無理があったか?」
一気に顔が赤くなったヤマトを見てゼブラが余裕そうに笑った。
「ばかっ、煽ってんじゃねぇよ!ったく、、殴り合いの喧嘩もめんどくさいけど、こういうやりあいも大概めんどくせぇな、、、今日の2人はなんなんだよ、、」

グラスに冷たい水を注いで慌ててヤマトに渡した。

ごくごくごくっっ
どれだけ、水を流し込んでもグルグルする視界が止まらない。

「、、、すいませんっす、、、」
青くなった顔でフラフラとミーアに寄っていくヤマト。
「いや、私は構わないけど、、大丈夫か?奥で休んでく?」
「お、奥?」
「私の自室なんだけど、、ベッドあるから、少し横になったらいい」
ミーアがヤマトの体を支えようと手を差し伸べた。
「ミーアさんの、、自室?、、ベッド、、?」
アルコールでただでさえ顔が熱いのに、更に火照ってくる。
「いやっ、さすがに、それはっ、、ヤバいっすっ、、」
「ん?何が?」
慌てふためくヤマトを不思議そうに見るミーア。
「こいつ、たった1杯なのにだいぶ酔ってんな」
「他人事みたいに言うなっ、煽ったのお前だろ!」
そう言ってふらつくヤマトの体を支えるミーア。
「いや、、、っ、、今の俺、、何するか分かんないっすから、、、だ、大丈夫っすっ、、」
なんとか回る頭で言葉を選びながら発するヤマト。
「何するかわかんないって、、なんだ?吐くかもしれないって事か?それなら大丈夫だぞ!心配するな!」
ミーアはそう言って笑うとヤマトを奥へと誘導しようと歩き出す。
「あっ、ちがっ、、、いや、、えっと、、ほら、酔った勢いで、、とかっ、、り、理性の方の問題で、、っ、、、」
「??」
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