好敵手

「さてと、2人とも食べ終わったし、片付けるかな」
フロアにはゼブラとヤマトが食べた空の食器が並んでいた。
カチャカチャと音を出してまとめて行くミーア。
「あっ、ミーアさん!手伝うっす!」
「おー、サンキュー、、、その腹で動けるか?」
「だ、大丈夫っす、、っ」
そう言って今度はヤマトがゼブラを勝ち誇ったような顔で見た。
「、、なんだよ、その腹の立つ顔は、、喧嘩売ってんのか?」
ムスッとした顔でヤマトを睨み返すゼブラ。
「喧嘩ならだいぶ前に売ってるっすよっ、忘れたんすか?厨房でミーアさんと2人きりになれるチャンスっす!邪魔しないで下さいねっ」
意地悪そうに笑いながら先に厨房へ向かったミーアを追いかけて行ってしまった。

「ふんっ、んな事覚えてねぇよ、何が邪魔するな、だ。俺には関係ねぇ、、、はずなんだが、、、」
なんだ、このムカムカする変な気持ちは。


しばらくすると、ウキウキとした顔でヤマトだけがフロアに戻ってきた。

「洗い物、手伝ってきたっす!」
「だからなんだよ、気持ちわりぃ顔しやがって」
ニヤニヤと戻ってくるヤマトに呆れた顔で睨むゼブラ。

「、、、ゼブラさん、まだ帰らないんすか?」
「お前こそ、早く帰れよ」
バチバチと見えない視線の火花が飛ぶ。

その時。
「いやー、助かったー!ありがとなー、ヤマト!」
エプロンをはずしたミーアが戻ってきた。
「ミーアさん、あれをいつも閉店後に1人で片付けてたんすか?」
「まぁなー、いつもの事だよ!けど、今日はヤマトが手伝ってくれたから助かったよ」
ミーアの笑顔がヤマトに向けられる。
「これくらい、いいっすよ」
そう言ってゼブラを見てニヤついた。
「だから、その顔なんなんだよ、腹立つな」

「さっきから何を2人で小競り合いしてんだよ、、、、店だけは壊すなよ。ま、相手がヤマトならそれはないか」
呆れた顔のミーアが2人に言った。

「ミーア、アレ持ってこい」
不意にゼブラがミーアに何かを飲むそぶりを見せた。
「あー、はいはい、アレね」
そう言ってフロアの戸棚に向かって何かを取り出すとそれとグラスを2つ持ってこちらにきた。
「?アレ、、とは?」
不思議な顔のヤマト。
「閉店後、時々こいつ、ここで酒飲んでくんだよ」
「お酒っすか!?でも、ここって、お酒出さないんじゃなかったすか!?」
驚いた顔のヤマトを今度はゼブラがニヤニヤと見ていた。

「そうなんだけどなー、3年ぶりに帰ってきた時にお土産で渡した酒に味しめちゃってさ、時々閉店後にちょっと飲んで帰るようになっちゃったんだよ、、、まぁ、自分で持ってきて置いていくから勝手にさせてるんだけどな」
困った顔で笑うミーア。

勝手にお酒置いてるなんて、ゼブラさんだけ特別扱いみたいで、ずるい、、。
それに、、
「お、、お土産、、?」
「俺にはなかったのに、、って顔だな、はっ」
さっきのお返しかのようにゼブラが勝ち誇ったように笑った。
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