サイドストーリー⑦~ミーア&ヤマト~出会い編

「おい!ヤマト!!早くしろ!そんなことも出来ないのかよ!」
「す、すいませんっす!すぐ行きます!」
「もういい!お前は皿洗いでもやってろ!クズが!」
「、、、、、」

これでも一生懸命ついていこうと必死だった。

この先輩は小松シェフのいる時だけは、まるでご機嫌取りのようにヘコヘコとし、機嫌がいい。

「、、今日、小松シェフは?」
「あー、四天王のトリコと食材の捕獲の旅に出てるんだと。あの先輩、小松シェフがいないと急に態度でかくなるよなぁ」
一緒に就職した同僚が苦笑いを浮べる。

腕には自信がある、と思っていた。
希望を持ってここに就職した。
だけど、待っていたのはオーナーシェフがいないと威張り散らすだけの先輩シェフにこき使われ、雑務をこなす日々。

トリコと捕獲の旅に出る小松シェフは厨房にいる事が少なかった。

こんな毎日で当然やる気も日々失われていく。

「もう、辞めようかな、、、」
ポツリと呟いていた。


そんな時、大きな催事の調理の仕事が舞い込んできた。
大富豪の娘の披露宴。

「どうせ大した仕事、任されないんだろうし、適当にやって、もう辞めよ、、」
どこかシラケた心でそう、決めていた。


当日。寝ぼけまなこでコックコートに着替えていると、同僚が近寄ってきた。
「なぁ、聞いたか?」
「ん?何を?」
「なんでも、今日の披露宴の調理、応援を呼んでるらしいぞ、小松シェフの知り合いらしい」
コソコソと耳打ちをしてくる。
「はぁ?ここに料理人なんていくらでもいるだろ!なんで、俺たちじゃなく、外部の人間に依頼なんてすんだよ!」
「だよな!納得いかねぇよな!今小松シェフが入口でそいつが来るのを待ってるらしいから、行ってどんな面してるのか、見てみようぜ!」

2人はロビーの太い柱の影に身を潜め、その人物が来るのを待った。

、、、
「おい、あいつじゃないか?」
しばらくして物凄くラフな格好の女が現れて小松と何か話しているのを見た。
「、、、お、女かよ!?しかも、なんか小松シェフに対して馴れ馴れしいな、、、」
腹が立った。
こっちは何年いてもまともに小松シェフと話せたことなんかないのに、見たこともない華奢な女が物怖じせず話している。

「これが終わったらどうせ辞めるんだ、どうなってもいい、、ちょっと痛めつけてやろう」

今思えばただの嫉妬だったのかもしれない。

影からロッカールームへと案内されるその料理人を睨んでいた。
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