悪い虫

ガタッ

「おい、どこ行くんだよ」
ゼブラは無言で立ち上がるとトリコが聞くのも無視して食事をしていた部屋を出ていった。

、、、、

「、、、だそうだ、聞こえたか?」
出入口の近く。
入ろうかどうしようか迷う人物にゼブラは静かにそう言った。
「ゼブラさん、、、も、もしかして、これを俺に聞かせようとして呼んだんすか、、?」
ヤマトだった。
「なんの事だ。俺は知らねぇよ、足りねえからもっと持ってこいって言うためにお前を呼んだに過ぎねぇ」
驚くヤマトにゼブラは視線合わせずそう言った。
「、、、それは、いくら何でも無理があるっすよ。
俺が勘違いしてるって、分かってたから聞かせてくれたんすよね?」
苦笑いで返すヤマト。
「ふんっ、、どうでもいいが、あいつはそんなやつじゃねぇ事、お前もわかってんだろ」
「ありがとうございます!あの日の真実が知れてよかったっす、そうっすよね、ミーアさんは、そんな人じゃないっすもんね」
安心した顔で笑うヤマトをギロリと睨んだ。
「しかし。ミーアはお前の女じゃねぇだろ、何、安心した顔してんだよ」
「そうっすけど、、でも、ゼブラさんの彼女でもないっすよ」
以前のような先入観による恐怖はもうヤマトには無い。
「だから、まだ、チャンスは僕にもあるって言うことっす!俺、負けないっすからね!俺とゼブラさんはライバルっすから!」
「勝手にやってろ」
ゼブラはそう言って突っぱねるとまた部屋へと戻って行った。

戻って水を1口。
ヤマトとの様子を見ていたココが口を開いた。
「何?どうしたの?ヤマトくんとライバルってどういうこと?」
ニヤニヤしながらゼブラをつつく。
「うるせーな、盗み聞きしてんじゃねぇ、調子に乗るな」
「人一倍盗み聞きしてんのはお前だろ。そんなこと言って、ミーアの事が気になってしようがねぇって顔に書いてあんぞ、あの料理人とミーアの取り合いか??おもしれぇ!」
トリコが追い打ちをかける。
「あぁ!?トリコてめぇ、お前は黙ってろ!」
思わず椅子から腰を上げて喧嘩腰になる。
「けど、否定はしないんだな」
サニーがとどめを刺した。
「っっ!!お前ら、、、っ俺がいつ、ミーアが気になるっつった!?いい加減にしろ!」
焦るゼブラに、シラっとした顔の3人。
何を今更、とでもいいたげな顔をしていた。
「無自覚かよ、、、」
サニーが呆れた顔をする。
「いや、これは頭では分かってるけど素直になれないだけだね」
ココも同じような顔をした。
「気持ちに気がついてないのなら、いい加減にするのは、ゼブラ、お前だぞ」
トリコがゼブラを指さす。
「もたもたしてたらヤマト君にミーアを取られちゃうよ?」
「っっ、、うるせぇっ!!」
ココの言葉にそう言ってドカドカと出ていってしまった。
「あーあ、怒らせちまった、俺しーらね」
やれやれとサニーが呟いた。
「まぁ、そろそろ気がついてもいいだろ、遅いくらいだ、俺たちがこれだけ言っても怒り狂って大暴れしねぇところを見るとやっぱり図星なんだろうな、ゼブラもほんとは心のどこかでわかってんだよ」
トリコも目の前の酒を飲み干した。
「さっきのヤマトくんの話も気になるけどね、、ライバルって言ってたし、いつの間にあの二人、あんな風に仲良くなったんだろ」
ふとココがそうもらす。
「ま、そういうのがあった方が面白いんじゃね?」
「今後が楽しみだね」
3人はニヤニヤしながら2人の行く末を思っていた。
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