悪い虫

別の日。

「小僧!まだ足りねーぞ!もっと持ってこい!」
ホテルグルメにゼブラの怒号が飛んでいた。
「おい!まだココが来てねーんだぞ!待てよ!」
隣に座るトリコが窘めるが手を止める気配がない。
「ほんっと、美しくねぇ食い方だな、、、」
サニーがじとっとした目でゼブラを睨む。

「はーい!ただいまお持ちしまーす!!」
慣れた様子でワゴンに沢山の料理を乗せて小松が小走りでやってきた。

「今日は、新作の試食でトリコさん初め四天王の方々に声を掛けさせてもらいましたが、、、まだ揃ってもないのにこんなに食べられちゃって大丈夫かなぁ、、、ははは、、、」
ゼブラのがっつき具合に苦笑いの小松。
「、、、小僧」
ゼブラが小松を呼ぶ。
「はい、どうしました?ゼブラさん」
「あとでヤマトを呼んでこい」
「ヤマト君、、ですか?何か御用ですか?」
「いいから黙って呼んでくりゃいいんだよ!」
「わ、わかりました!!あとで声掛けておきますぅっ!!」
小松が慌てて厨房へと走っていった。
「つーか、何イライラしてんだよ、ゼブラ。口に合わない食材でもあったのか?」
いつもより怒りを露わにしていたゼブラにトリコが聞いた。
「るせーな、俺はいたって普通だ」
「そうだぞ、トリコ。ゼブラはいつもこんなんだろ」
サニーがサラリとした顔でワインを嗜みながら言う。
「そうか?なーんか、カリカリしてる気がするんだがなぁ、、」
そう言いながら目の前の肉を頬張った。

「いやぁ、遅くなってごめん!」
しばらくしてココが遅れてやってきた。
「、、、来やがったな」
ポツリと呟いてココを睨むゼブラ。

4人揃って小松の作る新作料理を食べていく。
大きなテーブルの上の料理が全て食べ尽くされた頃、ゼブラがココを呼んだ。

「どうしたんだい?ゼブラが僕を呼ぶなんてなんか珍しいね」
不思議そうにゼブラを見る。
「こないだ、ミーアの店に行ったんだってな」
「この前、、?あー、あの時か!近くに依頼された食材の群生地があったからね、定食を食べようと思ってお店に行ったんだ」
当たり前だが、隠すことなく話すココ。
「その日、ミーアが毒を持った虫に刺されたって言ってたけど、本当か?」
「うん、本当だよ、軽い目眩とふらつきを引き起こす毒で、そんなに重いものじゃなかったから、頼まれて僕が処置したんだ、こうやって手をかざして、僕の毒とミーアの中の毒を刺された所から吸着させて取り除いたんだよ」
「、、、そうか」

「そんな小さなこともいちいち気になっちゃうんだね、、、」
なんとなく、ほっとしたように見えるゼブラをココは少し呆れたような笑顔で見て小さくそう呟いた。
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