悪い虫

「これは、、、うん、そうだね、猛毒とまではいかないけど、少し毒を持った虫に刺されてる、その毒が命の危険性はないけど、目眩とふらつきを引き起こしてるみたいだ」
毒に詳しいココがすぐに答えを出した。
「まじか、、店開けたばかりなのに、どうしよう、、」
困った顔で店の心配をするミーア。
「こんな時でも店の心配かい?」
ココは呆れた顔で返した。
「ココ、毒に詳しかったよな?どうにかならない?」
「まぁ、見た感じ少量だし、僕の力で毒を外に出すことは可能だけど、、それでも、目眩は少し残るかもしれないよ?」
幸いまだ、次の客は来ない。
「構わないよ、毒が抜けるなら!しばらくすれば動けるんだろ?」
「まぁ、そうだけど、、、僕としては1日程度は休んで欲しいけど、、、」
「そういう訳にはいかないよ!動けるんならこのまま店は開けたいから、頼む!ココ!おかず、1品付けるからさ!ね?」
そう言ってココに懇願するミーア。
「んー、、まいったな、それを出されたら思わずいいよって言ってしまいそうになるじゃないか、、まったく」
ココは困った顔で笑いながらミーアの患部に手を当てた。

、、、、、

しばらくして処置が終わり、ココが額の汗を拭った。
「よし、っと。これで毒は全部出したよ、さっきも言ったけど目眩はまだ少し残るから気をつけてね」
「ありがと!あ、食事、冷めちゃったから作り直してくるよ!座って待ってな!」
「あっミーア!待って!少し安静に、、っ!、、、まったくもう、、話を聞かない所は誰かさんにそっくりだな、、」

さっきまで重かった体が毒が抜けたお陰で軽い。
この調子なら動けそうだ。
よし、と1人で気合いを入れ直すとココに食べてもらう食事を早急に温め直し作り上げた。

、、、、

しばらくして、食事を終え、腹の膨れたココが
「くれぐれも無理をしないように!」
と念を押しながらキッスに乗って帰っていくのを見送って、何人かの客を接客をし、その夕方。

窓の外は紅い夕焼けと暗闇のグラデーション。
「ふぅ、、ココのおかげでなんとか1日動けたな」
ミーアは刺された首筋を抑えながら客の途切れたフロアで少し休憩を取っていた。

しばらくして。
ガチャっ
店の扉が開いた。

「ん?お、いらっしゃい!」
「こんにちわっす!ミーアさん!」
ヤマトが店にやってきた。

「今日は客って感じじゃないみたいだな」
コックコートを身にまとった姿で現れたヤマトに残念そうな顔をするミーア。

「そうなんっす、、俺も残念なんすけど、、、」
しゅんと肩を落とすヤマト。
「で、どうした?まだ仕事中だろ?小松の使いか?」
椅子から立ち上がりヤマトの方へと出向く。
「はい!この前緊急で借りていた調理器具の返却に!小松シェフが忙しいようでしたので、俺が持ってきたっす!」
「なんだよ、急がなくていいって言ったのに、わざわざありがとなー」
そう言ってその調理器具をヤマトから受け取った。
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