サイドストーリー⑤~ミーア&ブランチ~はじまり編

「はよこっち持ってこんかい!!何をぼーっとしとるんや!ミーア!!」
「っっはい!!行きます!!」

店が開店してすぐ。
慌ただしくなる厨房。

今日も厳しいブランチの怒号が飛ぶ。

「ひぃ、、っ、相変わらずミーアちゃんには特別厳しいな、ブランチさん、、」
「、、だな、、こぇぇ、、よく耐えてられるよなぁ、、」
傍でみているスタッフも思わずその迫力に息を飲む。
「まぁこれも、厨房にいる時だけ、だけどな」
「だなー、ははっ、あの二人、なんか昔からの知り合いなんだってな!前もミーアちゃん、ここにいたことあるんだって、俺が来るだいぶ前らしいけど」
「そうなの!?」

「おら!そこ!喋ってる暇なんかないで!!これ持ってけ!」
「すっ、すいません!!」
「行きますっ!」
ブランチの怒号の飛び火が、話していたスタッフ2人に被弾して、弾けるように動き出した。


、、、、
数年前。

「私もその妖食界ってとこにつれてってくれ!!」

歳の頃はおよそ15、6かそこいら。
背の低さから見た目より幼く見えるその者は風呂敷袋1つ引っさげてこちらに向かって叫んできた。

「な、なんやっ、、お前、、」
白い学ランのようなコックコートに身を包んだ鼻が長く、赤い顔の男。
「だから!私もその妖食界ってとこに行きたいって言ってんだよ!」
恐れる様子もなくキリッと見上げて少女は再度同じセリフを吐いた。
「、、、、ワシに言うとんか?」
一応聞いてみる。
「こんな物騒なところ、あんた以外に誰がいんだよ!」
「、、生意気なやっちゃな、こいつ、、なにもんや、、」
じとっとした目で少女を睨む。
「何のために行くんや?面白くもなんともないで?お前が遊ぶようなところ、どこにも、、」
「遊ぶために行くんじゃない!!」
今度はその少女がブランチを睨みあげる。
「やったら、なんで、、?」
「料理を学びたい!!」
「っっ!!」
その目は揺るぎない決意が滲み出ていた。
「あんた、その身なりを見るに、料理人だろ?」
少女の目がキラリと光る。
「ほぉ、、よぉわかったな」
「さっき、他の奴と話してた時、妖食界に帰るって言ってたよな、だから、私もそこに連れて行って、料理を教えてくれ!」
「断る!お前に何ができるんや、そんなこんまい体で、、」
けっ、と突っぱねる。
「なんだってしてやるよ!料理ができるなら!」
「んなっ!?、、っこいつっ、、」
思わずあたりを見渡す。
親とおぼしき人物は近くにいないようだ。
、、、こいつ、、孤児なんか?たった一人でここまできたっちゅうんか、、
「1個聞いてもええか?」
「、、ん?」
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