その涙の意味

「く、苦しっ、、、」
「あっ、、す、すいませんっっつい、、っ」
くぐもったミーアの声に慌てて抱きしめていた腕を離した。
「、、言われた相手がゼブラなのは合ってるよ」
「!!」
「でも、悪いのは私だから」
「でもっ、こんなに目が真っ赤になるまで泣かせるなんて、、!一体何があったんすか!?」

「あ、違う違う!これは悔し泣き」
「悔し泣き?っすか、、」

「うん。今日さ、全然料理に集中出来てなくて、ゼブラに不完全なもの、出しちまってさ。美食屋にはそんなん通用しないよな、初めて残して帰って行ったよ。そん時言われたんだ。お前の料理にかけるあの自信はどこ行った!?俺にうまいって言わせるために作ったんじゃねぇのかよ!!って、、、不味いって、、言われちゃったわ、、、ははっ、、」

「ミーアさん、、、」
その悔しそうに俯いた顔を見て、また、抱き寄せたくなった。

「今日1日、私何してたんだろって、気付かされたよ。些細なことで集中力なくすなんてな。その途端、プライド忘れてた自分が悔しくて悔しくて、、それで。だから、誰のせいとかじゃなくて、私自身の問題。むしろゼブラはそれに気付かせてくれたんだよ、情けない話なんだけどさ」
涙をこらえて笑った。

「そうだったんすね、、、俺、てっきりゼブラさんに物凄く酷いこと言われたんじゃないかって、、」

「ばーか、それだけで私が簡単に泣くかよ」
ふっと鼻で笑う。
「、、たしかにっすね。口喧嘩ではミーアさんも負けてないっすもんね」
ヤマトも納得とうなづいた。

「だから、大丈夫だよ、ヤマトの件も心配しなくていいから、わざわざ悪かったな」

帰るように促すミーアだったが、ヤマトはそこからなかなか動かなかった。

「あの、、っ」
「ん?」

「さっきの話、、なんすけど、、、」
「、、あー、、うん、、」
なんとなく避けていた話。

「やっぱり、俺じゃ、、、だめっすか」
「、、、、」

何て言おうか、どう言ったらいいのか、躊躇しているとヤマトが再び口を開いた。
「俺は、、ゼブラさんみたいに力も強くないし、得意技とかもないし、初対面でミーアさんに酷いことした酷いヤツっすけど、それから心入れ替えて料理人の仕事、頑張ってきたっす、、ミーアさんのその笑顔と負けん気の強さ、ほんとに俺の憧れなんっす、、だから!!」

思わずまた、無意識にミーアに迫っていた。
「ちょっ、、ちょっと、待って、ヤマト!」

「っっ、、」

「、、、、い、一旦落ち着こ、な?」
「、、はいっす、、すいません、、」
4/5ページ
スキ