その涙の意味

「はぁ、、やっぱり、陽輝やリンが言ってたの、ほんとだったみたいだな、、あの感じ、人違いじゃ無さそうだったし、、」

2人が帰ったあと、1人テーブルを拭きながら考える。

「ゼブラも言ってたけど、、会わない方がいいのかな、、それとも、ちゃんと伝えるべき、、?はぁ、、もう、よくわかんね、、、」
むしゃくしゃしてくる気持ちを言葉にして吐き捨てる。

「ミーアちゃん、まだ残ってる?」
「あ、、いらっしゃい!うん、残ってるよ!」
新たな客が来て、考える間もなく調理をする時間が続いた。

、、、、

「残り1食か、、」
9食目の客を見送って小さく呟いた。

空はミーアの心と同じようにどんよりと曇っていた。

しばらく厨房でボーッとしていると、例の如くフロアの扉が音を立てて開いた。

「!!、、ゼブラかな。そういや、あの温泉旅行以来か、、ヤマトもだったけど、こっちもなんとなく気まずいな、、、」
何とか気持ちを切り替えるが、足取りは重くフロアへと向かった。

「、、、やっぱり、ゼブラか。最後の1食、食いに来たんだろ?」
笑顔を無理やり作って水の入ったグラスを目の前に置いた。

「、、、、わかってんなら早くしろ」
こちらを見もせずに一言吐き捨てる。

「はいはい、少し待ってな」

、、、、


「はい、おまたせ」

もぐもぐもぐ、、、 もぐ、、(?!)

「、、あの日、夜中に先に出てったんだって?」
「、、、」

もぐもぐ、、、

無言で食べ続けるゼブラ。
時折ミーアが話しかけるが、返事が返ってくることはなかった。

「、、、ねぇ、、なんか言えよ」
ことごとく無視をされミーアはムッとしてゼブラを睨んだ。

「、、、水」
ゼブラはそれだけ言って空になったグラスを差し出した。

「、、はいはい、わかりましたよ」
不機嫌にグラスに水を注ぐ。

「どうぞ、ごゆっくり。私、厨房にいるから、用があったら呼んでくれ」
会話にならないと諦めると、ミーアは厨房へ戻ろうと踵を返した。

「待て」
がし、っと腕を捕まれ呼び止められた。
「、、、なんだよ、言葉も交わしたくないんだろ。だったら、食事の邪魔はしねぇから、ゆっくり食べなよ」
振り返りもせずにミーアは小さく反論する。

「てめえ、、今日、調理に集中したか?」
「、、、!!」

「、、味付けがぼやけてる。汁物もいつもよりぬるい。なんなんだ、今日の料理は」

「そ、そうか?そりゃ、悪かったな、、作り直、、」

「ふざけんな!客を舐めてんのか!?今日食って行った9人は、とんだ飯食わされたもんだなぁ!あ!?調子に乗ってんじゃねぇぞ!!」

「、、、ごめんって言ってんだろ!!そう思うなら食わなくていいから帰れよ!!」
悪いと思いながらも、つい、いつも通りに言い返してしまう。

「お前の料理にかけるあの自信はどこ行った!?俺にうまいって言わせるために作ってきたんじゃねぇのかよ!!今日食った料理は、今まで食べてきた中でダントツに不味いぞ!」
「!?」
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