煙火玉が溶ける夜

「俺によこせ」

一気にヤマトの中で絶望感が押し寄せる。
今1番聞きたくない声だった。
(今日、来ないんじゃなかったのかよ、、)

ラムネの瓶をヤマトが掴み切る前に鷲掴みにすると一気に自分の口に流し込んで口元を拭った。
「ぷはぁっ、、やっぱり、メロウコーラよりは味が劣るな、、」
「ちょっ、、!ゼブラ!?何すんだよ!!つーか!今日来ないんじゃなかったのかよ!!」
「うるせーな、気が変わったんだよ、いいだろ
別に」
「よくない!!そのラムネはヤマトが買ってきてくれたんだぞ!!私、1口しか飲んでないのに!!バカ!!返せ!!」
「ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー、、たった1本のラムネごときにやかましいんだよ!」
「お前のせいだろっ急に割り込んできて勝手に奪いやがって!何のつもりだ!ヤマトに謝れ!」
始まってしまったいつもの喧嘩に入り込むすべもなく立ち尽くすヤマト。
「ど、、どうしよう、、」

「、、、またお前か」
静かにヤマトを睨む。
「ひっ、、」
威嚇にも似た睨みに動けなくなる。

「だから!怖がらせるなって!」
ミーアがゼブラをはたいた。

「ふんっ、知るかよ、めんどくせーな、ほんっとに、、」
そう言って歩き出すゼブラ。
「ちょっと!どこに行くんだよ!ラムネ!買ってこいよー!返せー!」
今度は引き留めようとゼブラを追いかけるミーア。
ミーアがヤマトから離れかけた時。

ぐいっ

「わっ!?」

ミーアの腕が強く引かれて驚いた声がもれた。

「ぁっ、、、」
無意識だった。
あっちに行かせたくない、一緒にいたい。
思うより先に体が動いていた。
「す、、すいませんっ!つい、、」
「ビックリした、、どうした??」
「いや、、、ほんと、すいません、、」
「やっぱり、なんかあったのか?仕事の悩みか?どうした?」
去っていくゼブラはそのままに、自分の心配をしてくれるミーアをとてつもなく抱きしめたくなった。
ここで気持ちを言うべきなのか、それすらも分からなくなっていた。
「あのっ、、、、」
そして誤魔化すように何かを言いかけたその時。

ひゅぅぅぅ、、、
どーーーーーん!!

目の前がチカチカと白くなる。
「おっ、花火!!」
ミーアが見上げて笑った。
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