苦手なもの

「妖食界にいた修行時代に、カエルを使った料理を散々ブランチに叩き込まれそうになったけど、それだけはダメだった、、んで、周りのヤツらに私のカエル嫌いがバレた時、めちゃくちゃからかわれて笑われてさ。それがトラウマで、以来、カエルが苦手なこと、誰にも言ってなかったんだ、、ほんと、、、情けないし、くだらないだろ?でも、どうしても、無理なんだよ、、」

「、、、、誰でも苦手なもんくらいあんだろ」
(つーか、、天狗野郎、その事知っててあんなことしたのか、、どういうつもりだよ、調子乗ってんな、、、)
何故か込み上げる怒りで拳がぎゅっと、固くなる。

「、、雨季が嫌いなのは客足が遠のくのもそうだけど、、ヤツが出てくる可能性も高くなるからなんだよなぁ、、、」

窓を打ち付ける激しい雨を睨むように見た。

「、、もう、、、それ以上は話さなくていい」

「、、、」

ミーアの頭にゼブラの大きな手のひらがポン、と置かれた。

ドキッ
「、、!!」
自分の鼓動の高鳴りに驚いてゼブラを見上げる。
「どうした?」

「い、いや、なんでもない、、」
(、、、ブランチにされた時はなんにも思わなかったのに、、なんでだろ、、)

「で?」

「?」

急に話を切り替えられてハテナ顔のミーア。
「?じゃねぇんだよ、なんだその間抜け面は」

「さっき、なんでもするっつったよな?」
ニヤリと笑う。

「い、、言いましたけど、、、(やっぱり覚えてたか、、)」
引きつった笑顔で返すミーア。

「そうだな、、、うーん、、、」
何か企むように考え込むゼブラ。

「なんか、突拍子もない事言ってきそうで怖いな、、」
青ざめた顔で苦笑いをした。

「あっ、定食爆盛りは?」
「いつもやってんだろ」
即答で却下。

「品数増やす!」
「時々やってんじゃねぇか、特別感がねぇ」
これも却下。

「じゃあ、、今夜の夕飯作ろうか?」
「それも時々食ってるだろ、つーか、てめぇの頭の中は飯の事しかねぇのかよ」

「だって、料理する事くらいしか取り柄ねぇもん。つーか!ゼブラにそれ言われたくない!!」
ぷぅと頬を膨らまして口を尖らせた。

「そんな事ねぇだろ、、、なんでもってなると、なかなか思いつかねーな、、、、保留でもいいか?」
珍しく真剣に考えながらミーアを見る。
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