苦手なもの

放物線状に飛んでいくカエル。
ホッとするミーア。

「二度と俺の食事の邪魔すんじゃねぇ」
ゼブラはそういうと椅子に座り直し、何も無かったかのように食事を再開する。

「ったく、何やってくれてんだよっ、ブランチっ」
落ち着きを取り戻したミーアがブランチを涙目で睨む。

「ワシとしては、きゃーとなってぎゅーっ作戦やったんやけど、、、しがみついてたし、ま、結果オーライやな!、、あわよくば、ちゅーも狙ってたんやけどなぁ、、、」

「あほかぁぁぁっっ!!!」
ばちぃぃんっっ!!

あっけらかんと話してのけるブランチに渾身の平手打ちが当たった。

「なにがっ、きゃーとなってぎゅーだ!!ふざけんなっ!」

「いててて、、、力は相変わらずやなぁ、、、」
頬を擦りながら身を起こす。

「おい、うるせーぞ!!!」
ゼブラの怒号が飛んできた。

「おお、怖っ、今日は喧嘩する気分やないしな、じゃ、ワシ、帰るわ!!ほな!ごちそーさんでしたぁぁ!!」
「あっ!ちょっ待て!ブランチ!!逃げんな!コラ!」

傘を手に持つと小雨の中を下駄を鳴らして逃げるように行ってしまった。

「、、ったく、、」

、、、

ゼブラが食事を全て終える頃、再び雨足が強くなってきていた。

「また強くなってきたなぁ、、」
そう呟いて空になった皿を下げていく。

「お前、、、カエルが苦手なのか?」

びくっ、、

「も、もう、やめてくれよ、、名前聞くだけでも鳥肌立つんだよ、、、」

両腕を擦りながらゼブラに吠える。

「お前にしちゃ意外だな」
ふんっ、と鼻で笑い、グラスの水を飲み干した。

「、、、、昔のさ記憶が蘇るんだよ、、、」
少し声のトーンが下がる。
「昔?」

「幼少期、食べるものも、、水さえも買えなかった時期があってさ、、無理やりその辺にいるカエル採って食わされてて、、今でもその時の苦しい記憶と吐き気が襲ってきて、触るのも見るのもダメなんだ、、」
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