苦手なもの

「!!!」

ばんっ!!

咄嗟に体が扉を開けてフロアの中へと向かっていた。

「どうした?いつも俺に静かに開けろと言う割にはすごい音がしたぞ。天狗野郎はいたのか?」
グラス片手に扉の方を見た。

「そ、そそっ、そ、、外!外!」
体が震えて言葉がうまく出てこない。

「あ?外がどうした?」
いつもと何か様子の違うミーアにゼブラの食事の手も止まっていた。
ミーアが外に向かって叫ぶ。
「ばか!!こっちに連れてくるな!!ブランチ!!お前っまじでいい加減にしろ!!」

「?騒がしいな、ったく。なんだよ、、」
面倒くさそうに食事の途中で席を立とうとしたその時。

どっ、、

体に軽い衝撃が走った。

小刻みに震えるそれが自分の背中にしがみつくミーアだという事がすぐにわかる。

「ブランチがっ、、手に持ってるものっ!!ど、、どうにかしてくれっ、、私、あれ、、あれが、苦手なんだっ、、ゼブラ、、っ頼むっ、、」

「?」

ニヤニヤしながらミーアに近づくブランチが持っていたのは、カエルだった。
ケロケロっ

「ぎゃーっ、、鳴いたぁぁっ!!ゼブラ!!早く!!早くしろ!!」
泣きそうな悲鳴をあげてゼブラの背中にしがみつく。

「ほらほらほら、、こんなちっこいやつのどこが怖いんや?かわいいでぇ?よォ見てみぃ」
尚もいじわるそうにカエルを近づけてくるブランチ。
それはまるで小学生男児のようだった。

「、、てめぇら、、俺の食事の邪魔するってことはそれ相応の覚悟はできてんだろうな?あ?」

「そんな事いいから!!ゼブラ!!頼む!!早くどうにかしてくれ!!何でもするから!!」

ピクッ
「何でも?」
静かに聞き返す。

「うんうんうん!!何でも!!大盛りでも爆盛りでも、食べたいものがあれば作るから!!とにかくなんでもいいから!!早く!!」

「そうか、、それなら、、」
そういうと、ギロリとブランチを睨んだ。

「お、なんや、やるか?」
待ってましたとばかりにニヤリと笑うブランチ。

「いいからさっさとそれ寄越せ」
むんずとそのカエルを掴む。

「あっ、、」

っぽーーーーいっ
小さなカエルはケロケロ鳴きながら虚空を舞い、遠くの茂みへと消えていった。

「あーーっっ!!何すんねん!!ボケ!!」
「ふん。知るかよ、くっだらねぇ。ガキか」
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