苦手なもの

「でも、、たとえワシが言いふらさんかったとしても、この雨やと、どっかからひょっこり出てくるんちゃう?あれってそういうもんやろ?それは大丈夫なんか?」

ぞわわっっ
想像しただけだ鳥肌がたつ。


「それ以上、いうなっ!これ、下げるぞ!」

「、、、からかいがいのあるやつやで、ほんま」
コーヒーカップを下げるミーアの背中をケラケラと笑いながら見送った。


厨房から戻ってきたタイミングで、扉が大きな音を立てて開いた。


「、、、、まだ残ってんだろ。全部食わせろ」

ゼブラだった。

「ほんっと、毎回毎回、、、扉は静かにあけろって何回言えばわかるんだよ!!」

「るせぇっ、、ん?、、天狗野郎か、、、てめぇ、また来てたのかよ」
いつものミーアとの喧嘩になる寸前で店内にいたブランチに気がついた。

「今日は客として来てたんや、悪いか!お先に食わせてもろたわ、うまかったで~」
ふん、と言い返す。

「食ったんなら、早く行けよ、耳障りだな」
「なんやと!?」
「やんのか、コラ」

「はいはい、そこまで!」
睨み合う二人の間に平然と割って入るミーア。

「ったく、毎度毎度、顔合わせりゃ喧嘩かよ、、飽きねぇな、お前らも」

呆れた顔でため息をつく。

「チッ、、、ミーア!早くしろ!」
そう告げると椅子に座り腕組をした。

「わかったわかった、作ってくるから、絶対に!喧嘩するなよ!」
釘をしっかり刺してから厨房へと急いだ。
、、、

「はい、お待たせー!あ、あれ?ブランチは?」
大盛りについだ料理をゼブラの前に置くと、キョロキョロとあたりを見渡した。

「知るかよ。さっきでてった」
それだけ言うと食事をはじめるゼブラ。
「ま、同じ空間にいると喧嘩になるしな」
好都合とミーアはほっとしたように笑って扉を開けて表にブランチを探しに出た。

ブランチの姿はすぐそこにあった。
「お、いた。何やってんだ?」
振り返ったブランチの顔は何か企んでいるようなそんな表情だった。

「おったで、、ミーア!」
「何が、、?」
いじわるそうに手の中に潜んでいた物をミーアに見せた。
「へっへっへ、、、ほれっ」
ケロケロっ

「!!!!!」

苦手なものというのは、敏感に感じやすいもので、僅かなその鳴き声に体が一気に強ばった。
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