そして私は立ち止まる。
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そうこうして迎えた入学初日。
何も考えずに過ごせ、とは思っていても頭の中ではいらない心配がどんどんと溢れてくる。
「すばる?どしたん?」
「……あんな、北くんが…」
「あーーーー、おるって言っとったな?北くん」
ぽん、と肩を叩いて笑顔を見せたのは、小学校から仲良しで大親友な光(ひかり)。
私の初恋が北くんなこともばっちりとしっているこの子は、入学式説明会の後北くんを見つけて慌てて駆けつけてきてくれた。
どうしよう、私のこと覚えているみたい、と死んだ目で言う私にきっと初恋なんてのは知らないって大丈夫!なんて励ましてくれた。
「光と同じクラスなら北くんと一緒でも頑張れる気がする」
「私も一緒のクラスがいいなーすばる以外話したことあるよ、程度の子ばっかだし」
ざわざわと人の集まるクラス表に私見てくる!と光がぴょんぴょん跳ねながら人集りに入っていったので、少し離れた所でぼーっと光を待つ。
出来れば階が違うと会う確率もぐっと減って私が気まずくなることもないんだれど。
なんて、
「藤瀬さん?」
神様は意地悪だから。
「きた、くん」
きっと、そうはならないだろうと分かっていたりもする。
「久しぶり、一緒のクラスやから、よろしゅうな」
「え」
じゃ、
それだけ言ってさっさと校舎の方に歩いていく北くん。
対して頭の回転が出来ていない私は、口をあんぐりと開けたまま、光が「私とも同じクラスだけど北くんとも一緒の5組ー!!」と言いにくるまでずっと固まるしか出来なくなっていた。
え、なんで、なんで。
なんで、今話しかけたの?
やっと出てきた言葉は、えっ、と驚いた光だけが拾った。
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