そして私は立ち止まる。
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最悪だ。
地獄から始まり天国で終わりを告げた高校の合格発表から晴れて5日。
合格者説明会、に足を運んだ私は、ふっと視界に入った人物に大きく目を見開いた。
「………きた、くん」
北くん。
忘れられない初恋の人。
そして、出来れば会いたくなかった人。
幼稚園の時に仲良くなって、助けてもらって恋に落ちた。
今考えればとってもしょうもないことだったのだが、それを助けてくれた北くんがきらきらと光っていて、きれいで。
そこから地域の問題で離れてしまう中学校まで、私はただ、彼のことが好きだった。
でも、幼いながらの初恋は、最悪の展開に転がって。
初めに私のお母さんに北くんが好きだとバレてからは、しかも、娘の感情を考えなかったおしゃべりな母がすぐに北くんのお母さんにばらしてしまったのだ。
いきなりすばるちゃんはうちの信介が好きなの?なんて北くんのお母さんに言われた幼い私の心情を考えて見てほしい。
死ぬほど消えたかった。
しかも!
無慈悲にもそれは北くん本人の耳にも届いたらしい。
私が北くんを好きなのがバレたのが小学二年生の時、そして北くんにバレたのが小学六年生の時だ。
いつもすっとしていて、動揺さえしたことのない彼が、私を見ていつもはなんとでもないのに気まずそうに顔を逸らしたのだ。
おおかたきっと北くんのお母さんがもう4年も経ってるしきっと大丈夫だろうとかそんな理由で口を滑らしたのであろう。
…すいません、まだ、私は好きなんですが。
なんて思った私は泣きたかった。
そこからはあまり話すこともなく卒業し、区域の問題で中学校は一緒になることはなく。
大丈夫、子供の軽い恋心だと中学校3年間を過ごしていたのに。
……いたのに。
「え、あれ信介くんやない!?ねぇ、すばる!!」
「あー、うん、せやね、せやからちょっと黙ってお母さん。」
ここで再開とはとてつもなく最悪で。
行きたい所に入れてよかったと両手を上げて喜んでいたのに、あぁ、ほかの所にすれば良かったと今は後悔が私を押し潰した。
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