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不本意な転校

「大きな校舎……てか城?」
翼は城のような校舎を見上げた。学校にしては趣がありすぎる。今日から翼はこのアストル学園に通うのだ。
 アストル国の首都にあるアストル学園は、街の中央にある学校だ。なんでも、国中の才能ある者を集めた学校らしい。しかし翼は浮かない顔だった。
「転校……やだな」
 正直転校なんて翼はしたくなかった。しかしせざる得ない理由があったのだ。
「翼……大丈夫?やっていけそう?」
「……大丈夫だよ。転校はやっぱりいやだけど
翼は大丈夫!ここでいっぱい友達作るから」

 翼を置いて心配そうに去って行く母親を翼は見えなくなるまで手を振って見送った。友達なんて出来るわけない、いや作る気もない翼なのだ。
「にしてもこの制服のスカート長すぎないか?」
 翼は今どきあり得ない長さのロングスカートをひらひらさせた。
長さの割に重さは軽いスカートだ。

ひら。ひら。ひら。
翼の横を白い何かが落ちてきた。
翼がなんだろうと上を向いたその時
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