再会


 忘れられない人がいる。

 懐かしい場所、いつもの日常、顔を見合せ笑い合う。
 その人は記憶に残る少年の姿から青年になり、子供だった自分もまた背を伸ばした。かつては見上げていたその人と、今なら目の高さも同じになった。
 なのに昔と変わらず、たわいない話ができるのが嬉しい。身体のすみずみまでが安らぎに満ちているのを、喜びとともにかみしめる。

 ……そして目が覚めて、あらためて思い知る。
 その人は遠くはなれたところにいるということ。
 会いたくても、会えない。

 そういう朝はいつもより苦しい。
 苦しくて寂しくて、それでも夢でも会えたことが嬉しくて、でも夢だから一緒にいられない。
 会いたい、と強く思う。
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