らくがき帳

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  • 夏五兄弟パロ

    20260416(木)05:14
    入浴を済ませると力尽きたように眠ってしまった悟をベッドに運び、灯りを消して寝室を出た。リビングのソファではさとるが一人、何をするでもなく虚空を見つめて、ふぅ、と小さく吐息をこぼした。

    「大丈夫?すぐるとのデート退屈だった?」
    「そうじゃないよ、楽しかった。映画もド派手で面白かったし、いちごのパフェもバカみたいにデカくて最高だったし、兄ちゃんへのお土産も、喜んでもらえたし……」
    「そう、よかった」
    「……兄ちゃんとも、行けたらいいのに」
    「……そうだねぇ」

    クッションを抱えて俯いてしまったさとるの隣に座り、柔らかな白い髪を優しく撫でた。常に自分の体調に緊張している悟にとって、少しの外出でもそのハードルは健常者のそれと全く異なる。途中で動けなくなってしまったところで誰も迷惑だなんて思わないのに、悟は罪悪感と自己嫌悪で余計にしおしおと落ち込んで弱ってしまう。

    「……この前のだって、何も気にしなくていいのに……兄ちゃん、ずっと謝ってた……オレが楽しいと、兄ちゃんも楽しいけど、きっと同じくらい苦しいんだよ。オレ別に、謝ってなんかほしくないのに、兄ちゃん、何も、悪いこと、してないのに」
    「さとるくん、落ち着いて。……深呼吸だよ、そう……ゆっくりね……」

    はくはくと呼吸の浅くなったさとるをクッションごと抱きしめて、落ち着くように背中を摩って深い呼吸を促した。私の肩口で顔を伏せるさとるに見えないように、全く、よく似た兄弟だと苦笑した。

    夏五

  • 平浦

    20260415(水)22:03
    腰に携えた刀の柄に手をかけたままズンズンと近付いてくる平子の姿を身留めて男は冷や汗をかいた。長い髪が垂れ下がりその表情は窺えないが、見えないはずの鬼相が見える。地獄の業火のようなどす黒いオーラを纏った物騒な霊圧が酷く重く伸し掛り、男は浦原の顎に触れたその手を引っ込める余裕もなく固まった。

    「……薄汚い手で触んなよ、クズが」
    「……ッ、ぁ……」
    「失せろ言うてんのや、聞こえへんのか」

    普段より数倍低く地すら震わす声と刃先のような眼光で睨まれ、腰の抜けた男は可哀想なほど怯えてへなへなとその場に崩れ落ちた。地を這いながら逃走するそれを汚物を見る目で一瞥すると、平子はすぐさま浦原に駆け寄った。浦原は今にも閉じてしまいそうな目をなんとか根気だけでこじ開けている。何かを言いたそうに唇を震わせる姿に痛ましく眉を顰め、もう大丈夫だと呟いて強く抱き寄せた。

    ×浦

  • ヘン主 3

    20260415(水)08:47
    「ひどい、ひどいわ!パパスさんのせいで王子さまが行方不明になっただなんて…!」
    「父さんのせいで王子さまが攫われたからこの村を燃やしたの?どうして?」
    「知らないっ…!知らないわよ!そんなの…!パパスさんは帰ってないって、私たちは何も知らないって、いくら訴えても聞く耳なんて持たなかったわ…!みんな恐ろしい顔をして、取り憑かれたように何もかも焼き払ったのよ…!」
    「そっか…。ごめんね、辛いことを思い出させてしまったね……あなたが生きていてくれて、また会えて本当によかったよ。ありがとう」
    「ふっ……ぅう……」

    両手で顔を覆い、泣き出してしまったシスターの背中を摩りながらリュカは視線だけをこちらに向けた。全身の血が凍りついたような、自分だけ時間が止まったような、そんな気分になった。
    教会の外に出て、暫く歩いたのだと思うがその記憶すら覚束無い。リュカとパパスが住んでいたという家の前に辿り着き、無惨に焼け落ちた残骸を目にした途端、耐え切れず咆哮した。

    「すまない…!リュカ…っ!オレは、オレの、せいで……っ!」
    「ヘンリーのせいじゃないよ」
    「オレのせいだろ…!!オレの誘拐を大義名分にラインハットはここを燃やした…!こんな惨いことをするとは信じられないがこれが事実だ…!すまない…!本当にすまない…!」
    「だからヘンリーのせいじゃないって。ねえ、それより父さんが何か隠してたっていう洞窟を探ろうよ。この川と繋がってるんだ」
    「……ッ」

    泣き崩れるシスターを抱きしめた時と同じ顔で、リュカはこちらを振り返る。大杖の先で森の奥を指し示し、あっちだよと言って変わらない足取りで歩き出した。少しの間立ち尽くした後、汗の滲む手で瞼を擦り、紫紺のマントが揺れる背中に向けて呟いた。

    「……リュカ、オレにできることがあったら何でも言ってくれ。オレ、何だってするよ」
    「えぇ?親分が子分にそんなこと言うなんて、なんだか変だね」
    「………あぁ……そうだな……変かもな……」

    下を向いたまま、強く唇を噛みしめた。身を裂くような悔恨に苛まれる男の隣で、相棒は川面をバシャバシャ跳ね回るスライムを面白そうに眺めている。償えない罪を勝手に背負い打ちのめされるオレはこいつの目に酷く滑稽に見えている事だろう。罪を裁いてなどくれない。罰など彼は与えてくれない。本当に、悪魔みたいな奴だ。

    DQ5

  • 平浦

    20260414(火)21:00
    「虚にストーカーされてる?」
    「そうとしか思えへんねんもん…行くとこ行くとこ待ち構えとるみたいに現れよって……」

    暫く振りに会ってみたらげんなりとした顔でいつも以上に背中を丸めているからどうしたのかと問いかけると、予想していなかった返答をされて首を傾げた。尸魂界でも現世でも、行く先々で必ずと言っていいほど遭遇するわ追いかけられるわ、もう疲れたと平子はテーブルに突っ伏して項垂れた。

    「仲間だと思われてんスかね」
    「……………」
    「あ、スイマセン」
    「……どう返すんが正解なんや……未だにわかれへんねんそれ……」

    口を歪めて頭を抱えた平子はコーヒーを飲みながら窓ガラス越しに外を見て、また盛大に溜息をついた。

    「ほら来よった」
    「大虚じゃないだけ良かったっスね」
    「言うてる場合か……無視や無視。オレは非番なんや。担当がちゃんと仕事せい」
    「………黒崎サン来てますね」
    「イモ山は何しとんじゃボケェ!」
    「あぁ〜コーヒー零れちゃうっスよぉ」

    ×浦

  • ヘン主 2

    20260414(火)05:46
    北にある町を目指して歩く道中。思えば城からもろくに出してもらえなかった幼少期と、物理的に囚われていた10年間を思い起こした。何からも解放されて身一つで外を歩いている現状に未だに慣れず、意味もなく広すぎる空に腕を伸ばしてみたり、洞窟内の湿り気とは無縁の空気を大きく吸い込んではゆっくり吐いてを繰り返したり。重い鎖を引き摺ることもない足が何故かむず痒くて、動かしていないと落ち着かなかった。
    ぴょこぴょこと不意に目の前に現れては行く手を阻んでくる魔物を蹴散らしながら歩いていると、前を行く相棒がぴたりと足を止めて笑みを含んだ声を漏らした。

    「ヘンリー見て見て、猫が地面にめり込んでるよ」
    「いや待て、アレいっかくうさぎだろ。でっかいツノの生えたうさぎだよ。……おまえ、毛むくじゃらのちっこいやつは全部猫だと思ってんじゃないだろうな…?」

    リュカが指をさした先。額にツノの生えたウサギの魔物が、敵に突進した勢いのまま地面にツノを突き刺して抜け出せず、足をジタバタさせていた。リュカはほう、と顎に手を添えてそっと近付く。接近する人間の気配に激しく藻掻くが、残念なことに深く刺さったツノと浮き上がった後ろ足ではどうすることもできないようだ。リュカは容赦なくいっかくうさぎの丸いおしりを掴んで地面から引っ張り出した。

    「いっかくうさぎ……あぁ、サンタローズの洞窟にも住んでた子だね。見たことあるよ」
    「おいおい不用意に触るなよ…いくら可愛い見た目でもモンスターだぜ?」

    相変わらず人にも魔物にも物怖じしない姿に呆れつつ、自分も無意識に彼が抱えたままの魔物の頭を撫でていたのは、こいつから少しも邪気を感じないからだろう。救出されたいっかくうさぎは仲間になりたそうにリュカを見つめて、長い耳を擦り付けた。

    「一緒に来てくれるのかい?心強いよ。とてもかっこいい立派なツノだね」
    「本当かよ…一瞬で手懐けやがった」
    「頼れる仲間は多い方がいいもんね。きっと楽しい旅にしよう」
    「うさぎとねこの区別もつかない主人だぞ?本当にそれでいいのか?」

    揶揄うように尋ねると、うさぎの魔物は嬉しそうにすら見える顔で鼻を鳴らした。

    DQ5

  • ワタニャルニア

    20260411(土)22:20
    「悟、起きて」
    「みぅ……」
    「ごめんね、まだ眠いだろうけど、今日は大切な日なんだ」
    「んみ…?」

    夜明けを迎え、杖にしがみついてぷかぷかと宙に浮かびながら眠っている悟の尻尾をぐいと引っ張った。夢の中でも何かを食べていたのだろうか、もぐもぐ動く口が可愛くてもう少し見ていたかったが時間がない。ご馳走に囲まれた夢から現実に引き戻されて、悟は大きくあくびをしながら葛布の敷かれた床にぼふんと音を立てて着地した。

    「ご飯を食べたら出発するよ。悟も一緒にって頼まれているからね」
    「みー…」

    悟はごしごしと目を擦りながらついてくる。昨日獲った空魚を囲炉裏で焼いて差し出すと、寝ぼけ顔で齧り付く。食べながらまたうとうと眠ってしまいそうで、寝癖で変な方向に曲がった悟の耳をぴんと引っ張り覚醒を促した。

    夏五

  • ヘン主 1.5

    20260411(土)22:00
    「マリアさん、ここに居たのか。探しちゃったよ」
    「あ…すみません、ヘンリーさま」

    修道院の書庫の扉を開くと、壁一面にびっしり並ぶ蔵書の数々が目に飛び込んできて圧倒された。マリアは部屋の中心に置かれた古い地球儀に指先を添えたまま、ゆったりとこちらを振り返る。窓から柔らかな日が差して、長い金髪がふわりと靡く様は一つの絵画の様だった。あの劣悪な環境で土に塗れていた頃には気付けなかったが、マリアはその名の通り指先まで慈愛に満ちているようで美しい。思わず見惚れて立ち止まった自分の隣をリュカが平然と通り過ぎ、室内をぐるりと見渡した。

    「わぁ、すごい数の本だね」
    「リュカさま、目が覚めたのですね…!お身体はもう大丈夫なのですか?」
    「うん、おかげさまで。心配かけてごめんね」
    「よかった……私が眠ってしまってからも、ずっと回復魔法をかけてくださっていたと聞いたので…ごめんなさい、私がもっと…」
    「マリアさん。ぼくが勝手にやったことなんだから気にしないで。もうすっかり元気だしね」
    「そうそう。なによりマリアさんが無事でよかったよ」

    リュカの隣に歩み寄り、申し訳なさげに俯いてしまうマリアに笑いかけると、彼女は少し安心したように微笑んだ。

    「それにしても壮観だな…天井までぎっしりだ。これ見てもいいのかな」
    「いいですよ。どれも古い書物ですが、何かお役に立てるものもあるかもしれません。このお部屋は自由にお使いくださいな」
    「シスター、」

    開放したままだった扉から入ってきたのは、自分達を保護してくれたシスターだった。

    「ありがとう、助かります。なんせこれから旅に出るっていうのに、オレたちってば読み書きも怪しくてさ。少し勉強しないと」
    「6歳の頃、と言われましたか」
    「こいつが6歳で、オレが7歳だったな。それから10年……元学者だって先生からある程度教わったりしたんだが、みんなだんだんガキの面倒見てる余裕なんてなくなっちゃうんだ」
    「ヘンリーも教えてくれたよ。名前の書き方も、計算の仕方も」
    「オレが教えられたのなんて初等教育の出だしだけだよ。それこそ石の数え方だろ」
    「あはは、なんだかもう懐かしいね」

    DQ5

  • ヘン主 1.1

    20260411(土)21:30
    明るい部屋と、人の足音。風の音がして、カーテンが揺れた。

    「…まぁ、よかった!気がつかれましたのね!もう5日も眠ったままで、このまま起きないのではと心配していましたのよ」
    「…………ここは……?」
    「ここは名もない海辺の修道院。どうか元気になるまで、ゆっくりしていってくださいね」

    樽に入っていたのには本当に驚きましたわと、ベッドの傍らに立つ女性は柔和に微笑んだ。奴隷として働かされていた神殿からヨシュアの手を借りて脱走し、果てのない海を漂っていた記憶が蘇る。固い土に敷いた藁の上で眠る生活に慣れきっていた体が柔らかなベッドと厚い布団に包まれている現状が信じられずに、上体を起こした体勢のままじっと自分の手元を見つめた。海辺の修道院。名の通り窓の外からは厳かな波の音と、潮の香りが感じられた。

    「……生きてる……」
    「…お連れの方に聞きました。とんでもないところから逃げていらしたと」
    「………貴方が助けてくれたんですね、ありがとう」

    寝起きのせいか、思ったよりも掠れたか細い声が出た。女性は眉を下げ、少しばかり悲しげな顔をする。突然こうも温かなものに囲まれてしまうと、自分の体が羽のように軽くなった気がして落ち着かない。何かを掴んでいないと飛んで行ってしまいそうな奇妙な不安感に襲われて、これまた不安になるほど白く清潔なシーツに指を食い込ませた。

    「そうですわ、前の服はあまりにボロボロでしたから、着替えさせてもらいましたのよ」
    「あぁ、本当だ……ありがとうございます」

    両手で口を隠して頬を赤らめた彼女は照れくさそうにそう告げると、何故か逃げるように部屋を出て行った。言われて初めて自分の体を見下ろして白いローブを着ていることに気が付いた。くたびれて千切れた皮の切れ端を着ているような状態で生きてきて、こんなに柔らかいものに触れたのはもう何年振りになるだろうか。何に触れてもいまいち実感のない浮ついた気分のまま、木組みの床に足を下ろした。

    「リュカ!やっと気がついたなっ!」
    「ヘンリー……」

    部屋から出ると、目の前にヘンリーが立っていた。いつからそこで待ち伏せていたのか、その表情には心配と安堵が浮かぶ。

    「歩けるか?5日も寝たきりだったんだ、無理するなよ」
    「ヘンリーは……」
    「オレもマリアさんも1日寝たら回復したよ。オマエ何回もオレたちにホイミ使ってただろ。平気だって言ったのに」
    「怒ることないだろ、心配だったんだ」
    「怒ってるわけじゃないけどさ、こっちだって心配したんだ。オマエ全然起きないし」

    ヘンリーはやれやれとため息をつき廊下の窓から外の景色を見下ろした。隣に立って覗き込むと、目が痛いほど輝く青が広がっていた。

    「……本当に三人とも助かったんだ。オレたちやっぱり運がいいよな」
    「運がよかったらあんな場所には居なかったんじゃない?」
    「不幸中の幸いってやつだ!その中でも最上位の幸いを叩き出したぜ。やっぱ運がいいよ。うんうん」

    一人腕を組みながら頷いているヘンリーを横目に海を見る。逸脱し、零れ落ちてしまった当たり前の生活が、ここには当たり前に横たわっている。ヘンリーもまたどこか無機質な目を水平線に向けていた。

    DQ5

  • ヘン主 1

    20260411(土)21:16
    「流石に狭いね……ごめんヘンリー、痛くない?」
    「いいからもっと詰めろよ。マリアさん入れないだろ」
    「んー、マリアさん、ぎゅってしてていい?」
    「えっ?あ、は、はい…!」
    「そうだな、なるべく身を寄せていた方が安全そうだ。あの大滝から落ちるんだろ…?本当に平気なのか…?」
    「大丈夫だよ、ボクらは死なないから」
    「だからお前のその根拠のない大丈夫は何なんだよ……まあいいか。ここまで来たら死ぬときはみんな一緒だ」
    「ヘンリー、怖いの?」
    「は?なんで」
    「すごいしがみついてくるから」
    「いや、違……」
    「ふふ、ヘンリーさまもリュカさまを守ろうとしてくれてるのですわ」
    「ちょ、マリアさん……はぁ…もういいよ、なんでも」

    リュカを背後から抱きしめたままヘンリーは苦い顔で息を吐いた。密着しても互いの顔も見えない真っ暗闇の樽の中。リュカの腕にしっかりと包まれていたマリアは、祈るように手を重ねて目を閉じた。
    激しい波に揺られ、打ち付けて擦れたマリアの肩にリュカは小声でホイミを唱えた。もう何日もこうして海を漂っている。ヨシュアが持たせてくれた食糧も尽きかけ、魔力を消耗したリュカもヘンリーの腕に凭れて眠ってしまった。

    「リュカさま……」
    「大丈夫だよ、マリアさん。そのうちどこかに流れ着いてオレたちは助かるんだ。通りかかった船が拾い上げてくれるかもな。心配することないよ」
    「……ヘンリーさまは、あんな環境でもいつも笑っていらっしゃいましたね」
    「いやー、もう、笑うしかないでしょ、あんなとこじゃさ。………それに、こいつが言うんだよ。いつまでも嘆いてないで、もっと楽しいことを考えよう。笑ってよって……オレは時々こいつが悪魔に見えるね」
    「ヘンリーさま……」
    「実際魔物連れて歩いてたしなぁ…猫だって言い張ってたけどあれぜったいベビーパンサーだったぜ?あんな牙の鋭い猫がいてたまるかよ」
    「ふふ、昔から仲良しだったのですね」
    「いや、そんなんじゃないよ…オレたちはさ…」

    DQ5

  • 一浦

    20260407(火)00:11
    電話越しに聞こえる穏やかな声が優しい雨音のようで、心地良さに目を閉じた。
    (……好きだ……)
    抱えきれないほど溢れる想いは、伝えるのを躊躇うほどでかくて重たい。

    『黒崎サン?』
    「悪ィ、聞いてるよ、ちゃんと」
    『眠たい?そろそろ切りましょうか』
    「…いや………あのさ、浦原さん」

    会いに行っていいかな。正直に呟くと、電話越しに息を飲む音がした。

    「っていうか、もう、目の前なんだけど……」
    『……わかってましたけどね』

    微かに笑って端末を持ったまま迎えてくれた浦原を抱きしめた。柔らかい、けど少し傷んだ髪に顔を埋めた。隙間から覗く肌は相変わらず不健康な白さをしている。

    「どうしたんスか、」
    「……会いたかった…そんだけだよ…」
    「………泊まっていきます?」
    「…うん……」

    笑みの含んだ優しい囁きに頷くと、細い腕が背中に回った。この人しか居ないって、きっとずっと前から知っていた。この人が居てくれたら、俺は強くなれる。

    ×浦