らくがき帳

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  • 夏五

    20260212(木)04:52
    昔取り込んだ、スライムのような呪霊を出した。私の呪力しか見えなくしてやると、悟は安心する事を知っている。悟の目に当ててやろうとして、呪霊はピタリと動きを止めた。

    「悟、術式を解いて…?大丈夫、悪いことはしないよ。目を休ませてあげたいだけなんだ」
    「……………?」
    「ほら、ひんやりして気持ち良いでしょ?私の呪力で覆ってあげるから、目を閉じて」
    「……………」
    「うん、いい子…」

    ぺたん、とアイマスクの様に悟の瞼を覆う呪霊に、悟は一瞬びくりと身を跳ねさせたが、やがて安心したようにふう、と息をついた。

    夏五

  • 浦+ちみ浦

    20260211(水)22:57
    ちみこい平子と大きい平子の言い争う声もすっかり聞き慣れて、今や背景音楽のように脳の片隅を流れているだけ。浦原は一人静かに倉庫に籠り、積み上げられたダンボールを物色していた。

    「ここも片付けないとダメっスね〜、もう何が何だか……」
    「み、」
    「ありゃ?ちみ原サン、ついて来ちゃったんスか?」

    もう何年も放置されたままの箱に積もった埃を払い咳き込んだ浦原の肩に、ぴょんと毛深い何かが飛び乗った。浦原をモチーフにした人形が猫の着ぐるみを着ているような、奇妙な風貌の喋って動くぬいぐるみ。浦原の髪色と同じ毛色の体は触るとふにゃふにゃと柔らかい。
    手のひらにちょんと乗るほどちみこいその生きものは浦原の肩にくっついて、自身の体よりも大きな人間用のマスクを浦原に押し付けた。

    「あぁ、持ってきてくれたんスね。ありがとうございます」
    「ぷ」
    「でもここは埃っぽいから近寄らない方がいいっスよ〜平子サンたちのとこ行きましょ」

    声帯の作りの差なのか知能の差なのかも不明だか、ちみこい浦原はちみこい平子と違い、人の言葉を喋らない。猫のような声でひと鳴きしたちみ原を肩に乗せ、廊下まで響く平子たちの声を辿って客間に向かった。

    ×浦

  • 転生五

    20260211(水)19:23
    「先生?どしたん?」
    「んん……、あれ…?」
    「??」

    先生は仰向けに寝転んだ体勢から起き上がろうともがいているが、何度体を起こそうとしてもすぐにベッドへ逆戻りしてしまう。力が入らないのか、あれ?あれ?と言いながら起きようとしては寝転がるのを繰り返す。

    「先生、調子悪い?体痛む?」
    「んん…?へいき、なんだけど」
    「無理せんで、まだ寝てなよ」
    「や、また、めぐみに、おこられる」
    「怒らんって!伏黒も別にそんなつもりで言ったんじゃないよ」

    大量の課題に追われて寝不足の伏黒に、ちゃんと寝なきゃだめだよ〜と軽く言い放った先生に、アンタと違って忙しいんですよ、なんて言ってしまった事を、伏黒も自分なりに反省しているようだった。先生は休むことを嫌がって、弱った体に鞭を打ってしまう。

    「先生っ、とにかく今は休む事が仕事だよ!」
    「うぅ……」

    ついに先生は眩暈を起こしてくらくらとベッドに横たわってしまった。手の甲を瞼に当てて呻いている姿が痛々しくて、剥がれた布団をかけ直してやった。

    「伏黒も怒ったりしないから、辛い時は休んで。元気になったら、また皆で出掛けたりご飯食べたり、いっぱい遊ぼうよ」
    「…ん……ごめんね……」

    夏五

  • 平浦

    20260211(水)02:28
    全身の感覚も意識も薄れて、手を握っているのが誰なのかもわからない。長い、金色の髪が揺れた気がした。

    「ひら……さ……」
    「喜助、ッ!大丈夫や、助けるから……喜助…!」
    「く…ろ、さき……さ…は……」
    「一護もルキアちゃんもオレらも無事や、全員…とはいかへんかったけど…最悪な事にはなってへん……心配せんでええから…もう喋んな、大丈夫やから」

    それが聞けたなら、ここまででもいいと思った。涙なのか血なのかもわからないものが頬を伝った。

    「……ど……こ……?」
    「ここや、みんなここに居るから……頼むから死ぬなよ、喜助……ッ」

    握られた手が彼の頬に当てられて、そっちもなんだか濡れていた。言いたいことがあった、と思う。帰る方法を考えなきゃいけないのに、身体中が引き裂かれたように痛くて朦朧とする。たいした傷は負っていないはずなのにな、まぁきっと、涅がなんとかしてくれる。

    「きすけ、しっかりしぃや…オレの血、全部やるから…ッ、なぁ、目ェ、開けへんの…?どうなってんねやそれ…」

    そんなことしなくていい、変なものまで混ざるじゃないか。声にならなくてまた血を吐いた。

    「いやや、きすけ…ッ、死ぬな、死ぬなよ、喜助…!」

    すべてやり直せたらいいのに、最後まであなたを苦しめてばかりだ。

    ×浦

  • 平浦

    20260210(火)01:08
    盤面にそっと針を落とすとき、無性に彼に触れたくなった。この指の向かう先に君の姿が見えた気がして。回り続けるレコードと宙ぶらりんな体が行き場を求めて、水に飛び込むように断界を掻き分けて駆け出した。

    「………いま何時だと思ってんスか……」
    「どーせ寝てへんやろ、会いたかってんもん、しゃーないやん」
    「……冷えますから、中入ってください」
    「その前にぎゅーさして……こっち寒すぎや…」
    「……なんでこうなっちゃうんスかねえ………」
    「……遠距離どころちゃうねんもん……なんで別世界で付き合ってんねん…オレほんまは毎日会いたいんよ」

    いつだって君に会いたい。平気な振りをしたって本当はとても寒くて、君が必要で、こんがらがってこんな深夜に走り出すほど求めている恋をしている。呆れたみたいに肩を落としても腕の中で大人しくしてるから好きなのだ。どんな顔をしているか、見えなくてもはっきりわかった。

    ×浦

  • 平+ちみ平浦

    20260206(金)04:12
    右手でひょいと摘み上げてその大きなしっぽを揉むと、ちみこい浦原は「んみゃ゛」と間抜けな声を上げた。浦原の髪色によく似た毛色のもふもふの塊はなんとも触り心地が良くて撫で回す手が止まらない。ちみこい浦原のしっぽはちみこい平子の猫らしい長くしなやかなしっぽとは真逆で、レッサーパンダの尾のように太く大きい。もふもふふわふわ、夢中で撫で続ける平子の膝の上で暴れているいきものがいた。

    「きゅうになにすんねんコラァ!!はよはなせや!!いやがっとるやろ!!」
    「嫌がってへんやんけ、ぽけーっとこっち見とるだけやで。マッサージ気持ちええんやろ」
    「きすけ!!まっさーじちゃう!!だまされんな!!」
    「うっさいのー……あ〜〜ほんまええわこれ……もっふもふや……」
    「きすけーー!!」

    膝の上で飛び跳ねてぎゃいぎゃいと抗議を続ける小さな平子を躱しながらちみこい浦原の頭を撫でると、緑色の目を瞑って気持ち良さそうに喉を鳴らした。

    「よしよーし、ちびすけは大人しくてええ子やねぇ、どっかの誰かと大違いや」
    「どっかのだれかてだれや!!ええかげんにせえよ!!」
    「ほんま誰に似たんやろなァ…喧しくて敵んわ……」

    ×浦

  • 夏五+ちみ

    20260205(木)03:08
    任務を全て午前の内に終わらせて、午後はちみたちの世話をしてやるのだと腕捲りしていた悟が、高専に戻った途端にぶっ倒れた。窓も私も大慌てで硝子のいる医務室に悟を抱えて駆け込んだ。

    「み、み」
    「あぁ…悟も君たちと遊びたがってたんだけどね…ちょっと無理しちゃったみたいだ。大丈夫、すぐ良くなるよ」
    「みー…」

    手のひらにちょんと乗るほどの大きさの、黒ねこ型の小さな生きもの。悟が先週任務先で見つけたという2匹のちみっこい生きものは、不思議なことに私達によく似ていた。

    夏五

  • 平+ちみ平

    20260204(水)02:26
    なかよくお散歩

    ×浦

  • 転生五

    20260201(日)04:56
    異質な男だ。男か女かすらも曖昧なほど華奢で、真っ白い髪をふわふわと靡かせている。隣に立つピンク髪の男は学生だろうか。サングラス越しに見える大きな瞳に目を奪われる。くるくると変わる表情。サングラスからもはみ出すほど長い睫毛に、透き通るような白い肌。寒さのせいかほんのり桃色に染まった頬は、こんなに痩せっぽちなのに柔らかそうで、ピンク髪の男が身振り手振り楽しそうに語る話を、指がすっぽり埋もれるほど長い袖を口にあててくすくす笑いながら聞いている姿はあまりにも可愛らしい。

    「先生今日何食べたい?あ!ナス半額にされてる!先生、麻婆茄子食べれる?」
    「えー、また作ってくれるの?」
    「当たり前じゃん!先生もっと食べた方がいいよ!肉食べないと!肉!」

    夏五

  • 過去平浦

    20260130(金)02:41
    「なんや喜助、毛布引き摺ってどこ行くねん」
    「……ひらこサン……」
    「うおっ!なんやねん急に飛びついて……喜助?喜助ェー?おーい」
    「ぐぅ………」
    「寝とんのかいな…限界くるとこんななってまうの?可愛えな、どっから持ってきたんやこの毛布」
    「………………」
    「しゃーないのお…平子隊長に寝床まで抱っこしてもらえるなんて最上級の特別待遇やで」
    「ひりゃ………むにゃ………」
    「誰やねん。ほれ着いたでー、よいしょ、と」
    「……んぅ……」
    「羽織は脱がせれてもなぁ、死覇装は流石に無理やな…まぁ寝苦しくはないやろ、しゃーないわ」
    「ひにゃ……しゃ…」
    「だから誰やねん。もうええから休み。灯り消すで」
    「ん………」
    「……なんや甘えん坊さんやな…こんなんひよ里には見せられへんで。未来永劫揶揄われるわ」
    「………………」
    「ハイハイ、どこも行かへんから手ェ離し。そない掴まれたら寝られへんやんけ」
    「………すぅ………」
    「ふ、おやすみ……………で、お前はいつまで見とんねん、惣右介」
    「おや……気付かれてましたか……」
    「はよ死なんかなコイツ」

    ×浦