らくがき帳
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平浦
20260210(火)01:08盤面にそっと針を落とすとき、無性に彼に触れたくなった。この指の向かう先に君の姿が見えた気がして。回り続けるレコードと宙ぶらりんな体が行き場を求めて、水に飛び込むように断界を掻き分けて駆け出した。
「………いま何時だと思ってんスか……」
「どーせ寝てへんやろ、会いたかってんもん、しゃーないやん」
「……冷えますから、中入ってください」
「その前にぎゅーさして……こっち寒すぎや…」
「……なんでこうなっちゃうんスかねえ………」
「……遠距離どころちゃうねんもん……なんで別世界で付き合ってんねん…オレほんまは毎日会いたいんよ」
いつだって君に会いたい。平気な振りをしたって本当はとても寒くて、君が必要で、こんがらがってこんな深夜に走り出すほど求めている恋をしている。呆れたみたいに肩を落としても腕の中で大人しくしてるから好きなのだ。どんな顔をしているか、見えなくてもはっきりわかった。×浦
平+ちみ平浦
20260206(金)04:12右手でひょいと摘み上げてその大きなしっぽを揉むと、ちみこい浦原は「んみゃ゛」と間抜けな声を上げた。浦原の髪色によく似た毛色のもふもふの塊はなんとも触り心地が良くて撫で回す手が止まらない。ちみこい浦原のしっぽはちみこい平子の猫らしい長くしなやかなしっぽとは真逆で、レッサーパンダの尾のように太く大きい。もふもふふわふわ、夢中で撫で続ける平子の膝の上で暴れているいきものがいた。
「きゅうになにすんねんコラァ!!はよはなせや!!いやがっとるやろ!!」
「嫌がってへんやんけ、ぽけーっとこっち見とるだけやで。マッサージ気持ちええんやろ」
「きすけ!!まっさーじちゃう!!だまされんな!!」
「うっさいのー……あ〜〜ほんまええわこれ……もっふもふや……」
「きすけーー!!」
膝の上で飛び跳ねてぎゃいぎゃいと抗議を続ける小さな平子を躱しながらちみこい浦原の頭を撫でると、緑色の目を瞑って気持ち良さそうに喉を鳴らした。
「よしよーし、ちびすけは大人しくてええ子やねぇ、どっかの誰かと大違いや」
「どっかのだれかてだれや!!ええかげんにせえよ!!」
「ほんま誰に似たんやろなァ…喧しくて敵んわ……」×浦
夏五+ちみ
20260205(木)03:08任務を全て午前の内に終わらせて、午後はちみたちの世話をしてやるのだと腕捲りしていた悟が、高専に戻った途端にぶっ倒れた。窓も私も大慌てで硝子のいる医務室に悟を抱えて駆け込んだ。
「み、み」
「あぁ…悟も君たちと遊びたがってたんだけどね…ちょっと無理しちゃったみたいだ。大丈夫、すぐ良くなるよ」
「みー…」
手のひらにちょんと乗るほどの大きさの、黒ねこ型の小さな生きもの。悟が先週任務先で見つけたという2匹のちみっこい生きものは、不思議なことに私達によく似ていた。夏五
平+ちみ平
20260204(水)02:26×浦絵
転生五
20260201(日)04:56異質な男だ。男か女かすらも曖昧なほど華奢で、真っ白い髪をふわふわと靡かせている。隣に立つピンク髪の男は学生だろうか。サングラス越しに見える大きな瞳に目を奪われる。くるくると変わる表情。サングラスからもはみ出すほど長い睫毛に、透き通るような白い肌。寒さのせいかほんのり桃色に染まった頬は、こんなに痩せっぽちなのに柔らかそうで、ピンク髪の男が身振り手振り楽しそうに語る話を、指がすっぽり埋もれるほど長い袖を口にあててくすくす笑いながら聞いている姿はあまりにも可愛らしい。
「先生今日何食べたい?あ!ナス半額にされてる!先生、麻婆茄子食べれる?」
「えー、また作ってくれるの?」
「当たり前じゃん!先生もっと食べた方がいいよ!肉食べないと!肉!」夏五
過去平浦
20260130(金)02:41「なんや喜助、毛布引き摺ってどこ行くねん」
「……ひらこサン……」
「うおっ!なんやねん急に飛びついて……喜助?喜助ェー?おーい」
「ぐぅ………」
「寝とんのかいな…限界くるとこんななってまうの?可愛えな、どっから持ってきたんやこの毛布」
「………………」
「しゃーないのお…平子隊長に寝床まで抱っこしてもらえるなんて最上級の特別待遇やで」
「ひりゃ………むにゃ………」
「誰やねん。ほれ着いたでー、よいしょ、と」
「……んぅ……」
「羽織は脱がせれてもなぁ、死覇装は流石に無理やな…まぁ寝苦しくはないやろ、しゃーないわ」
「ひにゃ……しゃ…」
「だから誰やねん。もうええから休み。灯り消すで」
「ん………」
「……なんや甘えん坊さんやな…こんなんひよ里には見せられへんで。未来永劫揶揄われるわ」
「………………」
「ハイハイ、どこも行かへんから手ェ離し。そない掴まれたら寝られへんやんけ」
「………すぅ………」
「ふ、おやすみ……………で、お前はいつまで見とんねん、惣右介」
「おや……気付かれてましたか……」
「はよ死なんかなコイツ」×浦
平浦+一
20260128(水)02:52「浦原さん…その後ろにいるヤツ何…?」
「?何って、平子サンっスよ」
「いや知ってるけどよ…そんな顔だったか…?」
獰猛な獣が浦原の背後でこちらに牙を剥いているように見えて、黒崎の背筋をゾゾゾと悪寒が走り抜けた。身震いする黒崎を他所に浦原はちらりと後ろを振り返り、なんでもない事のように話し出す。
「ちょっと神経質になってるんス、そのうち治りますから」
「何があったんだよ…怖ぇんだけど…」
「シャーーッ!!」
「いってぇ!!猫かよ!?なんか取り憑かれんじゃねえの!?」
「平子サン、ちょっと、落ち着いて」
「しゃーないやん腹立つねんもん!!気安く近寄んなやどいつもこいつもー!!オレの喜助やぞー!!」
「八つ当たりが過ぎますって、黒崎サン怯えてるじゃないスか、可哀想に」
「怯えてねえ!引いてるだけだ!」
「用無いなら向こういけや!オレと喜助の貴重な逢瀬の邪魔すな!!」
「用があったのはこっちだったんスけど…黒崎サンスイマセン、平子サン変になっちゃったのでこの辺で失礼します」
「え、おいマジかよ……なんなんだよ……」×浦
一浦
20260126(月)03:38「お、目ぇ覚めたか?」
眩しいオレンジ色の頭が視界の端で揺れて、温かい手が額に触れた。重い瞼を擦ってどうにか両目をこじ開けると、神妙な顔をした黒崎が自分を覗き込んでいた。
「大丈夫かよ?魘されてたぜ」
黒崎の眉間に寄った皺が、心做しか少しだけ綻んだ。今朝から店番をしていたはずなのに、何故か今は畳に敷いた布団に寝かされている。傍らで胡座をかいている黒崎は、店のロゴが入った白いタオルで浦原の首に伝った汗を拭った。
「熱は下がったみてえだな、よかった。店覗いたらぶっ倒れてんだもん、ビビったよ」
「うわ……スイマセン…」
「いいから無理すんなって、まだ寝てろよ」
誰もいないみてえだし、店は勝手に閉めたけどいいよな、そう言って返事も聞かずに黒崎は立ち上がり、浦原に背を向けて障子を開けた。
「水欲しいだろ?白湯の方がいいのか?なんか適当に持ってくるよ」
「………冷蔵庫に飲料水はあるので…それでいいっス…」
「わかった」
キッチンどっちだっけ、こっちだっけ、なんかここ来る度に間取り変わってねえか?と、そんな訳がない独り言を言いながら遠ざかる背中すら眩しく見えて目を細めた。
熱を出して倒れたのか。そんなに根詰めていたつもりもないのだが、確かにまともに寝てはいなかった。ジン太が参加する試合のためにテッサイも雨も朝から弁当を作って張り切っていたのに、帰ってきたら店主がこの有様ではがっかりさせてしまうだろう。申し訳なさに深く溜息をつくと、黒崎がペットボトルを持って滑り込むように戻ってきた。
「はいよ、開けれるか?」
「……そこまで非力じゃないっスよ…」
軽く体を起こして一口だけ飲んだが、ひどく億劫でそれ以上は飲むのをやめた。蓋をして傍らに置き、再び布団の中で丸くなる。頭がじくじくと痛んでぎゅっと目を瞑った。
「………そんな嫌な夢だった?」
「え……」
「すげー苦しそうだったから、」
「……夢の内容なんて覚えてないっスよ。潰されでもしたんじゃないスかね、油圧式の、圧縮する……あぁ……あんなの作ろうとしたから……」
「今度は何企んでんだよ…」
魘されていたと言っていた。確かに寝苦しかった感覚はあるが、何の夢を見ていたのかは覚えていない。
目を閉じているから何も見えない。真っ暗闇の中心に、安らげるものを思い浮かべる。夜一のもふもふで温かい体。雨が今朝握ってくれたおかかのおにぎり。額に触れた黒崎の手。
おずおずと布団から手を出して、手繰り寄せるように黒崎の袖をきゅっと掴んだ。黒崎の霊圧が揺れたのを感じて笑いそうになる。何を思われただろう。あまり考えたくはなかった。
「………ここに居るよ」
「………」
「起きるまでずっと居るから、寝てていいよ」
黒崎の手が浦原の手を掴み、宥めるように甲を摩った。ずっと年下の子ども相手にとんだ醜態を晒している気がするが、黒崎は馬鹿にしないだろう。
彼が傍にいると思うと困ったことに安心する。背負うものばかりのこの子どもに、背負わせてばかりの大人がこれ以上何を言う気か。薄く開いた口を閉ざして、誘われるままに眠りに落ちた。黒崎の温かい手が、もう一度浦原の額を撫でた。×浦
その後の平浦+一
20260121(水)22:32「マジで早かったな、仕事どうしたんだよ」
「早く来ちゃまずかったっスか?」
「いやまずかねぇけど引いたわ」
「で?伝令神機壊しちゃったんスか?」
「壊したんじゃねえよ壊れたんだよ、いや、壊れてもねえけど…なんか時々調子悪くてさ」
「恋次にかけると白夜にかかるらしいで」
「そんなことあります?……あー…基盤がちょっと歪んでますね、アンテナの接続部と通信チップの付近にヒビが入ってる…。どうします?直してもいいっスけど、丸ごと交換した方が早いっスよ」
「つってもそれ最新型なんだろ?交換ってなったら同じヤツになんの?」
「黒崎サァン……それがちょうどつい先程完成したんスよォ……最新型も最新型、超ハイスペック伝令神機、その名も…uraPhone16ッス!」
「いや1〜15まで知らねえしダセェしいらねえよ、今のやつ修理してくれよ」
「uraPhone16…!?」
「あんたが食いつくのかよ、やめとけよ、どうせろくな機能ついてねえよ」
「フレキシブル素材でどんな形にも変形するんス。折りたたんで腕時計に、広げてタブレットに、丸めてちぎって投げ捨てたら、その内じわじわとちぎれた破片が集結し、やがて元の形に戻るっス」
「おおおお…!!」
「おおおおじゃねえよキモ過ぎるだろ何だそのプラナリア仕様」
「アホ、プラナリアは丸めてちぎって投げ捨てたらちぎった分だけ増えんねん、uraPhone16はちぎっても元に戻んねん、何もわかっとらんやんけ」
「あんたはuraPhone16の一体何がわかったんだよ」×浦
貧乏学生五
20260119(月)01:18傑がドラマの撮影で地方に長期滞在すると聞いたのは先週のことで、一ヶ月近く会えない日だってザラにあるのだからどうってことないと思っていたのに、夏休みっていうのが悪いのだ。傑のことを考える時間が増えて、一人でいることの寂しさに気付いてしまう。できる限りシフトを詰め込んで働かせてもらっているけど、今日はお客さんとして来てくれたりしないかな、なんて淡い期待もできないとなるとどうにも気分が上がらない。
バイト帰りに、買い出し中の硝子とばったり会うと、硝子は僕の顔を見るなり「夏油は何してんの?」と問いかけた。
「ドラマの撮影があるんだって、長いと1ヶ月くらい向こうにいるみたい…」
「へー、会いに行って来ればいいじゃん」
「えぇ…!」
「顔に書いてあるよ、会いたくてしぬーって」
「えぇ~……迷惑じゃない?」
「まぁ迷惑だろうな」
「ほら~…」夏五

