テンション低い隣人男性と仲良くなる話
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そして草抜きの週末がやってきた。
あなたがいそいそと地面にしゃがみこんで手袋をした手を動かしていると。
後ろから大柄な男の気配がした。
「エナードさん!」
立ち上がり挨拶すると、スポーティーな半そで姿の彼は、キャップをかぶって頷いた。
手袋もしてるし茎を切る用のはさみも持っている。
いつものきっちりした私服姿とは違い、わりと筋肉質な腕もチラ見えしてた。
「僕もやります」
「あっ。ありがとうございます。じゃあ一緒に抜きましょう」
二人はしゃがみ、雑草を抜いていった。夏でたまに雨が降ると、すぐに生えてくる憎き草だが、二人でやると早かった。
エナードが奥の木々に近づいていく。そこは危険な区域だ。
「虫とハチがいるので危ないですよ!」
「……え? 平気ですよ」
彼は意外にもそういうものが平気なのか、構わず木の周りを整えていた。
綺麗になった地面を見てあなたは小さく感動する。
「そこやってくださって助かりました~。どうしようかと思ってたんですよ」
笑いながら明かすと、エナードはまたあの目つきで静かに見てきた。
でも今日は、どこか気まずそうに瞳は伏せがちだ。
「すみませんでした。あなた一人に草抜きをさせて」
「…えっ、いえ。大丈夫ですよ。だって前は契約になかったんですし。私のときはもう加わってましたからね」
彼が入居したのは管理人女性によると二年前らしいので、そのときは庭の管理も業者に頼んでいたようだ。
なんにせよ、一緒にやってくれて助かった。
それだけでなく、あなたは彼とまた少し知り合えたような気がして、嬉しくなっていた。
草抜きが終わり、あなた達は自分の部屋に戻る。
そのとき普通に事務的に別れたのだが。
あなたは週末の日課通り、タンクトップに短パン姿でバルコニーに出た。
午前中のまだ風が爽やかな時に、こうするのが気持ちいいのだ。
「はあー。最高~」
サングラスをしてノンアルドリンクを片手に、チェアで休んでいた。
するとバルコニーのドアが開く音がし、まさか隣の彼かと振り返る。
彼はひょっこりと、顔を出して確認してきた。
「エナードさん!?」
「……なんですか。自分のバルコニーですよ」
「まあそうですけど……さっき会ったばっかりですねえ」
開放的な気分に浸っていたあなたが体を起こし微笑む。
外で会うのと、部屋に繋がった私的な空間で会うのは、少し不思議な感じがした。
「外、綺麗になりましたよね」
「はい」
「あれ見るの、私好きなんですよ~。すごい達成感というか。エナードさんもじゃないですか?」
「いえ別に……」
「…あっそうですか」
つい明るく喋ってしまい、テンションの低い彼を困らせたかと思った。
でもあなたは、勝手に前向きに考えようとし始めていた。
普通に考えたら、バルコニーに誰かいたら、あまり親しくもない限り、部屋に引っ込むと思うのだ。
とくに彼のように、あまり人付き合いを欲していなそうな人なら。
あなたは立ち上がり、隣のバルコニーの柵でコーヒーを飲む彼のそばに行った。
「あのー。エナードさんって、普段何してるんですか」
「仕事です」
「あ、はい……。他のときは…? 料理はしないんですよね」
「しませんね。……自由時間ですか。……車の運転をしたり、ドラマを見たりですかね」
その台詞に、あなたは目を輝かせる。
運転はあなたも好きだし、なによりドラマを見るのも共通点だったからだ。
「私も映画とか見るの好きなんです!」
「いやドラマです」
「それもっ」
食いついてきた年下のあなたに、彼は若干引いている。
だが、何か言おうとしたのか、彼の口元が動いた。
けれど、また閉めてしまった。
あなたはエナードの顔立ちをもう一度よく見る。
美しく端正だが、彼は自分からはあまり話さない。
その代わり、長い間の中で、色々考えているようにも見えた。
「エナードさん。もしよかったら、今度……一緒に映画見ませんか?」
つい、言葉が出てしまった。
あなたは男性をこんなふうに、誘うタイプではない。
でも彼に興味がわいていた。
「映画……? どこでですか」
「私の家です」
普通にそう答えると、彼は瞳をそらし、小さく咳払いをした。
「女性がよく知らない男を家にあげるのは、感心しませんね」
「…まあそうですけど……ちょっとは知ってますよね、もう」
あなたは胸がドキドキする。
即断られていない。かなりの驚きだった。
「い、嫌でしたかね。すみません。急すぎましたね」
「……嫌ではないです」
「うそっ!?」
あなたが隣のバルコニーに前のめりになるも、彼の表情は変わらない。
もしかして……OK?
「ありがとうございます! 一緒に映画楽しみましょうね!」
「……わかりました」
さらに本当の了解までもらい、あなたの顔が明るく輝いていく。
そんな様子を、彼は若干困ったように見ていた。
あなたがいそいそと地面にしゃがみこんで手袋をした手を動かしていると。
後ろから大柄な男の気配がした。
「エナードさん!」
立ち上がり挨拶すると、スポーティーな半そで姿の彼は、キャップをかぶって頷いた。
手袋もしてるし茎を切る用のはさみも持っている。
いつものきっちりした私服姿とは違い、わりと筋肉質な腕もチラ見えしてた。
「僕もやります」
「あっ。ありがとうございます。じゃあ一緒に抜きましょう」
二人はしゃがみ、雑草を抜いていった。夏でたまに雨が降ると、すぐに生えてくる憎き草だが、二人でやると早かった。
エナードが奥の木々に近づいていく。そこは危険な区域だ。
「虫とハチがいるので危ないですよ!」
「……え? 平気ですよ」
彼は意外にもそういうものが平気なのか、構わず木の周りを整えていた。
綺麗になった地面を見てあなたは小さく感動する。
「そこやってくださって助かりました~。どうしようかと思ってたんですよ」
笑いながら明かすと、エナードはまたあの目つきで静かに見てきた。
でも今日は、どこか気まずそうに瞳は伏せがちだ。
「すみませんでした。あなた一人に草抜きをさせて」
「…えっ、いえ。大丈夫ですよ。だって前は契約になかったんですし。私のときはもう加わってましたからね」
彼が入居したのは管理人女性によると二年前らしいので、そのときは庭の管理も業者に頼んでいたようだ。
なんにせよ、一緒にやってくれて助かった。
それだけでなく、あなたは彼とまた少し知り合えたような気がして、嬉しくなっていた。
草抜きが終わり、あなた達は自分の部屋に戻る。
そのとき普通に事務的に別れたのだが。
あなたは週末の日課通り、タンクトップに短パン姿でバルコニーに出た。
午前中のまだ風が爽やかな時に、こうするのが気持ちいいのだ。
「はあー。最高~」
サングラスをしてノンアルドリンクを片手に、チェアで休んでいた。
するとバルコニーのドアが開く音がし、まさか隣の彼かと振り返る。
彼はひょっこりと、顔を出して確認してきた。
「エナードさん!?」
「……なんですか。自分のバルコニーですよ」
「まあそうですけど……さっき会ったばっかりですねえ」
開放的な気分に浸っていたあなたが体を起こし微笑む。
外で会うのと、部屋に繋がった私的な空間で会うのは、少し不思議な感じがした。
「外、綺麗になりましたよね」
「はい」
「あれ見るの、私好きなんですよ~。すごい達成感というか。エナードさんもじゃないですか?」
「いえ別に……」
「…あっそうですか」
つい明るく喋ってしまい、テンションの低い彼を困らせたかと思った。
でもあなたは、勝手に前向きに考えようとし始めていた。
普通に考えたら、バルコニーに誰かいたら、あまり親しくもない限り、部屋に引っ込むと思うのだ。
とくに彼のように、あまり人付き合いを欲していなそうな人なら。
あなたは立ち上がり、隣のバルコニーの柵でコーヒーを飲む彼のそばに行った。
「あのー。エナードさんって、普段何してるんですか」
「仕事です」
「あ、はい……。他のときは…? 料理はしないんですよね」
「しませんね。……自由時間ですか。……車の運転をしたり、ドラマを見たりですかね」
その台詞に、あなたは目を輝かせる。
運転はあなたも好きだし、なによりドラマを見るのも共通点だったからだ。
「私も映画とか見るの好きなんです!」
「いやドラマです」
「それもっ」
食いついてきた年下のあなたに、彼は若干引いている。
だが、何か言おうとしたのか、彼の口元が動いた。
けれど、また閉めてしまった。
あなたはエナードの顔立ちをもう一度よく見る。
美しく端正だが、彼は自分からはあまり話さない。
その代わり、長い間の中で、色々考えているようにも見えた。
「エナードさん。もしよかったら、今度……一緒に映画見ませんか?」
つい、言葉が出てしまった。
あなたは男性をこんなふうに、誘うタイプではない。
でも彼に興味がわいていた。
「映画……? どこでですか」
「私の家です」
普通にそう答えると、彼は瞳をそらし、小さく咳払いをした。
「女性がよく知らない男を家にあげるのは、感心しませんね」
「…まあそうですけど……ちょっとは知ってますよね、もう」
あなたは胸がドキドキする。
即断られていない。かなりの驚きだった。
「い、嫌でしたかね。すみません。急すぎましたね」
「……嫌ではないです」
「うそっ!?」
あなたが隣のバルコニーに前のめりになるも、彼の表情は変わらない。
もしかして……OK?
「ありがとうございます! 一緒に映画楽しみましょうね!」
「……わかりました」
さらに本当の了解までもらい、あなたの顔が明るく輝いていく。
そんな様子を、彼は若干困ったように見ていた。
