巨体の人外に助けられて世話される話
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あなたとルドガーは、その日も訓練に励んでいた。
騎士の訓練場の端を使わせてもらっていると、噂になったのか、立ち止まる人がぽつぽつと現れた。
「なんか見られちゃってるね〜。恥ずかしいな」
「お前はかなり上達したぞ。胸を張っていい」
「ふふっありがとう。ちょっとおトイレ行ってくるね」
首にタオルをかけ、本部棟にある手洗いへ向かう。
その間、一人の体格のいい男がルドガーに近づいてきた。
いつものチャラついた服装の、赤髪のナザルである。
彼は汗を流していた同じ獣のルドガーに、怪訝な顔で尋ねた。
「おい、お前よ。なんでそこまでするんだ? この短期間で、あいつが強くなる可能性なんてほとんどないだろ。お前が守ってやれば済む話じゃねえか」
ナザルはポケットに手をつっこみ、不思議そうに言う。
だがルドガーはタオルで黒髪を拭いながら、彼をまっすぐ見返した。
「俺はもちろん名無しを守るぞ。だが、それでも自分の手が届かない瞬間は起こり得る。そのときのために、身の守り方を教えるのは必要なことだ。あいつは俺の、大切な番だからな」
そう話したあと、ルドガーは少し瞳を伏せた。
「そうすれば、俺の不安も少しは紛れるんだ。⋯⋯でも名無しは、結構いい動きをしてると思わないか?」
彼は漏れ出た気持ちを隠すように、ナザルに珍しく穏やかに尋ねた。
ナザルは一瞬困惑し、言い淀む。
だが彼なりに真剣に考えた。
「⋯⋯ああ、そうだな。悪くはねえ。それどころか、セロより良いかもな」
「ハハっ」
獣同士、その瞬間は同じ話題で朗らかな空気が流れた。
この短い会話と、あなたとルドガーのまっすぐな姿は、ナザルの心にも少しばかり影響を残したようだ。
翌日の休日には、さらに驚くべきことが起こる。
昼からあなたがルドガーと汗を流していると、ナザルが床にあぐらをかいて見学していたのだ。
いつも軟派な彼にしては、じっと考え込んだふうに見てくる。
凛々しく硬質な茶色の角にふさわしく、まるで五感を研ぎ澄まして、集中しているように。
するとしばらくして、パーカー姿のセロが現れた。
周りには剣を合わせる騎士達がいたが、中肉中背のセロは分厚い本を抱えている。
「おー、まじでこんなめんどい事やってんのかお前ら。おい名無し、俺のおすすめの魔術書貸してやるよ。読み込んどけ」
「えっほんとですかっ? ありがとうございますセロさん!」
思わぬ差し入れを受けて、あなたは休憩し笑顔を向ける。
するとセロもナザルの隣に座った。
バナナを食べながら冷やかしのように見物するつもりのようだ。
「なあセロ。お前もやれ」
「⋯⋯はっ? 何言い出すんだお前。やれって何をだよ」
「訓練だよ」
じっと隣から赤髪のマッチョに促されたセロは、口を引きつらせる。
「おい、俺もう28だぞ。今更訓練しても遅えよ。⋯つうかなんだお前、びびってんのか? 大丈夫だって! 今度の任務、お前とルドガーがいるんだぞ? すでに合格決定だろ!」
かかか!と愉快そうに笑うセロに、あなたはナザルの反応を恐れた。
しかし彼はすぐに、他力本願な主に切れなかった。
セロの上腕をぐっと掴み、茶色の瞳が見据えている。
「痛えッ。⋯⋯ちょ、ちょっと、マジ顔すんなよ、こいつらの青春に感化されたのかっ? 俺達はこういうやつらを冷笑しながら、裏で豪遊するタイプだっただろ!」
セロは仲間を失ったかのようなショックを受けている。
だがナザルは、言葉がすんなりと出てこなかった。
彼はルドガーのように素直な獣ではない。そうするには、いささか長く生きている。
するとセロは、だんだんと微妙な空気を感じ取り、自分から力強いナザルの腕を外した。
そうして彼の肩を、わざとらしくぽんぽんと叩く。
「わかったよ。なんかよく分からんが、お前もあのいけ好かない魔術師団に入りたいんだよな。箔もつくしな。⋯⋯よしわかった、やってやるか! お前の足手まといにはなるべくならないから、助けてくれよ!」
兄貴分のように言うが台詞は弱々しい。
だが遠くで見ていたあなた達よりも、ナザルはもっと瞳を揺らし、主のことを見上げた。
やる気を見せて屈伸するセロに続き、彼も立ち上がる。
「へっしょうがねえな、じゃあ俺の体術をお前にも叩き込んでやるよ。あんま時間はねえけど、そのほうがお前には合ってるだろ、お前集中力ねえもんな」
「運動にはな。魔術の研究だけはお手のもんよ、お前も知ってんだろう」
小競り合いをしながら二人があなた達の輪に加わる。
あなたは感動で目が潤み、思わず拍手をした。
「嬉しい〜! ねえ今の見たルドガー? 何があったんだろう二人に、一緒に訓練するんだって!」
「ああ、うるさい奴らが入ってきたな」
そう答えたルドガーの眼差しは、彼にしては柔らかなものだった。
そして同じ任務合格を目指す三人プラス一人は、まるで青春のようにいい汗を流す。
あなたが散々練習した、高低差のある台を素早く飛び移ったりしていると、汗だくで息を切らすセロが恨めしく見てきた。
「お前、運動神経悪くないんだな。ずりいよ、いくつだよ⋯」
「18です! セロさんも思ったより悪くないですよ、あ、見てくださいよ私のナイフさばき!」
型を特訓したあなたは、彼に披露する。すると「ヤメロあぶねぇッ」と引かれてしまった。
「名無し、鞘無しでやってみろ。俺に向かって」
「⋯⋯えぇっ! それはさすがに無理だよ!」
「大丈夫だ。本気で来い。万が一はセロが治療してくれる」
そんな風に言われて、ちょっと前のあなたなら全力で拒否してただろう。
でも今は、ルドガーの強さを前よりは身をもって知っていた。
ビギナーのあなたが彼に刃を立てられるわけがないことも。だから本気で向かっていった。
「やあああぁっ!」
番に向かって何を刺客のようにおそいかかってるのかと思ったが、三度的確に振り回してもルドガーは容易に避けた。
何度か繰り返し息を切らすと、彼はあなたの手首をきゅっと掴み、ナイフをそっと奪った。
「はあぁーっ。やっぱり無理だ。でも嬉しい!」
「あぁ、一番いい動きだったぞ。もし魔物が向かってきたら、迷わず急所を刺せ。俺より強い相手はいないからな」
「はい先生!」
すっかり息のあったチームになった二人を、もう一組も組手をしながら見ている。
ナザルは「は〜」とため息を吐いた。
セロは床に両手をつき、バテながら講師を見上げる。
「はぁ、はぁっ、おい、まさか俺にもあれやれとか言うなよ」
「言わねーよ。お前自分の足にナイフぶっさすんじゃねえか」
「確かに⋯」
でも珍しく獣に付き合っている主に、ナザルは手を差し出して引っ張り起こした。
「あー俺も相手が可愛い女ならテンション上がるだろうなぁ」
「そりゃそうだろ、俺だって上がるわ。⋯⋯あいつら上達しつつイチャつきやがって⋯! くそっ、ピチピチの18に負けてたまるかよ! おらナザル、続けんぞ!」
死に物狂いの顔で構えを取るセロに、ナザルは少し呆気に取られていたが、すぐに向き直って頷いた。
そんなナザルの顔つきは、前とは見違えるように生き生きしていた。
そうした訓練の日々が続き、休憩のときは四人で集まり水を飲んだりした。
「ふう、ほんとにいいチームになりましたよね。私達! これからも一緒に訓練しましょうよ!」
「いや無理。任務終わったらすぐ解散な」
「えぇ〜っ冷たいですよセロさん! 続けましょうってばぁ、ただでさえ魔術師は運動不足なんですよ!」
「うっせぇ! 魔力回復には睡眠も大事なんだよ! お前女格闘家にでもなるつもりかっ!?」
厳しく突っ込まれるが格上の魔術師セロの言い分は正しい。あなたも休息をとりつつ魔術と訓練に向き合おうと心に刻んだ。
そんなときだ。
周りには、見学の騎士達が増えていた。
すると若い騎士二人が、ルドガーとナザルのそばへやって来た。緊張の面持ちだが、何か伝えたいことがあるようだ。
「あの、すみません! もし今度お時間がありましたら、自分達にもルドガーさんとナザルさんの、剣技と組手をご指導いただけませんでしょうか⋯⋯!?」
ルドガーは表情を変えなかったが、ナザルは初めてのことに驚いた。
二人の獣は顔を見合わせる。
「今は自分達の訓練で忙しいが、勤務時間内なら見てやる。団長と隊長の許可は取っておけ」
「は、はい! ありがとうございます!」
騎士達は喜び、ナザルにも好奇心をたたえた瞳で見上げた。
獣の彼がそんなふうな眼差しで見られたのは、初めてだった。
「おう、まあいいよ。暇そうな時声かけてくれれば」
赤髪をかいて答えると、騎士達は顔を明るくし、頭を下げてお礼を言った。
あなたは感動的な状況に出くわし、二人を交互に見つめる。
「すごいすごいっ、騎士さんたちも二人の凄さに感動したんだろうなぁ〜っ。ねえセロさん!」
「ああ⋯そうなの? 暑苦しいやつらだな⋯⋯もう今日はいいだろ、名無し。アイス食べに行こうぜ。おい、お前らも来いよ!」
なぜかリーダーのように年上のセロが獣二人を呼び、皆素直についていく。
もうすぐ四人は任務に巻き込まれていくが、今は不思議と怖いものもないような気がしていた。
騎士の訓練場の端を使わせてもらっていると、噂になったのか、立ち止まる人がぽつぽつと現れた。
「なんか見られちゃってるね〜。恥ずかしいな」
「お前はかなり上達したぞ。胸を張っていい」
「ふふっありがとう。ちょっとおトイレ行ってくるね」
首にタオルをかけ、本部棟にある手洗いへ向かう。
その間、一人の体格のいい男がルドガーに近づいてきた。
いつものチャラついた服装の、赤髪のナザルである。
彼は汗を流していた同じ獣のルドガーに、怪訝な顔で尋ねた。
「おい、お前よ。なんでそこまでするんだ? この短期間で、あいつが強くなる可能性なんてほとんどないだろ。お前が守ってやれば済む話じゃねえか」
ナザルはポケットに手をつっこみ、不思議そうに言う。
だがルドガーはタオルで黒髪を拭いながら、彼をまっすぐ見返した。
「俺はもちろん名無しを守るぞ。だが、それでも自分の手が届かない瞬間は起こり得る。そのときのために、身の守り方を教えるのは必要なことだ。あいつは俺の、大切な番だからな」
そう話したあと、ルドガーは少し瞳を伏せた。
「そうすれば、俺の不安も少しは紛れるんだ。⋯⋯でも名無しは、結構いい動きをしてると思わないか?」
彼は漏れ出た気持ちを隠すように、ナザルに珍しく穏やかに尋ねた。
ナザルは一瞬困惑し、言い淀む。
だが彼なりに真剣に考えた。
「⋯⋯ああ、そうだな。悪くはねえ。それどころか、セロより良いかもな」
「ハハっ」
獣同士、その瞬間は同じ話題で朗らかな空気が流れた。
この短い会話と、あなたとルドガーのまっすぐな姿は、ナザルの心にも少しばかり影響を残したようだ。
翌日の休日には、さらに驚くべきことが起こる。
昼からあなたがルドガーと汗を流していると、ナザルが床にあぐらをかいて見学していたのだ。
いつも軟派な彼にしては、じっと考え込んだふうに見てくる。
凛々しく硬質な茶色の角にふさわしく、まるで五感を研ぎ澄まして、集中しているように。
するとしばらくして、パーカー姿のセロが現れた。
周りには剣を合わせる騎士達がいたが、中肉中背のセロは分厚い本を抱えている。
「おー、まじでこんなめんどい事やってんのかお前ら。おい名無し、俺のおすすめの魔術書貸してやるよ。読み込んどけ」
「えっほんとですかっ? ありがとうございますセロさん!」
思わぬ差し入れを受けて、あなたは休憩し笑顔を向ける。
するとセロもナザルの隣に座った。
バナナを食べながら冷やかしのように見物するつもりのようだ。
「なあセロ。お前もやれ」
「⋯⋯はっ? 何言い出すんだお前。やれって何をだよ」
「訓練だよ」
じっと隣から赤髪のマッチョに促されたセロは、口を引きつらせる。
「おい、俺もう28だぞ。今更訓練しても遅えよ。⋯つうかなんだお前、びびってんのか? 大丈夫だって! 今度の任務、お前とルドガーがいるんだぞ? すでに合格決定だろ!」
かかか!と愉快そうに笑うセロに、あなたはナザルの反応を恐れた。
しかし彼はすぐに、他力本願な主に切れなかった。
セロの上腕をぐっと掴み、茶色の瞳が見据えている。
「痛えッ。⋯⋯ちょ、ちょっと、マジ顔すんなよ、こいつらの青春に感化されたのかっ? 俺達はこういうやつらを冷笑しながら、裏で豪遊するタイプだっただろ!」
セロは仲間を失ったかのようなショックを受けている。
だがナザルは、言葉がすんなりと出てこなかった。
彼はルドガーのように素直な獣ではない。そうするには、いささか長く生きている。
するとセロは、だんだんと微妙な空気を感じ取り、自分から力強いナザルの腕を外した。
そうして彼の肩を、わざとらしくぽんぽんと叩く。
「わかったよ。なんかよく分からんが、お前もあのいけ好かない魔術師団に入りたいんだよな。箔もつくしな。⋯⋯よしわかった、やってやるか! お前の足手まといにはなるべくならないから、助けてくれよ!」
兄貴分のように言うが台詞は弱々しい。
だが遠くで見ていたあなた達よりも、ナザルはもっと瞳を揺らし、主のことを見上げた。
やる気を見せて屈伸するセロに続き、彼も立ち上がる。
「へっしょうがねえな、じゃあ俺の体術をお前にも叩き込んでやるよ。あんま時間はねえけど、そのほうがお前には合ってるだろ、お前集中力ねえもんな」
「運動にはな。魔術の研究だけはお手のもんよ、お前も知ってんだろう」
小競り合いをしながら二人があなた達の輪に加わる。
あなたは感動で目が潤み、思わず拍手をした。
「嬉しい〜! ねえ今の見たルドガー? 何があったんだろう二人に、一緒に訓練するんだって!」
「ああ、うるさい奴らが入ってきたな」
そう答えたルドガーの眼差しは、彼にしては柔らかなものだった。
そして同じ任務合格を目指す三人プラス一人は、まるで青春のようにいい汗を流す。
あなたが散々練習した、高低差のある台を素早く飛び移ったりしていると、汗だくで息を切らすセロが恨めしく見てきた。
「お前、運動神経悪くないんだな。ずりいよ、いくつだよ⋯」
「18です! セロさんも思ったより悪くないですよ、あ、見てくださいよ私のナイフさばき!」
型を特訓したあなたは、彼に披露する。すると「ヤメロあぶねぇッ」と引かれてしまった。
「名無し、鞘無しでやってみろ。俺に向かって」
「⋯⋯えぇっ! それはさすがに無理だよ!」
「大丈夫だ。本気で来い。万が一はセロが治療してくれる」
そんな風に言われて、ちょっと前のあなたなら全力で拒否してただろう。
でも今は、ルドガーの強さを前よりは身をもって知っていた。
ビギナーのあなたが彼に刃を立てられるわけがないことも。だから本気で向かっていった。
「やあああぁっ!」
番に向かって何を刺客のようにおそいかかってるのかと思ったが、三度的確に振り回してもルドガーは容易に避けた。
何度か繰り返し息を切らすと、彼はあなたの手首をきゅっと掴み、ナイフをそっと奪った。
「はあぁーっ。やっぱり無理だ。でも嬉しい!」
「あぁ、一番いい動きだったぞ。もし魔物が向かってきたら、迷わず急所を刺せ。俺より強い相手はいないからな」
「はい先生!」
すっかり息のあったチームになった二人を、もう一組も組手をしながら見ている。
ナザルは「は〜」とため息を吐いた。
セロは床に両手をつき、バテながら講師を見上げる。
「はぁ、はぁっ、おい、まさか俺にもあれやれとか言うなよ」
「言わねーよ。お前自分の足にナイフぶっさすんじゃねえか」
「確かに⋯」
でも珍しく獣に付き合っている主に、ナザルは手を差し出して引っ張り起こした。
「あー俺も相手が可愛い女ならテンション上がるだろうなぁ」
「そりゃそうだろ、俺だって上がるわ。⋯⋯あいつら上達しつつイチャつきやがって⋯! くそっ、ピチピチの18に負けてたまるかよ! おらナザル、続けんぞ!」
死に物狂いの顔で構えを取るセロに、ナザルは少し呆気に取られていたが、すぐに向き直って頷いた。
そんなナザルの顔つきは、前とは見違えるように生き生きしていた。
そうした訓練の日々が続き、休憩のときは四人で集まり水を飲んだりした。
「ふう、ほんとにいいチームになりましたよね。私達! これからも一緒に訓練しましょうよ!」
「いや無理。任務終わったらすぐ解散な」
「えぇ〜っ冷たいですよセロさん! 続けましょうってばぁ、ただでさえ魔術師は運動不足なんですよ!」
「うっせぇ! 魔力回復には睡眠も大事なんだよ! お前女格闘家にでもなるつもりかっ!?」
厳しく突っ込まれるが格上の魔術師セロの言い分は正しい。あなたも休息をとりつつ魔術と訓練に向き合おうと心に刻んだ。
そんなときだ。
周りには、見学の騎士達が増えていた。
すると若い騎士二人が、ルドガーとナザルのそばへやって来た。緊張の面持ちだが、何か伝えたいことがあるようだ。
「あの、すみません! もし今度お時間がありましたら、自分達にもルドガーさんとナザルさんの、剣技と組手をご指導いただけませんでしょうか⋯⋯!?」
ルドガーは表情を変えなかったが、ナザルは初めてのことに驚いた。
二人の獣は顔を見合わせる。
「今は自分達の訓練で忙しいが、勤務時間内なら見てやる。団長と隊長の許可は取っておけ」
「は、はい! ありがとうございます!」
騎士達は喜び、ナザルにも好奇心をたたえた瞳で見上げた。
獣の彼がそんなふうな眼差しで見られたのは、初めてだった。
「おう、まあいいよ。暇そうな時声かけてくれれば」
赤髪をかいて答えると、騎士達は顔を明るくし、頭を下げてお礼を言った。
あなたは感動的な状況に出くわし、二人を交互に見つめる。
「すごいすごいっ、騎士さんたちも二人の凄さに感動したんだろうなぁ〜っ。ねえセロさん!」
「ああ⋯そうなの? 暑苦しいやつらだな⋯⋯もう今日はいいだろ、名無し。アイス食べに行こうぜ。おい、お前らも来いよ!」
なぜかリーダーのように年上のセロが獣二人を呼び、皆素直についていく。
もうすぐ四人は任務に巻き込まれていくが、今は不思議と怖いものもないような気がしていた。
