巨体の人外に助けられて世話される話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
運命の任務試験の日は、2週間後と通知された。
それまであなたは、毎日訓練をして備えていた。
走り込みを強化し、ミザロから渡された中級魔術書を読み込み、魔法の鍛錬を行う。
ミザロは最近多忙なため一人の修行が続いたが、ゆっくりでも進歩は感じていた。
「わー、魚がよく焼けた! 火魔法も上達したなぁ」
台所であなたは感嘆の声をあげる。
最初は指先ほどだった灯火も、今では手の平から持続して強く出せるようになり、焼き魚もお手の物だ。
こうやって生活を豊かにしてくれる魔法はとても嬉しかった。
でももうすぐ、これでは足りないレベルの本当の任務が始まる。
あなたは日々緊張が募っていた。
ルドガーがその後帰宅し、2人で食事をしたあと、居間でくつろいでいた時のことだ。
「ねえねえ見て、ルドガー。いくよ!」
あなたは手のひらを上にして、集中して詠唱をする。
すると、真ん中に水が生まれていった。
「う〜〜〜」
顔が赤くなるほど頑張っていると、ルドガーがその水に顔を近づけて舐めた。
あなたはびっくりして「あっ!」というが、彼の赤い割れた舌がぺろりと唇を舐め取る。
「うん、ちゃんと水だ。汗じゃない」
「そりゃそうでしょう! こんなに出ないよっ」
気が抜けて言うと、彼はまぶしい笑顔で笑い声を出した。
あなたもつられて笑っていたが、段々とそれが深いため息に変わる。
ルドガーはあなたを後ろから支えるように抱き込んだ。
「ねえルドガー。こんなんで私、大丈夫かなぁ。皆とのレベル、違いすぎるよね⋯⋯」
「それはしょうがない。お前はまだ魔術を学んで3ヶ月だ。それにしてはすごい上達だぞ」
褒められて嬉しく顔を向ける。すると優しい眼差しで額に唇をくっつけられた。
そして彼はこんな話をしてくれる。
「俺も最初から強かったわけではない。3歳で軍に入る前は――」
「3才!?」
「そうだ。それまではゼイラン様に特訓を受けた。屋敷や森や、色んな場所でな」
彼は考え込んだあと、あなたの体を自分に向かせる。瞳は真剣そのものだ。
「名無し。お前の訓練を、俺が手伝おうか?」
「え? ルドガーが?」
「ああ。魔術はお前がやっている通りでいいと思う。他に、身体的な訓練だ。動きがもっとよくなるだろう」
あなたは恐れるどころか、すぐに正座をして、前のめりで頷いた。
「本当? あなたに教えてもらえるなら、すごい心強いよ! ありがとう!」
すると彼は少しせつなげに笑う。
「悪いが、厳しくはしないぞ。大切なお前にそんなことは出来ない。だが俺が教えることは、きっと役には立つはずだ」
あなたは彼にとてつもなく感謝をして、覚悟を決めた。
翌日から、帰宅後のルドガーと夜の訓練が始まった。
静まり返った騎士団の訓練場で、あなたがまず思ったことはこれだ。
――厳しくしないって、言ったのに。
「名無し、そうだ、俺の拳の流れをよく見ろ、いいぞ、左右に避けろ!」
「は⋯はい先生!」
彼にしてはかなりスローに打ち込まれる空中の打撃に、あなたは必死についていく。
そもそも体格差がありすぎるが、実際に魔界の魔物に襲われるとしたら、これがリアルな迫力なのである。
その体感と反射神経を鍛える面でも、かなり役立つ練習だった。
「はぁーっ。休憩休憩、あなたの体力すごすぎだよ」
「ははっ。悪い、お前の身のこなしが意外と良くてな、驚いた」
「本当っ?」
彼に褒められると、もっとやる気が出てしまうのが困りものだ。
抱きつきたくなったが、先生と生徒だと思い我慢した。
ルドガーは他にも、組手や蹴り、寝技などの格闘から、剣技までなんでもこなせるらしい。
軍では様々な戦闘法を学んだのだそうだ。
「お前も武器をもったほうがいいな」
「そうなの? でも確かに、必要だよね」
休憩中そんな話をして、きっと怖がるだろうと思ったあなたに、彼は驚いた様子だった。
何が良さそうか聞いたら、「短剣だな」と即答されて納得をする。
自分がそれを振り回すのを恐れるよりも、強くなりたい気持ちのほうが強かった。
あなたとルドガーの二人きりの訓練は続いた。
彼は短剣をあなたにくれて、鞘付きのまま一通りの振り方や体の動きを教わった。
「うん、いいぞ、なかなか筋がある」
「ありがとうございます!」
シュッ、シュッと音を出して片手や両手での突き方を学び、なんだか爽快な気分にさえなった。
体が動かなかった時期から回復したあと、運動がもっと好きになったが、激しめの動作も自分に合ってるのかもしれない。
でも困ったのは、彼が急所をねらえと教え始めたことだ。
魔物のダミーの的を持ち出し、それは問題なかったものの、ルドガー自身の体を的にしろと言ってくる。
「ええ〜やだってばぁ」
「いいからやれ、これは練習だし、そもそも俺は短剣に何回か刺されたぐらいじゃ死なない」
断言されてあなたは訝しむも、彼の分厚い屈強な体躯が目の前にあると、信じられないこともない。
そこで襲いかかってくるルドガーに対し、あなたは教えられた通り、太ももや腰、胸などを鞘付きの短剣で刺すふりをした。
「うう⋯⋯拷問だよ〜」
そう言いながらも、容赦なくあなたを緩やかに倒し上に覆いかぶさってくるルドガーに、何回も刺した。首や脇腹など、早く終わってほしくてだ。
それからあなたはそのまま彼の背中を抱きしめた。
こんなこと、する必要あるのかな?と思いながら。
するとルドガーは、顔をあなたの肩に埋めたまま抱きこんでくる。
「悪い⋯⋯こんな事態にはならない、俺がそうさせない。ただ、知っておいてほしかった」
「うん⋯⋯わかってるよ。ありがとう」
それでもまだ頬をふくらませたあなたに対し、彼は申し訳なさそうに見つめ、唇にキスをする。
誰もいないのを良いことに、騎士の訓練場で何度か唇を触れ合わせた。
ルドガーはあなたを起こし、自分の正面に引き寄せる。
お互いに少し汗ばんだ体で、じっと向き合った。
「名無し。任務では、多かれ少なかれ、魔物が出る可能性がある。俺は、戦うことになるだろう。お前にその姿を見せるのは初めてだ。⋯⋯だからきっと、怖がらせるかもしれない」
彼はいつものように、そのことを不安に思っている。それをあなたもよく理解していた。
「私は大丈夫だよ。ルドガーが心配なだけ。一緒にいてくれて、心強いよ」
あなたは彼の両手をぎゅっと握り答えた。
すると今度は彼がそっと口元を上げ、胸を少し撫で下ろした様子だった。
そんな二人の様子を、ぼんやりと陰から見ている男がいた。
それまであなたは、毎日訓練をして備えていた。
走り込みを強化し、ミザロから渡された中級魔術書を読み込み、魔法の鍛錬を行う。
ミザロは最近多忙なため一人の修行が続いたが、ゆっくりでも進歩は感じていた。
「わー、魚がよく焼けた! 火魔法も上達したなぁ」
台所であなたは感嘆の声をあげる。
最初は指先ほどだった灯火も、今では手の平から持続して強く出せるようになり、焼き魚もお手の物だ。
こうやって生活を豊かにしてくれる魔法はとても嬉しかった。
でももうすぐ、これでは足りないレベルの本当の任務が始まる。
あなたは日々緊張が募っていた。
ルドガーがその後帰宅し、2人で食事をしたあと、居間でくつろいでいた時のことだ。
「ねえねえ見て、ルドガー。いくよ!」
あなたは手のひらを上にして、集中して詠唱をする。
すると、真ん中に水が生まれていった。
「う〜〜〜」
顔が赤くなるほど頑張っていると、ルドガーがその水に顔を近づけて舐めた。
あなたはびっくりして「あっ!」というが、彼の赤い割れた舌がぺろりと唇を舐め取る。
「うん、ちゃんと水だ。汗じゃない」
「そりゃそうでしょう! こんなに出ないよっ」
気が抜けて言うと、彼はまぶしい笑顔で笑い声を出した。
あなたもつられて笑っていたが、段々とそれが深いため息に変わる。
ルドガーはあなたを後ろから支えるように抱き込んだ。
「ねえルドガー。こんなんで私、大丈夫かなぁ。皆とのレベル、違いすぎるよね⋯⋯」
「それはしょうがない。お前はまだ魔術を学んで3ヶ月だ。それにしてはすごい上達だぞ」
褒められて嬉しく顔を向ける。すると優しい眼差しで額に唇をくっつけられた。
そして彼はこんな話をしてくれる。
「俺も最初から強かったわけではない。3歳で軍に入る前は――」
「3才!?」
「そうだ。それまではゼイラン様に特訓を受けた。屋敷や森や、色んな場所でな」
彼は考え込んだあと、あなたの体を自分に向かせる。瞳は真剣そのものだ。
「名無し。お前の訓練を、俺が手伝おうか?」
「え? ルドガーが?」
「ああ。魔術はお前がやっている通りでいいと思う。他に、身体的な訓練だ。動きがもっとよくなるだろう」
あなたは恐れるどころか、すぐに正座をして、前のめりで頷いた。
「本当? あなたに教えてもらえるなら、すごい心強いよ! ありがとう!」
すると彼は少しせつなげに笑う。
「悪いが、厳しくはしないぞ。大切なお前にそんなことは出来ない。だが俺が教えることは、きっと役には立つはずだ」
あなたは彼にとてつもなく感謝をして、覚悟を決めた。
翌日から、帰宅後のルドガーと夜の訓練が始まった。
静まり返った騎士団の訓練場で、あなたがまず思ったことはこれだ。
――厳しくしないって、言ったのに。
「名無し、そうだ、俺の拳の流れをよく見ろ、いいぞ、左右に避けろ!」
「は⋯はい先生!」
彼にしてはかなりスローに打ち込まれる空中の打撃に、あなたは必死についていく。
そもそも体格差がありすぎるが、実際に魔界の魔物に襲われるとしたら、これがリアルな迫力なのである。
その体感と反射神経を鍛える面でも、かなり役立つ練習だった。
「はぁーっ。休憩休憩、あなたの体力すごすぎだよ」
「ははっ。悪い、お前の身のこなしが意外と良くてな、驚いた」
「本当っ?」
彼に褒められると、もっとやる気が出てしまうのが困りものだ。
抱きつきたくなったが、先生と生徒だと思い我慢した。
ルドガーは他にも、組手や蹴り、寝技などの格闘から、剣技までなんでもこなせるらしい。
軍では様々な戦闘法を学んだのだそうだ。
「お前も武器をもったほうがいいな」
「そうなの? でも確かに、必要だよね」
休憩中そんな話をして、きっと怖がるだろうと思ったあなたに、彼は驚いた様子だった。
何が良さそうか聞いたら、「短剣だな」と即答されて納得をする。
自分がそれを振り回すのを恐れるよりも、強くなりたい気持ちのほうが強かった。
あなたとルドガーの二人きりの訓練は続いた。
彼は短剣をあなたにくれて、鞘付きのまま一通りの振り方や体の動きを教わった。
「うん、いいぞ、なかなか筋がある」
「ありがとうございます!」
シュッ、シュッと音を出して片手や両手での突き方を学び、なんだか爽快な気分にさえなった。
体が動かなかった時期から回復したあと、運動がもっと好きになったが、激しめの動作も自分に合ってるのかもしれない。
でも困ったのは、彼が急所をねらえと教え始めたことだ。
魔物のダミーの的を持ち出し、それは問題なかったものの、ルドガー自身の体を的にしろと言ってくる。
「ええ〜やだってばぁ」
「いいからやれ、これは練習だし、そもそも俺は短剣に何回か刺されたぐらいじゃ死なない」
断言されてあなたは訝しむも、彼の分厚い屈強な体躯が目の前にあると、信じられないこともない。
そこで襲いかかってくるルドガーに対し、あなたは教えられた通り、太ももや腰、胸などを鞘付きの短剣で刺すふりをした。
「うう⋯⋯拷問だよ〜」
そう言いながらも、容赦なくあなたを緩やかに倒し上に覆いかぶさってくるルドガーに、何回も刺した。首や脇腹など、早く終わってほしくてだ。
それからあなたはそのまま彼の背中を抱きしめた。
こんなこと、する必要あるのかな?と思いながら。
するとルドガーは、顔をあなたの肩に埋めたまま抱きこんでくる。
「悪い⋯⋯こんな事態にはならない、俺がそうさせない。ただ、知っておいてほしかった」
「うん⋯⋯わかってるよ。ありがとう」
それでもまだ頬をふくらませたあなたに対し、彼は申し訳なさそうに見つめ、唇にキスをする。
誰もいないのを良いことに、騎士の訓練場で何度か唇を触れ合わせた。
ルドガーはあなたを起こし、自分の正面に引き寄せる。
お互いに少し汗ばんだ体で、じっと向き合った。
「名無し。任務では、多かれ少なかれ、魔物が出る可能性がある。俺は、戦うことになるだろう。お前にその姿を見せるのは初めてだ。⋯⋯だからきっと、怖がらせるかもしれない」
彼はいつものように、そのことを不安に思っている。それをあなたもよく理解していた。
「私は大丈夫だよ。ルドガーが心配なだけ。一緒にいてくれて、心強いよ」
あなたは彼の両手をぎゅっと握り答えた。
すると今度は彼がそっと口元を上げ、胸を少し撫で下ろした様子だった。
そんな二人の様子を、ぼんやりと陰から見ている男がいた。
