巨体の人外に助けられて世話される話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日は初めてルドガーと本当のデートをする日だ。
あなた達はルラ・パルセの街にある植物園を訪れていた。ガラス張りの宮殿のような建物に、緑豊かな風景が広がっている。
初めて見る魔界の植物や自然に、あなたは感嘆の声をあげていた。
「見てみて、なにこのつる草、触ったら危険なんだって」
「ああ。それは俺達が住んでた森にもあるぞ。ものを飲み込んだらそのまま膨らんで破裂するんだ。防御魔法を張れなかったらあの世行きだな」
「えっ……」
彼の博識なコメントに引きつつも、あなたは手を繋ぎ好奇心たっぷりに歩いている。
洞窟を模した場所に入って毒々しい爬虫類を見たり、不可思議な水生動物を眺めたり。
女の子なのに楽しそうにしているあなたが、ルドガーには不思議に映っていた。
「名無し。一日お前の好きなことをしようと言ったのに、ここで本当によかったのか?」
「うんっ。最高だよ。ルドガーも自然が好きなんじゃないかなって思って」
「俺も好きだし楽しいが……お前の一番やりたいことでいいんだぞ」
そっと顔を覗き込まれて、あなたは優しく微笑む。
「二人が一緒に楽しめることがいいんじゃない? こうして並んで歩いてお喋りして、それだけで来てよかったなって思うよ」
そう素直に告げると、一瞬驚いた彼も、「そうだな」と金色の瞳を柔らかくして笑った。
また手を繋いで道のりを歩く。まるでちょっとした冒険のようだ。
あなたは今日、お気に入りのふわっとした白のコートに編みブーツ、薄桃色の耳当てをしている。
それに対して「可愛いがスカートが短い」と感想を言ってくれたルドガーも、あなたを意識して、冬物の黒ジャケットにタートルネックを着たお洒落な装いだった。
遠出の外出は三回目だからか少し慣れたようで、彼も警戒心はほどほどにリラックスしてる様子だ。
まだ魔界を歩きやすくする加護は授けられてないが、ルドガーが隣にいてくれるだけで怖いものはなかった。
「楽しかったね~ここ気分がすごく安らぐ、また来ようよ!」
「そうだな。名無しは動物園も気に入りそうだな」
「そんなのあるの? もちろん好き! でもまたルドガー怒っちゃうんじゃないの? 可愛いーって褒めたら」
「それはあいつにだけだ。ほら、俺はあいつの異常さをすぐ分かっただろ?」
途端に苦虫を噛んだような顔の彼に、あなたは笑いながら相槌を打っていた。
植物園の出入り口の前には、お土産売り場があった。
二人であれこれ言いながら楽しく見ていると、あるものに目を奪われた。
装飾台に、動物や植物を模したアクセサリーがかけられていたのだ。
「わあ、これかわいい~ルドガーにそっくり!」
「そうか?」
まじまじと彼が見て首をひねる。それは銀色の狼に似た猛獣のペンダントトップで、きりっとした強そうな顔つきに、銀色の鎖がついていた。
あなたが興奮して眺めていると、彼はそれを手に取った。
「欲しいなら買ってやる」
「えっ! いいのっ?」
あなたの顔がぱあぁっと明るくなる。
まさかそんなことをしてくれるとは。
彼が会計へ向かう間、ドキドキする気持ちで待っていた。
しばらくして戻ってきて、一緒に外へ出る。
袋から出してくれたルドガーは、それをあなたに手渡した。
「ほら、つけるか」
「うん!」
自分でつけてみて、「どう?」と聞くと「格好いいな」と微笑まれた。
まるで獣の彼が一緒に胸元にいてくれるみたいで、自分まで心強くなる。
大切なお守りにしようと喜んでいると、彼はもうひとつ何かを取り出した。
「これもいるか。花のやつだ」
「えっ」
無骨な手のひらが掴んでいたのは、薄ピンク色の花びらが綺麗なペンダントだった。
「……これ、買ったの?」
「ああ、見つけたんだ。待て、つけてやる」
見よう見まねで、太い指でつけるのに彼は手こずっていた。
あなたの胸元が、もっともっと熱くなる。
二つはちょうどいい長さで、可愛らしく重なり合っていた。
「花はお前のイメージだ。だから俺達みたいに、いつも一緒だな」
その言葉を聞いて、あなたは目元が潤む。
寝室に飾ってある大切な贈り物のことも思い浮かべていた。
「ありがとう……可愛い。嬉しい……!」
じーんとお花のペンダントを握りながら呟き、照れ隠しにルドガーに抱き着いた。
「おおっ。獣のやつよりもっと嬉しそうだな」
「どっちもだよ!」
思いがけぬ彼のサプライズが胸にまっすぐに届いた。
そのあとは街に戻り、ウィンドウショッピングをしたあと、食事をすることになった。
ルドガーが知っている店があるというので、興味を引かれたあなたはついていった。
肉のグリルのいい匂いがする、木彫りで重厚な店構えのレストランだ。
彼が入ろうとすると、看板前でちょうど太い腕を組んだ大男が止めた。
「ああ……? あっ、あんた! 前も来ただろ」
「そうだ」
「やっぱりな。その黒い角とでかい図体――あんたは出禁だ」
「……ええっ!?」
あなたは二人の大男の間で、右往左往して見上げる。
「ルドガー、出禁なのっ? 何したの?」
「わからん。なぜだ店主」
「覚えてねえのか!? 騎士団の連中とうちに来て、あんただけで店の食いもん全部食っちまっただろうがっ」
いくら彼でもそんなこと――そう思ってゆっくり見やると、ルドガーは思い出したように頷いていた。
「やばいよルドガー、なんでそんなことしたの」
「ここに来たばかりの頃、騎士たちに歓迎会を開かれて、なんでも食えと言われたからなんでも食っただけだ。すごく美味かったぞ」
平然と言う獣に二人は閉口する。
だがルドガーは簡単には引き下がらなかった。今日はあなたとのデートなのだ。
「あの時はすまなかった、店主。もうしない。普通に食事をするから、メシを出してくれないか。今日は俺の彼女が一緒で、大切な日なんだ。ここの美味しい料理を食わせてやりたい」
まっすぐ見つめる瞳は、真剣そのものだ。
あなたはその姿に感動を覚え、自分も「店主さん、お願いします!」と一生懸命頭を下げる。
すると熊のような店主は、難しい顔で考えるそぶりをした。
ルドガーをじっと見たあと、小柄なあなたに向かって、背を曲げて尋ねてくる。
「それが本当ならいい話だけどなあ。…嬢ちゃん、ほんとに大丈夫か? あんた連れまわされてるんじゃないか?」
「えっ? 違いますよ、今日は初めてのちゃんとしたデートなんです! ルドガーは私の素敵な彼氏なんですよ!」
店主はぱちくりと瞬いて驚いた様子だったが、やがてうーんと唸り上げた。
「あぁ、分かったよ。変わった二人だが若いカップルなんだな。そこまで言うならしょうがねえ。俺んとこのメシを食ってけ!」
あなた達は店主の心意気に感謝し、手を取って喜び合った。
香ばしい匂いが漂う店内はにぎわいを見せ、友人や家族同士、恋人らしき魔族たちがご馳走を楽しんでいる。
窓際の景色が広がる二人席に案内され、それぞれ注文して味わった。
「すっごい嬉しかったね~さっき。それにこのステーキ、本当に美味しい!」
「そうだろ? 絶対お前におすすめしたかったんだ。ソースもいけるぞ」
なんだか少年のように笑い、肉料理を楽しむルドガーが嬉しかった。
これまでのデートも含めて、こんな時間を過ごさせてくれる彼に、感謝の気持ちがわく。
もう彼の魅力にお腹いっぱいだ。
「ルドガーって、騎士の皆さんと食事とかしてたんだね」
「ああ、最初だけな。俺の戦い方を知ってからは、誰からも誘われなくなった」
「ええ!」
フォークで刺した肉を大口に入れて普通に話し、何も気にしてないようだった。
あなたは彼の顔はほとんど知ったような気がしていたが、仕事をしているときについてはまだ謎である。
こうしていろんな体験を一緒にして、また少しずつ触れたいなと思った。
そのあとはデザートまで楽しみ、夢のような時間が過ぎていく。
店主には「また来いよ」と言われ、体が軽くなったように気分も最高だ。
紫色の空が雲と交わり、夕暮れに染まる。
大きい公園の周りを歩いていると、デートは終わりに近づき、だんだん寂しくなってくる。
すると突然、通り雨が起きた。
さっきまで晴れていたのに、ざあざあ雨が降って来る。
「わあ、魔界で初めて雨見たよ!」
「――名無し、大変だ! お前が風邪をひいてしまう!」
「えっ?」
ルドガーはあなたに服をかぶせ、抱き上げて走りだす。
あなたは彼が濡れてしまうのを心配し、一緒にかけようとする。
「ははっ、嬉しいが、これじゃ前が見えないぞ」
暗がりで彼の笑顔を見て、胸がきゅっとときめいた。
赤らんで黙ったあなたに、ルドガーは突然顔を近づけてキスをした。
そしてびしょぬれのまま、上着の中であなた達は何度か唇を触れ合わせた。
「んう……」
偶然手にした二人だけの空間。
今日はずっと一緒にいたけれど、もっとも距離が縮まった瞬間だった。
「ふふ」
「……名無し。お前はどうしてそんなに可愛い?」
そう純粋な、恋焦がれるような眼差しで尋ねられて、あなたの笑顔がゆっくり赤く染まっていく。
「ええっと、ルドガーのせいでしょう」
「そうか…? ならいい」
彼の照れくさそうな、安心したような笑みが印象的だった。
特別な時間を記憶に焼きつけるように、あなたも彼を熱く見つめていた。
あなた達はルラ・パルセの街にある植物園を訪れていた。ガラス張りの宮殿のような建物に、緑豊かな風景が広がっている。
初めて見る魔界の植物や自然に、あなたは感嘆の声をあげていた。
「見てみて、なにこのつる草、触ったら危険なんだって」
「ああ。それは俺達が住んでた森にもあるぞ。ものを飲み込んだらそのまま膨らんで破裂するんだ。防御魔法を張れなかったらあの世行きだな」
「えっ……」
彼の博識なコメントに引きつつも、あなたは手を繋ぎ好奇心たっぷりに歩いている。
洞窟を模した場所に入って毒々しい爬虫類を見たり、不可思議な水生動物を眺めたり。
女の子なのに楽しそうにしているあなたが、ルドガーには不思議に映っていた。
「名無し。一日お前の好きなことをしようと言ったのに、ここで本当によかったのか?」
「うんっ。最高だよ。ルドガーも自然が好きなんじゃないかなって思って」
「俺も好きだし楽しいが……お前の一番やりたいことでいいんだぞ」
そっと顔を覗き込まれて、あなたは優しく微笑む。
「二人が一緒に楽しめることがいいんじゃない? こうして並んで歩いてお喋りして、それだけで来てよかったなって思うよ」
そう素直に告げると、一瞬驚いた彼も、「そうだな」と金色の瞳を柔らかくして笑った。
また手を繋いで道のりを歩く。まるでちょっとした冒険のようだ。
あなたは今日、お気に入りのふわっとした白のコートに編みブーツ、薄桃色の耳当てをしている。
それに対して「可愛いがスカートが短い」と感想を言ってくれたルドガーも、あなたを意識して、冬物の黒ジャケットにタートルネックを着たお洒落な装いだった。
遠出の外出は三回目だからか少し慣れたようで、彼も警戒心はほどほどにリラックスしてる様子だ。
まだ魔界を歩きやすくする加護は授けられてないが、ルドガーが隣にいてくれるだけで怖いものはなかった。
「楽しかったね~ここ気分がすごく安らぐ、また来ようよ!」
「そうだな。名無しは動物園も気に入りそうだな」
「そんなのあるの? もちろん好き! でもまたルドガー怒っちゃうんじゃないの? 可愛いーって褒めたら」
「それはあいつにだけだ。ほら、俺はあいつの異常さをすぐ分かっただろ?」
途端に苦虫を噛んだような顔の彼に、あなたは笑いながら相槌を打っていた。
植物園の出入り口の前には、お土産売り場があった。
二人であれこれ言いながら楽しく見ていると、あるものに目を奪われた。
装飾台に、動物や植物を模したアクセサリーがかけられていたのだ。
「わあ、これかわいい~ルドガーにそっくり!」
「そうか?」
まじまじと彼が見て首をひねる。それは銀色の狼に似た猛獣のペンダントトップで、きりっとした強そうな顔つきに、銀色の鎖がついていた。
あなたが興奮して眺めていると、彼はそれを手に取った。
「欲しいなら買ってやる」
「えっ! いいのっ?」
あなたの顔がぱあぁっと明るくなる。
まさかそんなことをしてくれるとは。
彼が会計へ向かう間、ドキドキする気持ちで待っていた。
しばらくして戻ってきて、一緒に外へ出る。
袋から出してくれたルドガーは、それをあなたに手渡した。
「ほら、つけるか」
「うん!」
自分でつけてみて、「どう?」と聞くと「格好いいな」と微笑まれた。
まるで獣の彼が一緒に胸元にいてくれるみたいで、自分まで心強くなる。
大切なお守りにしようと喜んでいると、彼はもうひとつ何かを取り出した。
「これもいるか。花のやつだ」
「えっ」
無骨な手のひらが掴んでいたのは、薄ピンク色の花びらが綺麗なペンダントだった。
「……これ、買ったの?」
「ああ、見つけたんだ。待て、つけてやる」
見よう見まねで、太い指でつけるのに彼は手こずっていた。
あなたの胸元が、もっともっと熱くなる。
二つはちょうどいい長さで、可愛らしく重なり合っていた。
「花はお前のイメージだ。だから俺達みたいに、いつも一緒だな」
その言葉を聞いて、あなたは目元が潤む。
寝室に飾ってある大切な贈り物のことも思い浮かべていた。
「ありがとう……可愛い。嬉しい……!」
じーんとお花のペンダントを握りながら呟き、照れ隠しにルドガーに抱き着いた。
「おおっ。獣のやつよりもっと嬉しそうだな」
「どっちもだよ!」
思いがけぬ彼のサプライズが胸にまっすぐに届いた。
そのあとは街に戻り、ウィンドウショッピングをしたあと、食事をすることになった。
ルドガーが知っている店があるというので、興味を引かれたあなたはついていった。
肉のグリルのいい匂いがする、木彫りで重厚な店構えのレストランだ。
彼が入ろうとすると、看板前でちょうど太い腕を組んだ大男が止めた。
「ああ……? あっ、あんた! 前も来ただろ」
「そうだ」
「やっぱりな。その黒い角とでかい図体――あんたは出禁だ」
「……ええっ!?」
あなたは二人の大男の間で、右往左往して見上げる。
「ルドガー、出禁なのっ? 何したの?」
「わからん。なぜだ店主」
「覚えてねえのか!? 騎士団の連中とうちに来て、あんただけで店の食いもん全部食っちまっただろうがっ」
いくら彼でもそんなこと――そう思ってゆっくり見やると、ルドガーは思い出したように頷いていた。
「やばいよルドガー、なんでそんなことしたの」
「ここに来たばかりの頃、騎士たちに歓迎会を開かれて、なんでも食えと言われたからなんでも食っただけだ。すごく美味かったぞ」
平然と言う獣に二人は閉口する。
だがルドガーは簡単には引き下がらなかった。今日はあなたとのデートなのだ。
「あの時はすまなかった、店主。もうしない。普通に食事をするから、メシを出してくれないか。今日は俺の彼女が一緒で、大切な日なんだ。ここの美味しい料理を食わせてやりたい」
まっすぐ見つめる瞳は、真剣そのものだ。
あなたはその姿に感動を覚え、自分も「店主さん、お願いします!」と一生懸命頭を下げる。
すると熊のような店主は、難しい顔で考えるそぶりをした。
ルドガーをじっと見たあと、小柄なあなたに向かって、背を曲げて尋ねてくる。
「それが本当ならいい話だけどなあ。…嬢ちゃん、ほんとに大丈夫か? あんた連れまわされてるんじゃないか?」
「えっ? 違いますよ、今日は初めてのちゃんとしたデートなんです! ルドガーは私の素敵な彼氏なんですよ!」
店主はぱちくりと瞬いて驚いた様子だったが、やがてうーんと唸り上げた。
「あぁ、分かったよ。変わった二人だが若いカップルなんだな。そこまで言うならしょうがねえ。俺んとこのメシを食ってけ!」
あなた達は店主の心意気に感謝し、手を取って喜び合った。
香ばしい匂いが漂う店内はにぎわいを見せ、友人や家族同士、恋人らしき魔族たちがご馳走を楽しんでいる。
窓際の景色が広がる二人席に案内され、それぞれ注文して味わった。
「すっごい嬉しかったね~さっき。それにこのステーキ、本当に美味しい!」
「そうだろ? 絶対お前におすすめしたかったんだ。ソースもいけるぞ」
なんだか少年のように笑い、肉料理を楽しむルドガーが嬉しかった。
これまでのデートも含めて、こんな時間を過ごさせてくれる彼に、感謝の気持ちがわく。
もう彼の魅力にお腹いっぱいだ。
「ルドガーって、騎士の皆さんと食事とかしてたんだね」
「ああ、最初だけな。俺の戦い方を知ってからは、誰からも誘われなくなった」
「ええ!」
フォークで刺した肉を大口に入れて普通に話し、何も気にしてないようだった。
あなたは彼の顔はほとんど知ったような気がしていたが、仕事をしているときについてはまだ謎である。
こうしていろんな体験を一緒にして、また少しずつ触れたいなと思った。
そのあとはデザートまで楽しみ、夢のような時間が過ぎていく。
店主には「また来いよ」と言われ、体が軽くなったように気分も最高だ。
紫色の空が雲と交わり、夕暮れに染まる。
大きい公園の周りを歩いていると、デートは終わりに近づき、だんだん寂しくなってくる。
すると突然、通り雨が起きた。
さっきまで晴れていたのに、ざあざあ雨が降って来る。
「わあ、魔界で初めて雨見たよ!」
「――名無し、大変だ! お前が風邪をひいてしまう!」
「えっ?」
ルドガーはあなたに服をかぶせ、抱き上げて走りだす。
あなたは彼が濡れてしまうのを心配し、一緒にかけようとする。
「ははっ、嬉しいが、これじゃ前が見えないぞ」
暗がりで彼の笑顔を見て、胸がきゅっとときめいた。
赤らんで黙ったあなたに、ルドガーは突然顔を近づけてキスをした。
そしてびしょぬれのまま、上着の中であなた達は何度か唇を触れ合わせた。
「んう……」
偶然手にした二人だけの空間。
今日はずっと一緒にいたけれど、もっとも距離が縮まった瞬間だった。
「ふふ」
「……名無し。お前はどうしてそんなに可愛い?」
そう純粋な、恋焦がれるような眼差しで尋ねられて、あなたの笑顔がゆっくり赤く染まっていく。
「ええっと、ルドガーのせいでしょう」
「そうか…? ならいい」
彼の照れくさそうな、安心したような笑みが印象的だった。
特別な時間を記憶に焼きつけるように、あなたも彼を熱く見つめていた。
