美オヤジを誘って囲われて救われる話
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翌日、あなたは朝早く目覚めた。隣にはヴィクトルの裸の背中があって、どきりとする。
彼の緩やかな黒髪は艶めいて柔らかそうだ。
近くで見る余裕がやっと出来たため、あなたは彼の太い首や肩、背中の線をじっと観察していた。
「⋯⋯いい匂い」
鼻を近づけて、自分よりもいい香りがする肌に触れたくなった。
彼は鼻が高く眉が凛々しい、きれいな顔立ちをしている。いつもはスーツを着こなす隙のない男性だが、今は寝息をたてて無防備だ。
「こんなに素敵な人と、しちゃったんだなぁ⋯⋯」
つい心の声がもれると、すぐそばの背中がわずかに揺れた。
「起きてるのっ?」
「⋯⋯ごめん⋯⋯今起きたよ」
くつくつと笑いながら、彼は眠そうな顔で寝返りを打った。気持ちよさそうに目を細め、あなたを腕の中に誘う。
「ヴィクトル⋯⋯っ」
「うん? おはよう。名無しちゃん」
前髪に優しくキスを降らされた。
あなたは独り言を聞かれたかもという恥ずかしさを無かったことにする。
かわりに彼は機嫌よく目を覚まし、半裸を起こした。
ふわふわの布団の下で、あぐらをかいてあなたを見つめている。
「あの⋯起こしてごめんね。もう少し寝てたかったよね」
「いいや、名無しちゃんに早く会いたかったから嬉しいよ」
まだ寝ぼけてるのか、ぱちっとウインクして彼は頬に手を伸ばしてくる。指先の感触だけで昨夜を思い出してしまい、あなたは言葉少なくなった。
「どうしたんだい? ふふっ。君は朝になると、俺のこと忘れちゃったのかな?っていうぐらい、腰引けてるよね。⋯⋯もしかして、昨日の良くなかった?」
「違うよ!」
あなたは焦って否定する。
そんなわけがない。あの瞬間をひとつひとつ辿るだけで体が火照ってくるというのに。
ヴィクトルに勘違いされたくなかったため、あなたは思いきって身を寄せる。
「んっ?」
「ヴィクトルとしたこと⋯⋯すごく気持ちよかったよ」
そう言って彼の頬にちゅっとキスをした。
「⋯⋯本当に? ううん、君は俺を舞い上がらせるのが上手いな、名無しちゃん」
彼は癒されたように微笑みを浮かべる。
お礼として返ってきたのは、唇への熱いキスだ。
「んっ」
「⋯⋯あぁ。本当にこのままがいい。起きたくないなあ」
上半身裸の彼に抱き込まれると、あなたはじたばたともがいた。
「ヴィクトル、用意しないと⋯⋯っ」
「うーん、そうだな。ひげ剃るか。ごめん、今当たって痛かったでしょ」
苦笑した彼は、まだ名残惜しそうだったが朝の準備に取りかかることにした。
ヴィクトルは普段八時に出勤し、あなたはブティックの勤務が十時からでゆっくりだ。
こうして朝を過ごすのは二回目だが、新鮮で嬉しくなった。
あなたは、洗面所で顎にフォームをつけ真剣に髭を剃っている彼をのぞいた。
なんだか部屋の中でも、彼のことが気になった。
今更だけど、どんな人なのかもっと知りたくなる。
すると彼はくるっと振り返り、終わった肌を擦りながら尋ねた。
「名無しちゃん。体は大丈夫?」
「えっ⋯⋯体?」
「そう。腰のあたり」
すぐには分からなかったけど、ヴィクトルの意味深な目つきにあなたは赤くなった。
「大丈夫だよ。少し違和感はあるけど、ちゃんと動ける。ヴィクトルが気をつけてくれたから」
あなたは恥じらいながら彼の正面に立ち、「ありがとう」と言って抱きついた。
ヴィクトルは一瞬驚いたようだが、すぐにあなたを抱えて嬉しそうに微笑んでくる。
「それはよかった。でも礼を言う事じゃないけどね。俺も君を抱きたかったんだから」
ストレートに言われて視線が彷徨ってしまった。彼に対し、好きな気持ちがわく。本気になったりしたらダメだとわかっているけれど。
「ヴィクトル⋯」
「ん? ⋯⋯どうしたの?」
彼は期待ににじむ甘い声音で尋ねたが、あなたはこんなことを言った。
「その⋯⋯しばらくしなかったら、塞がっちゃうかな?」
彼は一瞬考えたように目を丸くしたが、いきなり吹き出す。
「はっはっは!」
「もう! どうして笑うの?」
本気ではないけど憤慨するあなたの珍しい怒り顔に、彼は焦ったようだ。手を下ろしてぎゅっと抱きしめてくる。
「そうだな、いやごめん。笑い事じゃない。あまりに可愛らしく思えて――。ああ許してくれ。そうだよね、不安に思うのも無理はないさ。でも大丈夫、塞がったりはしないよ」
「⋯⋯本当?」
「うん。まあ俺は医者じゃないから、大きなことは言えないけれどね。一度出来たら、もう大丈夫だと思うよ。⋯⋯それとも毎日する?」
彼は問いをわざと甘い囁きにのせてきた。
あなたは言葉が引っ込んでしまい、細かに首をふる。
「なんだ、残念だな。誘ってくれたのかと思ったのに」
「誘ってないってばっ」
意思とは反対に素直になれなかった。本当のセックスの経験がなさすぎて、この大人な男性にどう反応していいか混乱する。
きっと、からかってるだけだろうし。
彼は困っている自分を助けてくれただけなのだからと。
そんなことを考え出すと、あなたは元彼のことが頭をよぎった。
だんだんと気持ちが重くなってくる。
そんなあなたの表情の変化に、ヴィクトルも気がかりな様子だった。
「名無しちゃん。昨日のことなんだけど⋯⋯聞いてもいいかな、お家で何かあったのか。君は前の彼氏と暮らしていたんだよね?」
核心を突かれて、鼓動が速くなっていく。
あなたはためらいがちに認めた。
「そうなんだ。昨日家に服を取りに帰ったら、まだ彼がいて。知らない女の人もいた⋯⋯それで、言い合いになって⋯⋯落ち込んで」
あなたは恥ずかしさや情けなさから、マティアスに言われたことを明かせなかった。
深く傷ついたが、どうしようもない事実だったからだ。
それに、ヴィクトルにはまったく関係のないことで、彼は優しい人だし、こんな問題に巻き込まなくていいと思った。
しかしヴィクトルは、話を聞いて大体の予想がついたようだ。
彼は普段なるべく愛想のよい表情を浮かべているが、今だけは、不快感で眉根を寄せていた。
「どうしようもない奴だな、そいつは。名無しちゃん。俺は、君にしばらく帰るのはやめて、ここにいてほしいと思ってる」
彼は真剣に手を握って伝えてきた。
「あ⋯⋯でも、迷惑だよ。この何日も、お世話になっちゃってるし」
「迷惑なわけないでしょう? 俺は別に何もしてないよ。君に安全なところにいて欲しいだけなんだ」
あなたは彼の優しさが身に沁みていく。
ありがたいし、本当はヴィクトルとずっと一緒にいたい。
甘えて、飛び込んでしまいたい。
でも、もうすでにたくさんのものをくれたのに、あまりに都合がいい気がした。
「⋯⋯ああ、そんな顔しないで。今迷ってるだろう。すごく人に気を使う子だって、段々分かってきたよ」
「えっ?」
あなたは指摘されて、ぱっと顔を上げる。
彼のほうこそ、なんだか迷いのある、苦悩に満ちた顔つきであなたを見つめていた。
「正直に言うと、俺はそいつに君を会わせたくない。これは俺の勝手な思いだよ。でも、そんな最低な男のもとになんか行かないでくれ、名無しちゃん」
彼はまだ言い足りなさそうだったが、譲れないという思いをにじませた意固地な表情で、あなたに乞い願う。
「ね、約束して。どうしても一度帰るなら、俺も一緒に行くからさ。一人で行っちゃだめだ。車で送るから」
「⋯⋯うう、でも⋯⋯」
「頼む。お願いだよ名無しちゃん」
彼の瞳は水面下で燃え上がっていた。静かな怒りを制御しているように。
「わかったよ。でも本当にいいの? 明後日、帰ろうと思ったんだ。彼が⋯⋯マティアスが定期的な飲み会の日で、絶対にいないから。⋯⋯でも、ヴィクトルが一緒に来てくれるなら、一応車の中で待っててほしいな。そうしたら万が一でも会わないだろうし」
あなたは本気で考えてくれている彼に、誠心誠意説明した。
本当に、あの男にだけは、ヴィクトルを会わせたくない。
昨日の様子だと、逆上して何を言い出すか分からないからだ。
「そう⋯⋯わかった。じゃあそうしよう。俺のお願い聞いてくれてありがとうね」
「ううん。お礼を言うのは私のほうだよ。⋯⋯ありがとう、ヴィクトル。心配かけてごめんね」
彼はあなたをほっとした様子で抱きしめたあと、首をふって更に安心させようとしていた。
彼の緩やかな黒髪は艶めいて柔らかそうだ。
近くで見る余裕がやっと出来たため、あなたは彼の太い首や肩、背中の線をじっと観察していた。
「⋯⋯いい匂い」
鼻を近づけて、自分よりもいい香りがする肌に触れたくなった。
彼は鼻が高く眉が凛々しい、きれいな顔立ちをしている。いつもはスーツを着こなす隙のない男性だが、今は寝息をたてて無防備だ。
「こんなに素敵な人と、しちゃったんだなぁ⋯⋯」
つい心の声がもれると、すぐそばの背中がわずかに揺れた。
「起きてるのっ?」
「⋯⋯ごめん⋯⋯今起きたよ」
くつくつと笑いながら、彼は眠そうな顔で寝返りを打った。気持ちよさそうに目を細め、あなたを腕の中に誘う。
「ヴィクトル⋯⋯っ」
「うん? おはよう。名無しちゃん」
前髪に優しくキスを降らされた。
あなたは独り言を聞かれたかもという恥ずかしさを無かったことにする。
かわりに彼は機嫌よく目を覚まし、半裸を起こした。
ふわふわの布団の下で、あぐらをかいてあなたを見つめている。
「あの⋯起こしてごめんね。もう少し寝てたかったよね」
「いいや、名無しちゃんに早く会いたかったから嬉しいよ」
まだ寝ぼけてるのか、ぱちっとウインクして彼は頬に手を伸ばしてくる。指先の感触だけで昨夜を思い出してしまい、あなたは言葉少なくなった。
「どうしたんだい? ふふっ。君は朝になると、俺のこと忘れちゃったのかな?っていうぐらい、腰引けてるよね。⋯⋯もしかして、昨日の良くなかった?」
「違うよ!」
あなたは焦って否定する。
そんなわけがない。あの瞬間をひとつひとつ辿るだけで体が火照ってくるというのに。
ヴィクトルに勘違いされたくなかったため、あなたは思いきって身を寄せる。
「んっ?」
「ヴィクトルとしたこと⋯⋯すごく気持ちよかったよ」
そう言って彼の頬にちゅっとキスをした。
「⋯⋯本当に? ううん、君は俺を舞い上がらせるのが上手いな、名無しちゃん」
彼は癒されたように微笑みを浮かべる。
お礼として返ってきたのは、唇への熱いキスだ。
「んっ」
「⋯⋯あぁ。本当にこのままがいい。起きたくないなあ」
上半身裸の彼に抱き込まれると、あなたはじたばたともがいた。
「ヴィクトル、用意しないと⋯⋯っ」
「うーん、そうだな。ひげ剃るか。ごめん、今当たって痛かったでしょ」
苦笑した彼は、まだ名残惜しそうだったが朝の準備に取りかかることにした。
ヴィクトルは普段八時に出勤し、あなたはブティックの勤務が十時からでゆっくりだ。
こうして朝を過ごすのは二回目だが、新鮮で嬉しくなった。
あなたは、洗面所で顎にフォームをつけ真剣に髭を剃っている彼をのぞいた。
なんだか部屋の中でも、彼のことが気になった。
今更だけど、どんな人なのかもっと知りたくなる。
すると彼はくるっと振り返り、終わった肌を擦りながら尋ねた。
「名無しちゃん。体は大丈夫?」
「えっ⋯⋯体?」
「そう。腰のあたり」
すぐには分からなかったけど、ヴィクトルの意味深な目つきにあなたは赤くなった。
「大丈夫だよ。少し違和感はあるけど、ちゃんと動ける。ヴィクトルが気をつけてくれたから」
あなたは恥じらいながら彼の正面に立ち、「ありがとう」と言って抱きついた。
ヴィクトルは一瞬驚いたようだが、すぐにあなたを抱えて嬉しそうに微笑んでくる。
「それはよかった。でも礼を言う事じゃないけどね。俺も君を抱きたかったんだから」
ストレートに言われて視線が彷徨ってしまった。彼に対し、好きな気持ちがわく。本気になったりしたらダメだとわかっているけれど。
「ヴィクトル⋯」
「ん? ⋯⋯どうしたの?」
彼は期待ににじむ甘い声音で尋ねたが、あなたはこんなことを言った。
「その⋯⋯しばらくしなかったら、塞がっちゃうかな?」
彼は一瞬考えたように目を丸くしたが、いきなり吹き出す。
「はっはっは!」
「もう! どうして笑うの?」
本気ではないけど憤慨するあなたの珍しい怒り顔に、彼は焦ったようだ。手を下ろしてぎゅっと抱きしめてくる。
「そうだな、いやごめん。笑い事じゃない。あまりに可愛らしく思えて――。ああ許してくれ。そうだよね、不安に思うのも無理はないさ。でも大丈夫、塞がったりはしないよ」
「⋯⋯本当?」
「うん。まあ俺は医者じゃないから、大きなことは言えないけれどね。一度出来たら、もう大丈夫だと思うよ。⋯⋯それとも毎日する?」
彼は問いをわざと甘い囁きにのせてきた。
あなたは言葉が引っ込んでしまい、細かに首をふる。
「なんだ、残念だな。誘ってくれたのかと思ったのに」
「誘ってないってばっ」
意思とは反対に素直になれなかった。本当のセックスの経験がなさすぎて、この大人な男性にどう反応していいか混乱する。
きっと、からかってるだけだろうし。
彼は困っている自分を助けてくれただけなのだからと。
そんなことを考え出すと、あなたは元彼のことが頭をよぎった。
だんだんと気持ちが重くなってくる。
そんなあなたの表情の変化に、ヴィクトルも気がかりな様子だった。
「名無しちゃん。昨日のことなんだけど⋯⋯聞いてもいいかな、お家で何かあったのか。君は前の彼氏と暮らしていたんだよね?」
核心を突かれて、鼓動が速くなっていく。
あなたはためらいがちに認めた。
「そうなんだ。昨日家に服を取りに帰ったら、まだ彼がいて。知らない女の人もいた⋯⋯それで、言い合いになって⋯⋯落ち込んで」
あなたは恥ずかしさや情けなさから、マティアスに言われたことを明かせなかった。
深く傷ついたが、どうしようもない事実だったからだ。
それに、ヴィクトルにはまったく関係のないことで、彼は優しい人だし、こんな問題に巻き込まなくていいと思った。
しかしヴィクトルは、話を聞いて大体の予想がついたようだ。
彼は普段なるべく愛想のよい表情を浮かべているが、今だけは、不快感で眉根を寄せていた。
「どうしようもない奴だな、そいつは。名無しちゃん。俺は、君にしばらく帰るのはやめて、ここにいてほしいと思ってる」
彼は真剣に手を握って伝えてきた。
「あ⋯⋯でも、迷惑だよ。この何日も、お世話になっちゃってるし」
「迷惑なわけないでしょう? 俺は別に何もしてないよ。君に安全なところにいて欲しいだけなんだ」
あなたは彼の優しさが身に沁みていく。
ありがたいし、本当はヴィクトルとずっと一緒にいたい。
甘えて、飛び込んでしまいたい。
でも、もうすでにたくさんのものをくれたのに、あまりに都合がいい気がした。
「⋯⋯ああ、そんな顔しないで。今迷ってるだろう。すごく人に気を使う子だって、段々分かってきたよ」
「えっ?」
あなたは指摘されて、ぱっと顔を上げる。
彼のほうこそ、なんだか迷いのある、苦悩に満ちた顔つきであなたを見つめていた。
「正直に言うと、俺はそいつに君を会わせたくない。これは俺の勝手な思いだよ。でも、そんな最低な男のもとになんか行かないでくれ、名無しちゃん」
彼はまだ言い足りなさそうだったが、譲れないという思いをにじませた意固地な表情で、あなたに乞い願う。
「ね、約束して。どうしても一度帰るなら、俺も一緒に行くからさ。一人で行っちゃだめだ。車で送るから」
「⋯⋯うう、でも⋯⋯」
「頼む。お願いだよ名無しちゃん」
彼の瞳は水面下で燃え上がっていた。静かな怒りを制御しているように。
「わかったよ。でも本当にいいの? 明後日、帰ろうと思ったんだ。彼が⋯⋯マティアスが定期的な飲み会の日で、絶対にいないから。⋯⋯でも、ヴィクトルが一緒に来てくれるなら、一応車の中で待っててほしいな。そうしたら万が一でも会わないだろうし」
あなたは本気で考えてくれている彼に、誠心誠意説明した。
本当に、あの男にだけは、ヴィクトルを会わせたくない。
昨日の様子だと、逆上して何を言い出すか分からないからだ。
「そう⋯⋯わかった。じゃあそうしよう。俺のお願い聞いてくれてありがとうね」
「ううん。お礼を言うのは私のほうだよ。⋯⋯ありがとう、ヴィクトル。心配かけてごめんね」
彼はあなたをほっとした様子で抱きしめたあと、首をふって更に安心させようとしていた。
