美オヤジを誘って囲われて救われる話
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「うわっ!! お前、なんでいるんだよっ!」
奥から現れたのは、トランクスだけの半裸姿に急いでTシャツを着ようとする男だ。
細マッチョで耳にピアスが並ぶ彼は、舌打ちをして寝癖のついた金髪を掻き乱した。
彼の名はマティアス。四日前に別れを告げた、同い年の元恋人だ。
あなたが言葉を失っていると、廊下の奥から女性が出てくる。
「帰ってこないって言ったじゃん!」
彼女は怒りながら慌ててコートを着込み、あなたのことを引きつった表情で見やって去っていった。
あなたはようやく震える口を開く。
「⋯⋯なんでまだいるの。荷物まとめてって言ったよね。ここ私の家なんだけど」
「いや、そんなすぐ出て行けなくね? つうか俺らまだ別れてねえだろ? お前が勝手に家出しただけだし」
「出てってよ!! 信じられない、なんでここでそういうことするの!?」
あなたは傷ついて涙があふれてくる。
浮気現場を見たからではない。彼への思いはもうほとんどなくなっている。
でも半年だけではあるが、最初はここで二人、希望をもって仲良く生活していたのだ。
そのひとときの思い出すらも汚された気がして、どうしようもなく打ちのめされた。
歯を食いしばって立ち尽くすあなたに、マティアスは追い打ちをかける。
「だって仕方ねえじゃん。何回やってもお前出来ねえんだから。浮気されても文句言えないだろ? こんぐらい許せよ。別に本気じゃねえからさあ⋯⋯なぁ」
こちらに近づいてきて、彼はにやけ面を浮かべる。
あなたは拳を握り、わなわなと震えた。
全身に目眩がして喚き散らしてやろうかと思ったが、情けない思いがまた涙としてあふれた。
「泣き虫。⋯⋯泣くなよ。俺だってお前のこと好きだよ? 一番はお前だって、名無し。ずっと一緒だっただろ、いつも⋯⋯」
甘い声音でマティアスの手が伸びてくる。
あなたは長い髪に触れられそうになり、その手を払いのけた。
そしてぐっと睨みつける。
「触らないで。早くここから出てって⋯⋯ッ」
「いやだ。お前が帰るまで待ってるから。なあ早く帰ってこいよ、俺家事出来ないの知ってるよな」
軽くぼやきながら話すこの大学生の男は、まるで相手の気持ちを無視している。
長い付き合いで結局は許されると思っているのだろうか。
「⋯⋯じゃあいいよ。私は帰らないから」
「は? お前行くとこないだろ? どこにいんだよ――」
あなたは踵を返し、掴まれそうになった腕を無視して出ていった。
階段を駆け下り、息をきらしてアパートから立ち去っていく。
「⋯⋯うっ、ううっ」
路地の光を一つ一つ通り過ぎていくと、涙で頬が濡れていった。
悔しくてたまらなくて、叫びたくなった。
自分がまともな体だったら、彼はあんなふうにならなかっただろうか。
もっと深く、心で結び合えたかもしれない。
だいたい、ずっとセックスできないのに一緒にいてくれたのに。
自分がそれにきちんと感謝できなかったから、こんな結果になったのか。
「全部自分のせいだ⋯⋯」
あなたは駅まで歩くが、だんだんと速度が落ちていく。
ヴィクトルに出会って、自分を変えられるかもと呑気にわくわくすらしていたことに、罪悪感がつのる。
あんなに優しい人を利用して。
「ごめんなさい⋯⋯」
あなたは顔を拭い、心の中で彼に謝罪した。
もう会うべきじゃないと思った。
ーーー
あなたは行く宛もなく、沿線上の駅のカフェバーにいた。もう夜中の十二時を過ぎている。
カウンターに背を丸めて座り、スマホを触る手をとめる。
ヴィクトルに一言謝りのメッセージを入れようかと思ったが、何も言わず別れたほうがいい気もした。
明日、カードキーはフロントに返せばいい。
そう決めて胸がずきずきと痛む。
彼は大人だからきっと自分が失礼なことをしても、許してくれるだろう。
勝手にそう願い、瞳をぼんやりさせた。
「もう一回、会いたかったな⋯⋯」
夢をさかのぼるように、あの素敵な年上男性の腕の中を思い出す。
やっぱり昨日、彼に抱かれていればよかった。無理矢理にでも頼み込んで、初めての人になってもらえばよかった。
「私って最低だ⋯⋯」
自分に呆れて、重いため息を吐いたときだった。
スマホに通知が現れる。
あなたはそれをじっと見て、すぐに理解が追いつかなかった。
メッセージの相手は、あのヴィクトルだったのだ。
奥から現れたのは、トランクスだけの半裸姿に急いでTシャツを着ようとする男だ。
細マッチョで耳にピアスが並ぶ彼は、舌打ちをして寝癖のついた金髪を掻き乱した。
彼の名はマティアス。四日前に別れを告げた、同い年の元恋人だ。
あなたが言葉を失っていると、廊下の奥から女性が出てくる。
「帰ってこないって言ったじゃん!」
彼女は怒りながら慌ててコートを着込み、あなたのことを引きつった表情で見やって去っていった。
あなたはようやく震える口を開く。
「⋯⋯なんでまだいるの。荷物まとめてって言ったよね。ここ私の家なんだけど」
「いや、そんなすぐ出て行けなくね? つうか俺らまだ別れてねえだろ? お前が勝手に家出しただけだし」
「出てってよ!! 信じられない、なんでここでそういうことするの!?」
あなたは傷ついて涙があふれてくる。
浮気現場を見たからではない。彼への思いはもうほとんどなくなっている。
でも半年だけではあるが、最初はここで二人、希望をもって仲良く生活していたのだ。
そのひとときの思い出すらも汚された気がして、どうしようもなく打ちのめされた。
歯を食いしばって立ち尽くすあなたに、マティアスは追い打ちをかける。
「だって仕方ねえじゃん。何回やってもお前出来ねえんだから。浮気されても文句言えないだろ? こんぐらい許せよ。別に本気じゃねえからさあ⋯⋯なぁ」
こちらに近づいてきて、彼はにやけ面を浮かべる。
あなたは拳を握り、わなわなと震えた。
全身に目眩がして喚き散らしてやろうかと思ったが、情けない思いがまた涙としてあふれた。
「泣き虫。⋯⋯泣くなよ。俺だってお前のこと好きだよ? 一番はお前だって、名無し。ずっと一緒だっただろ、いつも⋯⋯」
甘い声音でマティアスの手が伸びてくる。
あなたは長い髪に触れられそうになり、その手を払いのけた。
そしてぐっと睨みつける。
「触らないで。早くここから出てって⋯⋯ッ」
「いやだ。お前が帰るまで待ってるから。なあ早く帰ってこいよ、俺家事出来ないの知ってるよな」
軽くぼやきながら話すこの大学生の男は、まるで相手の気持ちを無視している。
長い付き合いで結局は許されると思っているのだろうか。
「⋯⋯じゃあいいよ。私は帰らないから」
「は? お前行くとこないだろ? どこにいんだよ――」
あなたは踵を返し、掴まれそうになった腕を無視して出ていった。
階段を駆け下り、息をきらしてアパートから立ち去っていく。
「⋯⋯うっ、ううっ」
路地の光を一つ一つ通り過ぎていくと、涙で頬が濡れていった。
悔しくてたまらなくて、叫びたくなった。
自分がまともな体だったら、彼はあんなふうにならなかっただろうか。
もっと深く、心で結び合えたかもしれない。
だいたい、ずっとセックスできないのに一緒にいてくれたのに。
自分がそれにきちんと感謝できなかったから、こんな結果になったのか。
「全部自分のせいだ⋯⋯」
あなたは駅まで歩くが、だんだんと速度が落ちていく。
ヴィクトルに出会って、自分を変えられるかもと呑気にわくわくすらしていたことに、罪悪感がつのる。
あんなに優しい人を利用して。
「ごめんなさい⋯⋯」
あなたは顔を拭い、心の中で彼に謝罪した。
もう会うべきじゃないと思った。
ーーー
あなたは行く宛もなく、沿線上の駅のカフェバーにいた。もう夜中の十二時を過ぎている。
カウンターに背を丸めて座り、スマホを触る手をとめる。
ヴィクトルに一言謝りのメッセージを入れようかと思ったが、何も言わず別れたほうがいい気もした。
明日、カードキーはフロントに返せばいい。
そう決めて胸がずきずきと痛む。
彼は大人だからきっと自分が失礼なことをしても、許してくれるだろう。
勝手にそう願い、瞳をぼんやりさせた。
「もう一回、会いたかったな⋯⋯」
夢をさかのぼるように、あの素敵な年上男性の腕の中を思い出す。
やっぱり昨日、彼に抱かれていればよかった。無理矢理にでも頼み込んで、初めての人になってもらえばよかった。
「私って最低だ⋯⋯」
自分に呆れて、重いため息を吐いたときだった。
スマホに通知が現れる。
あなたはそれをじっと見て、すぐに理解が追いつかなかった。
メッセージの相手は、あのヴィクトルだったのだ。
