美オヤジを誘って囲われて救われる話
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暗がりの中、あなたは彼と同じベッドにいた。
ホテルのガウンだけを羽織り、ヴィクトルの温かい胸元に手を置いている。
「ねえ。もう終わり?」
「⋯⋯参ったな。君は心を許すと、そんなふうに甘えてくるんだね」
彼は体をこちらに向けて、柔らかい眼差しで見つめてくる。
腕枕をされ、あなたはドキドキしながら身を寄せた。
「そんな物欲しそうな目で見られたら困るな。俺の忍耐が台無しになってしまうよ」
ヴィクトルは甘く瞳を細め、頬を指先で撫でてくる。
あなたはもう彼の虜だ。
しかし視線をくぎづけにする形よい口元は、こんなことを告げた。
「続きは明日にしようか。明日の夜になっても名無しちゃんがまだ俺としたいって思うなら、してあげるよ。だからまたここにおいで」
理路整然とした、気遣いのある提案にあなたはぽうっとする。
頷いてはみたものの、彼に触れたいと思う気持ちはまだ疼いていた。
「じゃあ、手でする? ヴィクトルはまだイッてないよね」
大人の男性に対してはあまりに子供っぽい提案だが、彼はくくっと面白そうに笑った。
「それはそそるなぁ。でも我慢できなくなりそうだからやめとこう。もう寝なさい、名無しちゃん。おやすみ」
急に先生のようにおしまいにされてドキドキする。
あなたは彼と離れがたくて、腕に指を絡ませて目を閉じた。
今日初めて会った人なのに、ずっと不思議な包容力に引き寄せられていた。
ーーー
翌朝になると彼は六時に起床して、あなたも一緒に目を覚ました。
ルームサービスの朝食を頼んでくれて、テーブルでもそもそと食べる。
「何から何まで、すみません⋯」
あなたがまだはっきりしない目元で呟くと、すでにパリッとしたクリーニング済みのスーツを着た彼は、驚いて見やる。
そして「わっはっは!」と朝から大きな声で笑った。
「なんだい? 急によそよそしくなって。⋯⋯悲しいな。俺とのこと、後悔したわけじゃないだろう?」
まだこんな時間なのに、ソファで大きな体を寄せてきて、じっと囁いてくる。
あなたは耳に灯る熱を振り払うように、小さく首を振った。
「ううん、してないよ」
また会いたいと思ってる――。
そう言いたかったけど、言えなかった。
昨日のずうずうしさが、キラキラした彼を前にして引っ込んでしまったようだ。
「⋯⋯そう? ふふ。帰ったら君がいるかどうか、楽しみだな」
ヴィクトルはまるで賭け事のように、さらりと述べた。
本心は分からないけれど、あくまで選択は自分自身なのだと、再認識させられた台詞だった。
それから二人は別れる。
ヴィクトルは仕事へ向かう際、あなたにカードキーを渡した。フロントへ伝えておくからここへ自由に入っていいと言ってくれたのだ。
そして必要なかったら、そのまま返してくれということなのだろう。
「⋯⋯はあ。私も準備しよう」
あなたは明るい光が差し込む高層階を見渡し、服を着替えた。一人でここにいると、より場違い感に包まれる。
彼は経営コンサルタントの会社で取締役をしているという。自分の身近な世界にはまったくいないような人だ。
今は仕事が忙しく、会社に徒歩で通えるこのホテルに滞在しているらしいが。
「いったい月いくらかかるんだろう。すごいなぁ⋯⋯」
高級な備品を眺めてため息をつく。
あなたは彼にも自分の仕事を伝えた。高校卒業後に服飾の専門学校に入り、そのあとはブティックで働いていると。
母の友人女性が経営する店に、雇ってもらっているのだ。
家族で懇意にしている人生の先輩のような人で、ゆくゆくは店を任せるなんてわりと本気で言われていた。
あなたはまだまだ経験を積むために邁進しているが、私生活では今みたいに悩みを抱えている。
もちろんそれは家族の誰も知らない。
見知らぬ中年男性と突発的なことをしたのも、知られれば大変なことになると分かっている。
自分も成人した社会人で、自己責任とはいえ。
それだけセックスがまともに出来ない悩みは大きく、切羽詰まっていたのだった。
ーーー
「お疲れ様でした」
「お疲れさま、名無しちゃん」
夜七時になり、あなたはブティックの店じまいを他のスタッフとした。
これから彼のホテルに向かい、会えることになるかもしれないと気持ちが浮き立つ。
一応メッセージアプリのIDを交換したが、ヴィクトルは多忙な人だし何も送っていない。
そもそも、彼は彼で心変わりしたかもしれない。
面倒だから帰れと追い返されても、何もおかしくなかった。
色々な覚悟をして、ひとまず部屋に行ってみようと考えていた。
でもその前に、自宅に服を取りに行かなければ。
帰宅するのは四日ぶりだけど、ブティック用の服は普段着よりも大人っぽく上質で、この店で仕入れたものである。
あなたは電車に乗り、二十分ほどの距離を揺られる。そうして駅から重い足取りでアパートに着いた。
石造りの古い建物だが大きく、立派な外観だ。
「出て行ってって言ったから、もういないよね――」
階段を上り、緊張しながら自宅の鍵を開ける。
すると目を疑うものを発見した。
玄関口にあったのは、知らない女物のパンプスだった。
ホテルのガウンだけを羽織り、ヴィクトルの温かい胸元に手を置いている。
「ねえ。もう終わり?」
「⋯⋯参ったな。君は心を許すと、そんなふうに甘えてくるんだね」
彼は体をこちらに向けて、柔らかい眼差しで見つめてくる。
腕枕をされ、あなたはドキドキしながら身を寄せた。
「そんな物欲しそうな目で見られたら困るな。俺の忍耐が台無しになってしまうよ」
ヴィクトルは甘く瞳を細め、頬を指先で撫でてくる。
あなたはもう彼の虜だ。
しかし視線をくぎづけにする形よい口元は、こんなことを告げた。
「続きは明日にしようか。明日の夜になっても名無しちゃんがまだ俺としたいって思うなら、してあげるよ。だからまたここにおいで」
理路整然とした、気遣いのある提案にあなたはぽうっとする。
頷いてはみたものの、彼に触れたいと思う気持ちはまだ疼いていた。
「じゃあ、手でする? ヴィクトルはまだイッてないよね」
大人の男性に対してはあまりに子供っぽい提案だが、彼はくくっと面白そうに笑った。
「それはそそるなぁ。でも我慢できなくなりそうだからやめとこう。もう寝なさい、名無しちゃん。おやすみ」
急に先生のようにおしまいにされてドキドキする。
あなたは彼と離れがたくて、腕に指を絡ませて目を閉じた。
今日初めて会った人なのに、ずっと不思議な包容力に引き寄せられていた。
ーーー
翌朝になると彼は六時に起床して、あなたも一緒に目を覚ました。
ルームサービスの朝食を頼んでくれて、テーブルでもそもそと食べる。
「何から何まで、すみません⋯」
あなたがまだはっきりしない目元で呟くと、すでにパリッとしたクリーニング済みのスーツを着た彼は、驚いて見やる。
そして「わっはっは!」と朝から大きな声で笑った。
「なんだい? 急によそよそしくなって。⋯⋯悲しいな。俺とのこと、後悔したわけじゃないだろう?」
まだこんな時間なのに、ソファで大きな体を寄せてきて、じっと囁いてくる。
あなたは耳に灯る熱を振り払うように、小さく首を振った。
「ううん、してないよ」
また会いたいと思ってる――。
そう言いたかったけど、言えなかった。
昨日のずうずうしさが、キラキラした彼を前にして引っ込んでしまったようだ。
「⋯⋯そう? ふふ。帰ったら君がいるかどうか、楽しみだな」
ヴィクトルはまるで賭け事のように、さらりと述べた。
本心は分からないけれど、あくまで選択は自分自身なのだと、再認識させられた台詞だった。
それから二人は別れる。
ヴィクトルは仕事へ向かう際、あなたにカードキーを渡した。フロントへ伝えておくからここへ自由に入っていいと言ってくれたのだ。
そして必要なかったら、そのまま返してくれということなのだろう。
「⋯⋯はあ。私も準備しよう」
あなたは明るい光が差し込む高層階を見渡し、服を着替えた。一人でここにいると、より場違い感に包まれる。
彼は経営コンサルタントの会社で取締役をしているという。自分の身近な世界にはまったくいないような人だ。
今は仕事が忙しく、会社に徒歩で通えるこのホテルに滞在しているらしいが。
「いったい月いくらかかるんだろう。すごいなぁ⋯⋯」
高級な備品を眺めてため息をつく。
あなたは彼にも自分の仕事を伝えた。高校卒業後に服飾の専門学校に入り、そのあとはブティックで働いていると。
母の友人女性が経営する店に、雇ってもらっているのだ。
家族で懇意にしている人生の先輩のような人で、ゆくゆくは店を任せるなんてわりと本気で言われていた。
あなたはまだまだ経験を積むために邁進しているが、私生活では今みたいに悩みを抱えている。
もちろんそれは家族の誰も知らない。
見知らぬ中年男性と突発的なことをしたのも、知られれば大変なことになると分かっている。
自分も成人した社会人で、自己責任とはいえ。
それだけセックスがまともに出来ない悩みは大きく、切羽詰まっていたのだった。
ーーー
「お疲れ様でした」
「お疲れさま、名無しちゃん」
夜七時になり、あなたはブティックの店じまいを他のスタッフとした。
これから彼のホテルに向かい、会えることになるかもしれないと気持ちが浮き立つ。
一応メッセージアプリのIDを交換したが、ヴィクトルは多忙な人だし何も送っていない。
そもそも、彼は彼で心変わりしたかもしれない。
面倒だから帰れと追い返されても、何もおかしくなかった。
色々な覚悟をして、ひとまず部屋に行ってみようと考えていた。
でもその前に、自宅に服を取りに行かなければ。
帰宅するのは四日ぶりだけど、ブティック用の服は普段着よりも大人っぽく上質で、この店で仕入れたものである。
あなたは電車に乗り、二十分ほどの距離を揺られる。そうして駅から重い足取りでアパートに着いた。
石造りの古い建物だが大きく、立派な外観だ。
「出て行ってって言ったから、もういないよね――」
階段を上り、緊張しながら自宅の鍵を開ける。
すると目を疑うものを発見した。
玄関口にあったのは、知らない女物のパンプスだった。
