美オヤジを誘って囲われて救われる話
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12月に入り、あなたは親友のセリアと会った。
互いの彼氏へのクリスマスプレゼントを買いに行き、そのあとは喫茶店で久々にお喋りをしている。
「――でさ、先週はほんとに色んなことがあったよ」
「ひえ〜。まさか彼氏の母親にいきなり出くわすとはね。よく切り抜けたね名無し。いい人そうでよかったねぇ、奇跡だよあんた」
パフェを頬張りながら眼鏡の瞳を大きくして言ってくる。あなたもしみじみと頷いた。
「それよりも前の話のほうが気になるんだけど。まさかヴィクトルさんが結婚意識してたなんて。ねえどうすんのよ」
じぃっと怪しい目つきで見つめられ、こちらの背が自然と張ってしまった。
「いやどうするって……ていうかセリアちゃん、あんまり驚いてなくない? そんなビッグニュースじゃなかった? ハハ」
「いやビッグすぎるでしょ。うちらまだ22だよ? でもさ、彼を見てたら名無しに夢中って感じだったもんね。だから不思議ではないというか」
冷静な探偵のような顔つきで断言される。あなたは答えあぐねてしまった。
「そうかなぁ……嬉し過ぎて毎日時々ニヤけるけどさ、反面私でいいのかなって我に返るときもあって。というかまだ確認したわけでもないし、今すぐとかじゃないだろうし…」
「あぁもうじれったいな! 聞けばいいじゃん、ねぇうちらいつ結婚するのぉ?ヴィクトルぅ〜ってさ。こう酔った勢いでしなだれかかって」
「ちょっと冗談にしないでよ! セリアちゃんじゃないんだから」
二人はふざけあったあとに笑い出した。こんなやり取りは長年連れ添った女同士でしか出来ない。
「…はぁだめだ、絶対聞けない。勇気がないよ」
「あのね。そんなことでほんとに結婚出来るの? 結婚っておとぎ話じゃないんだから。不幸とか金とか浮気とかうじゃうじゃ付きまとってくる現実だよ? それらを乗り越える覚悟あんの名無しに」
「……え…」
思わず口元がひくつく。
確かに親友の言う通りだ。楽しいことばかりじゃないかもしれないし、自分の親を見てもわかるが、これから大変なことを一緒に乗り越えられるかどうかが大事なのだろう。
「セリアちゃんは現実的ですごいなぁ。ねえ、エリックさんとまだ付き合ってそんなに時間は経ってないけどさ、考えたことある? 将来のこととか…」
気になって二人の関係を尋ねてみた。前にヴィクトルも含めて四人で会ったことがあるが、親友の彼はとてもきちんとした好青年の印象が鮮明である。
しかしセリアは一見適当で感情豊か、刹那的な劇団員に思えるが意外にも現実主義なのだ。
「いやまだないね。そりゃさ、凄く好きだし気が合うし、長く付き合いたいなとは思うけど。お互いまだ若くて仕事もあるじゃん? 私は劇団員としてはこれからだから。それに、エリックはレストランの仕事大事にしてるからね。継ぐのはお兄さんみたいだけど」
つらつらと語り始めるセリアの表情は真面目で、彼女も慎重に考えているのが伝わった。
「そうだよね。結婚したらお互いの生活がどう変わるかも二人で話し合わないといけないもんね。住む場所とかお金とか」
「そうだよ! 名無しはどうするの? 希望とかあるの?」
「……うーん……まだよく考えてないや」
「はは。まぁそこらへんは彼と決めればいいっしょ。だってこっちの気持ちも相手は気づいてないんだからさ」
セリアはからっとした笑みを向けてくれて、いつも不安になりやすいあなたの肩をぽんと叩き、パフェのスプーンを一口向けてきた。
好きなチョコケーキの部分をあなたは口に入れて受け取り、ごくっと飲み込んだ。
「うん。まず話してみよっかな。少しずつ。ええと、来年あたりに」
「おそっ。もうすぐ名無しの誕生日じゃん。彼氏が盛大にお祝いしてくれるんだよね? 旅行いいなぁ〜。そこで聞いちゃいなよ」
色っぽく目配せされて、あなたは頬を緩めた。
実はその通りで、なんと来週にはヴィクトルとの一泊旅行が予定されている。
彼があなたの希望を聞いて、プランを作ってくれたのだ。
「ほんとに優しい人だよ……楽しみだけどドキドキする……緊張してきたよ…!」
「おいおい。ずっとホテル暮らしだったくせにまだ緊張してんの。まぁでも分かるわ、大人だもんなぁ〜ヴィクトルさん。ものすごい気合い入ってそう。倒れんなよ名無し」
彼女に男らしく発破をかけられて一瞬圧倒されたが、誕生日については彼にも任せてくれと言われたので素直に甘えようとしている。
「あ、それでさ。ひとつ気になる話がまだあってね…」
あなたはこの機会に、先週の日曜のケーキ店で起こったことも話題にした。
ちょっとした出来事かもしれないが、未だに心にひっかかっていたのだ。
話を聞いたゴシップ好きのセリアは、目を見開き訝しげな顔になった。
「はぁぁ? なにその女。うっざいねぇ〜。ヴィクトルさんのファンなの? 許さないんだから!」
「ちょ、ちょっと。急に芝居がからないでよ。…まぁただの勘違いかもしれないけどさ」
「なわけないでしょ。はっきり睨みつけられたんだから。名無しのことが気に食わないんだよ。ははっ、ざまぁみろ! もっと彼との仲を見せつけてやればよかったのに。あっそうだ、クリスマス会行くんでしょ? 私も加勢しようか?」
「はぁっ? 無理だよ、さすがに友達までは!」
どんどん興奮して盛り上がっていくセリアをなだめつつ、一方でやっぱりあの人の態度は気にしてもおかしくないレベルだよね、と次第に納得が募っていった。
「パーティーか…どうしようかな。前は絶対無理だと思ったけど、なんか気になるんだよね。ヴィクトルの仕事場での雰囲気とか、ああいう女性たち多いのかな、とかさ」
もちろん皆が皆そんな気持ちを持ち込んでるなんて偏見を持つつもりはないし、オフィスで働いたことのない自分が勝手にイメージを抱いていいとも思わない。
でも、恋人のヴィクトルの周辺事情が少し気になるようになってしまった。
「不純な動機だよね。でもなんかはっきりさせたくて。やっぱり行こうかな。彼がいいって言ったら」
「いいじゃんいいじゃん、面白そう! どっちにしろ結婚したら会社の人達と関わるようになるんでしょ? 幹部同士の奥様会とかあったりして。面倒くせぇ〜」
昼なのに酔った感じで絡んでくる親友に呆れる。
でも彼女みたいにあっけらかんとした気持ちで関わってみるぐらいが、ちょうどいいのかもしれない。
「……よしっ。セリアちゃんありがとう! 自分でも信じられないけど、突撃してみようかな。なんか燃えて来たよ! だってさ、どう思われても仕方ないし、私だってヴィクトルのこと本気だし。将来を考えたらパーティーだっていつか参加することになるかもしれないもんね!」
「そうそう、その意気! あ、イケメンいたら教えて! 高収入美形多そう〜!」
「あんた彼氏いるでしょ!」
鋭くツッコミながら、こうして二人だけの女子会はお開きになった。
親友と話したあとは楽しい気分に包まれるだけでなく、いつも心がすっきり軽やかになっているからありがたい。
カフェから出たあと外は暗く、もうイルミネーションが灯り始めていた。
二人で寒空の中騒がしく歩いていくと、セリアが突然立ち止まってあなたの腕を掴んだ。
買い物袋が跳ねて驚くが、彼女の「ねえあれ!」という鬼気迫った声に、同じ方向を見やる。
すると大通りの信号付近に、ある人物が立っていた。
それは元彼のマティアスだった。
金髪が目立つ彼はポケットに手を突っ込んだいつものチャラい風貌だったが、正面には女性がいた。口論しているようだ。
「誰あの女、知ってる?」
「ううん、知らない」
二人は遠くから建物の影に隠れて様子を伺った。
すると女性はマティアスの頬を思い切り叩いた。何やら吐き捨ててその場から去っていく。
彼も文句を口走っていたが、こちらに振り向いて歩き出そうとしたので、あなたとセリアは素早く店の影に入ってしゃがみこんだ。
「やばっ、見えてないよね」
「大丈夫、あっ行ったわ」
親友の声にほっとして、しばらくしてその場から出た。
元彼の姿と声を久々に聞いて、心臓がドクドクと鳴ってくる。
別に必要以上に恐れてはいないが、もう会いたくはなかった。
「なんなのあいつ、相変わらずだね。馬鹿じゃん、女に引っ叩かれて」
「……ね。変わってないな」
それ以上言葉も出なかった。
マティアスは見た目がいいし一見優しくとっつきやすいため、女性にはモテる。
だが慣れると相手にぞんざいだったり浮ついた性格のため、彼の行く末は想像が出来た。
「じゃあ行こっか、セリアちゃん」
「うん。……ねえちょっとやめてよその亡霊みたいな顔。もうあんたには関係ない男なんだからさ。何かあったら私がぶん殴ってやるから。ねっ?」
「……うん、ありがとう。私も今度は自分でぶん殴れるよ」
わりと真顔で言うとセリアは吹き出した。
彼女の笑顔を見て、少しだけあなたも元気が出てくる。
そして同時に浮かんだのは当然ヴィクトルのことだ。
元彼に本気で怒ってくれた彼の真剣な表情は、忘れられないものだった。
だからこそ、あなたは過去よりも今の大事な人々との時間を大切に前に進みたかったし、そうするつもりだった。
互いの彼氏へのクリスマスプレゼントを買いに行き、そのあとは喫茶店で久々にお喋りをしている。
「――でさ、先週はほんとに色んなことがあったよ」
「ひえ〜。まさか彼氏の母親にいきなり出くわすとはね。よく切り抜けたね名無し。いい人そうでよかったねぇ、奇跡だよあんた」
パフェを頬張りながら眼鏡の瞳を大きくして言ってくる。あなたもしみじみと頷いた。
「それよりも前の話のほうが気になるんだけど。まさかヴィクトルさんが結婚意識してたなんて。ねえどうすんのよ」
じぃっと怪しい目つきで見つめられ、こちらの背が自然と張ってしまった。
「いやどうするって……ていうかセリアちゃん、あんまり驚いてなくない? そんなビッグニュースじゃなかった? ハハ」
「いやビッグすぎるでしょ。うちらまだ22だよ? でもさ、彼を見てたら名無しに夢中って感じだったもんね。だから不思議ではないというか」
冷静な探偵のような顔つきで断言される。あなたは答えあぐねてしまった。
「そうかなぁ……嬉し過ぎて毎日時々ニヤけるけどさ、反面私でいいのかなって我に返るときもあって。というかまだ確認したわけでもないし、今すぐとかじゃないだろうし…」
「あぁもうじれったいな! 聞けばいいじゃん、ねぇうちらいつ結婚するのぉ?ヴィクトルぅ〜ってさ。こう酔った勢いでしなだれかかって」
「ちょっと冗談にしないでよ! セリアちゃんじゃないんだから」
二人はふざけあったあとに笑い出した。こんなやり取りは長年連れ添った女同士でしか出来ない。
「…はぁだめだ、絶対聞けない。勇気がないよ」
「あのね。そんなことでほんとに結婚出来るの? 結婚っておとぎ話じゃないんだから。不幸とか金とか浮気とかうじゃうじゃ付きまとってくる現実だよ? それらを乗り越える覚悟あんの名無しに」
「……え…」
思わず口元がひくつく。
確かに親友の言う通りだ。楽しいことばかりじゃないかもしれないし、自分の親を見てもわかるが、これから大変なことを一緒に乗り越えられるかどうかが大事なのだろう。
「セリアちゃんは現実的ですごいなぁ。ねえ、エリックさんとまだ付き合ってそんなに時間は経ってないけどさ、考えたことある? 将来のこととか…」
気になって二人の関係を尋ねてみた。前にヴィクトルも含めて四人で会ったことがあるが、親友の彼はとてもきちんとした好青年の印象が鮮明である。
しかしセリアは一見適当で感情豊か、刹那的な劇団員に思えるが意外にも現実主義なのだ。
「いやまだないね。そりゃさ、凄く好きだし気が合うし、長く付き合いたいなとは思うけど。お互いまだ若くて仕事もあるじゃん? 私は劇団員としてはこれからだから。それに、エリックはレストランの仕事大事にしてるからね。継ぐのはお兄さんみたいだけど」
つらつらと語り始めるセリアの表情は真面目で、彼女も慎重に考えているのが伝わった。
「そうだよね。結婚したらお互いの生活がどう変わるかも二人で話し合わないといけないもんね。住む場所とかお金とか」
「そうだよ! 名無しはどうするの? 希望とかあるの?」
「……うーん……まだよく考えてないや」
「はは。まぁそこらへんは彼と決めればいいっしょ。だってこっちの気持ちも相手は気づいてないんだからさ」
セリアはからっとした笑みを向けてくれて、いつも不安になりやすいあなたの肩をぽんと叩き、パフェのスプーンを一口向けてきた。
好きなチョコケーキの部分をあなたは口に入れて受け取り、ごくっと飲み込んだ。
「うん。まず話してみよっかな。少しずつ。ええと、来年あたりに」
「おそっ。もうすぐ名無しの誕生日じゃん。彼氏が盛大にお祝いしてくれるんだよね? 旅行いいなぁ〜。そこで聞いちゃいなよ」
色っぽく目配せされて、あなたは頬を緩めた。
実はその通りで、なんと来週にはヴィクトルとの一泊旅行が予定されている。
彼があなたの希望を聞いて、プランを作ってくれたのだ。
「ほんとに優しい人だよ……楽しみだけどドキドキする……緊張してきたよ…!」
「おいおい。ずっとホテル暮らしだったくせにまだ緊張してんの。まぁでも分かるわ、大人だもんなぁ〜ヴィクトルさん。ものすごい気合い入ってそう。倒れんなよ名無し」
彼女に男らしく発破をかけられて一瞬圧倒されたが、誕生日については彼にも任せてくれと言われたので素直に甘えようとしている。
「あ、それでさ。ひとつ気になる話がまだあってね…」
あなたはこの機会に、先週の日曜のケーキ店で起こったことも話題にした。
ちょっとした出来事かもしれないが、未だに心にひっかかっていたのだ。
話を聞いたゴシップ好きのセリアは、目を見開き訝しげな顔になった。
「はぁぁ? なにその女。うっざいねぇ〜。ヴィクトルさんのファンなの? 許さないんだから!」
「ちょ、ちょっと。急に芝居がからないでよ。…まぁただの勘違いかもしれないけどさ」
「なわけないでしょ。はっきり睨みつけられたんだから。名無しのことが気に食わないんだよ。ははっ、ざまぁみろ! もっと彼との仲を見せつけてやればよかったのに。あっそうだ、クリスマス会行くんでしょ? 私も加勢しようか?」
「はぁっ? 無理だよ、さすがに友達までは!」
どんどん興奮して盛り上がっていくセリアをなだめつつ、一方でやっぱりあの人の態度は気にしてもおかしくないレベルだよね、と次第に納得が募っていった。
「パーティーか…どうしようかな。前は絶対無理だと思ったけど、なんか気になるんだよね。ヴィクトルの仕事場での雰囲気とか、ああいう女性たち多いのかな、とかさ」
もちろん皆が皆そんな気持ちを持ち込んでるなんて偏見を持つつもりはないし、オフィスで働いたことのない自分が勝手にイメージを抱いていいとも思わない。
でも、恋人のヴィクトルの周辺事情が少し気になるようになってしまった。
「不純な動機だよね。でもなんかはっきりさせたくて。やっぱり行こうかな。彼がいいって言ったら」
「いいじゃんいいじゃん、面白そう! どっちにしろ結婚したら会社の人達と関わるようになるんでしょ? 幹部同士の奥様会とかあったりして。面倒くせぇ〜」
昼なのに酔った感じで絡んでくる親友に呆れる。
でも彼女みたいにあっけらかんとした気持ちで関わってみるぐらいが、ちょうどいいのかもしれない。
「……よしっ。セリアちゃんありがとう! 自分でも信じられないけど、突撃してみようかな。なんか燃えて来たよ! だってさ、どう思われても仕方ないし、私だってヴィクトルのこと本気だし。将来を考えたらパーティーだっていつか参加することになるかもしれないもんね!」
「そうそう、その意気! あ、イケメンいたら教えて! 高収入美形多そう〜!」
「あんた彼氏いるでしょ!」
鋭くツッコミながら、こうして二人だけの女子会はお開きになった。
親友と話したあとは楽しい気分に包まれるだけでなく、いつも心がすっきり軽やかになっているからありがたい。
カフェから出たあと外は暗く、もうイルミネーションが灯り始めていた。
二人で寒空の中騒がしく歩いていくと、セリアが突然立ち止まってあなたの腕を掴んだ。
買い物袋が跳ねて驚くが、彼女の「ねえあれ!」という鬼気迫った声に、同じ方向を見やる。
すると大通りの信号付近に、ある人物が立っていた。
それは元彼のマティアスだった。
金髪が目立つ彼はポケットに手を突っ込んだいつものチャラい風貌だったが、正面には女性がいた。口論しているようだ。
「誰あの女、知ってる?」
「ううん、知らない」
二人は遠くから建物の影に隠れて様子を伺った。
すると女性はマティアスの頬を思い切り叩いた。何やら吐き捨ててその場から去っていく。
彼も文句を口走っていたが、こちらに振り向いて歩き出そうとしたので、あなたとセリアは素早く店の影に入ってしゃがみこんだ。
「やばっ、見えてないよね」
「大丈夫、あっ行ったわ」
親友の声にほっとして、しばらくしてその場から出た。
元彼の姿と声を久々に聞いて、心臓がドクドクと鳴ってくる。
別に必要以上に恐れてはいないが、もう会いたくはなかった。
「なんなのあいつ、相変わらずだね。馬鹿じゃん、女に引っ叩かれて」
「……ね。変わってないな」
それ以上言葉も出なかった。
マティアスは見た目がいいし一見優しくとっつきやすいため、女性にはモテる。
だが慣れると相手にぞんざいだったり浮ついた性格のため、彼の行く末は想像が出来た。
「じゃあ行こっか、セリアちゃん」
「うん。……ねえちょっとやめてよその亡霊みたいな顔。もうあんたには関係ない男なんだからさ。何かあったら私がぶん殴ってやるから。ねっ?」
「……うん、ありがとう。私も今度は自分でぶん殴れるよ」
わりと真顔で言うとセリアは吹き出した。
彼女の笑顔を見て、少しだけあなたも元気が出てくる。
そして同時に浮かんだのは当然ヴィクトルのことだ。
元彼に本気で怒ってくれた彼の真剣な表情は、忘れられないものだった。
だからこそ、あなたは過去よりも今の大事な人々との時間を大切に前に進みたかったし、そうするつもりだった。
