美オヤジを誘って囲われて救われる話
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ヴィクトルは夜九時ごろに帰ってきた。あなたは満面の笑みで迎え、彼の周りにまとわりつく。
「ねえねえ、お仕事お疲れ様」
「ありがとう。名無しちゃんは大丈夫だった?」
帰宅して表情が安らいでいる彼は、リビングでスーツの上着を脱いで尋ねる。
「うん、全然大丈夫! ご飯食べる?」
「いただこうかな。ありがとう、楽しみだな。家に帰るのもずっと待ちきれなかったよ」
「私もだよ。へへ」
ヴィクトルが着替えた後、二人は食卓で夕食を取った。今日は大きなステーキで付け合わせも盛り付けも、まるで記念日のように豪華になった気がする。
「美味い! いつも美味しいけど、今日は特にすごいな」
「そうかな。気合い入っちゃった」
あなたは胸の奥がずっとそわそわしていた。いつ切り出そうかと。
でも早くした方がいいかとも思った。もしかしたら彼はお母さんに連絡するかもしれないし、もう結構遅い時間になってしまったからだ。
「あのね。今日すごいことがあったんだ」
「ん? 何?」
「実はヴィクトルのお母さんに会っちゃったの」
「⋯⋯えっ? どういうこと?」
彼は飲み物を持つ手を止めて目が点になっていた。こんな油断した表情は珍しい。あなたの口から母という言葉が出たことに仰天したのだろう。
「ちょ、ちょっと待って説明して。俺のお袋に会ったのかい? どこで?」
「ここに来たの。それでね――」
あなたは今日の出来事を簡単に説明した。
彼はまさに青天の霹靂だったらしく、驚愕が張り付いた顔つきだったが、なんとか頭の中を整理している。
「そうか、分かった。そんなことが起きていたなんて。ごめんね名無しちゃん、いきなりうちに来てびっくりしただろう」
真面目な彼がうっすらと苦悩をにじませ、緊張が伝わってくる。
「君を一人で会わせるなんて全く考えてなかったんだ」
「ううん、 気にしないで。私が上がってもらったの。それに結果的にすごく楽しかったよ」
「⋯⋯ほ、ほんとに?」
「うんっ。ヴィクトルのお母さん、いい人でとっても優しくて。あとものすごい綺麗! 私好きだなぁって思っちゃった」
彼女の人当たりの良さと温かみを思い出すと、自然と笑みがこぼれる。
あ、でもまだ今日しか会ったことがないのに軽はずみな発言だったかと考えたが、ひとまず彼に伝えたくてたまらなかった。
そのぐらい、彼の母と短い時間ながらわずかでも通じ合えた気がしていたのだ。
「そっか、うん、ちょっと信じられないけどありがたいよ。君がそんな風に感じてくれて。 でも待って、本当にそれ俺の親? なんかイメージが違うんだけどな」
「そうなの? ヴィクトルにそっくりだったよ。優しくて雰囲気が柔らかくて、喋り方も似てたし」
だからあんなにいい空間になったのかな、と勝手に結論づけていると、彼も身を乗り出して耳を傾けている。
「そっか、俺に似てたか。まあ性格は親父よりはお袋の方が近いかもしれないな。それでどんなことを喋ったんだい? というか名無しちゃんすごいよ。俺が思っている以上に君は勇敢だな」
「そんなことないよ、ヴィクトルのお母さんがいい人だったからだよ。えっとね――」
あなたは喋っているうちにあの事がよぎる。
ここで気軽に「そういえばヴィクトルって結婚考えてたんだね、実は私もだよ。嬉しい!」
なんて明るく幸せに満ちた様子で話せればよかったのかもしれないが、性格上できない。
万が一結婚を急かしてるように取られたら悪いと思ったからである。
もちろん有頂天にはなりそうだったが、彼にも二人の将来的なビジョンが見えているということだけで、あなたは満足だった。
だから今すぐ言う必要はないと考えた。なにより勝手に話してしまったと気にしていた、彼の母クレアを心配したのもある。
「あぁでもよかったよ。なんだか名無しちゃんが俺の母親を結構気に入ってくれたのかなって。あ、でも本当に無理してない? 何でも言ってね。 別に大丈夫だから、なにかあったら俺から言うし」
「いやいや大丈夫だよ、本当に何も問題ないし楽しかったの」
あなたが断言すると彼は安心したようだった。
その後、ヴィクトルはちょっと電話するねと言って席を立った。
あなたはその間キッチンで家事をして待つ。
しばらくしてリビングに戻ると、彼は母親との電話を終えていた。
「どうだった?」
「うん。話したんだけど、すごくお袋も喜んでたよ。もの凄く君のことずっと可愛いとか、優しくていい子とか、舞い上がってたな。まあその通りなんだけどね。思いやりがある素敵な女性だって」
「ええ〜っ! そんな、ないないない! 恥ずかしいよ、すっごい嬉しいけど!」
あなたは褒められすぎて真っ赤になって否定したが、頭の片隅でバレてない⋯とドキドキしていた。
ヴィクトルもにこやかに腕を組んでいる。
「俺も嬉しいよ。でもなんかさ、俺にやけに優しかったんだけど、あれは何なんだ?」
「えっ。はは、なんだろう。いきなり来ちゃったからじゃないかな。気にしてたし」
自然にごまかそうとするが、彼女が状況を察して言わないでいてくれたことに、ひとまず感謝した。
きっとこの話題は二人に任せてくれたのだろうと思う。
それから二人は丸型の囲みソファに移動し、話を続けた。
「ヴィクトルのことも褒めてたよ。とってもいい子って」
「⋯⋯えっ? 君にそういう風に言われると、照れるな」
彼は体をこちらに傾けて、甘い眼差しを向けてくる。もう母親のことよりあなたに集中しているようだ。
醸し出される雰囲気にじりじりしていると、ヴィクトルがふっと笑った。
「いつもは俺のことをやたらとディスってくるんだよ」
「そうなの? どうして?」
砕けた表現に笑いそうになったが、彼も軽く肩をすくめている。
「俺が調子に乗らないためらしい」
「ふふっ。面白いお母さんだねぇ」
そうか。だから彼はこれほど完璧なのに謙虚なのかな。
ヴィクトルもそんな日常に慣れている様子で、ある意味親しい親子関係がうかがえて微笑ましくなった。
「まあでも本当によかったよ。名無しちゃんのおかげだ。一人で親に会うだけでも緊張することなのに、喋ってくれてありがとうね」
「ううん、こちらこそ。ヴィクトルがいない時に勝手にこんなことしちゃって、申し訳なくなっちゃったけど」
「うーん、君がそんな風に思う必要はないけど、確かに大事なときにいつも俺だけ参加できないのは何故だろう」
彼が急に神妙に顎をさすりだして、あなたはどう返していいか分からず、苦笑いするしかなかった。
確かに、彼のいないときに偶然会社の仲間達に会ったこともあるのだ。
「君は俺の大事な人なんだけどねえ」
「ふふふ」
そう言いながらソファの背もたれに腕をかけた彼の、シャツ越しの広い胸が目に入った。あなたは自然と、その温もりに誘われるようにもぐりこんだ。
肌のいい香りを深く吸い込み、リラックスがすぐに最高潮になる。
「おっ? 珍しいな。甘えてくれるの?」
「うん。甘えたい⋯」
素直に答えると、大きな手のひらが頭を優しく撫でてくれた。
ホッとした気持ちに満ちていく。今週も色々あったけれど、やっぱりヴィクトルの腕の中が一番落ち着くのだ。
「はぁー。癒やされる」
気の抜けた声をだすと、上から小さめの笑い声が漏れた。
「やっぱり疲れたんだろう。ずっと俺も世話になっちゃってたから」
「違うよ、元気だよ。いつも一緒がいいもん。何してたって、どんな状況でも。⋯⋯前にヴィクトルもそう言ってくれたよね」
顔を上げてじっと見つめた。どんな表情に映ってただろうか。でも彼は愛おしそうにあなたを抱いて瞳を細めている。
「もちろんそうだよ。每日一緒にいたいって言ったでしょ。君も見ただろ? 俺が帰ってきた時のでれっとした顔を」
「ははっ、見ちゃった」
ああ、好き。
話してるだけで思いが募る。触れているだけで、繋がりを実感する。
「名無しちゃん」
ヴィクトルの顔が近づいてきて、温かな唇が重ねられる。自然と口が開き、深いキスを交じらせていく。
「ん⋯⋯」
あなたは彼の腰に手を回し、背中へ伸ばした。
体を抱えられて、とろけるような感触を味わう。
彼はしばらく没頭していたが、口を離すと色っぽくため息を吐いた。
「ねえ。そろそろいいかな?」
「⋯⋯ん?」
「もう1週間君を抱いてない。おかしくなりそうだ」
そのストレートすぎる文言に目を見張る。
視線をさまよわせて赤面しながらも、あなたは遠慮がちに相槌を打った。
「えっと⋯⋯私もずっとしたかったよ」
「ほんと?」
「⋯⋯うんっ。だってヴィクトル、ベッドでもずっと抱きしめてくるし。近いし熱いし⋯」
普通のときに夜の話をするのは、なんだか照れる以上の感覚だ。
でもそんな恥ずかしがり屋なあなたの様子を、彼は幸せそうに眺めていた。
「それはあれだ、しょうがない。君が魅力的だからさ。少しでも近くにいたかったんだ。⋯⋯じゃあ連れてっていいかい?」
え?
そう聞き返す前に、彼はあなたの膝下にがっちり腕を差し入れ、背中も抱えたまま立ち上がる。
急にふわっと目線が上がり、とっさに首に掴まった。
「わ、わあっ、何してるのっ。重いよ!」
「全然軽いよ。あぁ、可愛いなぁ。やっぱり君は俺のお姫さまだね」
彼が自然に短くウインクしてくる。
お⋯⋯お姫様。
そんなこと言われたの生まれて初めて。
一瞬突っ込みたくなったが、ヴィクトルならばおかしくないかもしれないと思った自分の負けである。
そうこうしてるうちにあなたは寝室に連れられ、彼に朝までじっくり愛されることになった。
「ねえねえ、お仕事お疲れ様」
「ありがとう。名無しちゃんは大丈夫だった?」
帰宅して表情が安らいでいる彼は、リビングでスーツの上着を脱いで尋ねる。
「うん、全然大丈夫! ご飯食べる?」
「いただこうかな。ありがとう、楽しみだな。家に帰るのもずっと待ちきれなかったよ」
「私もだよ。へへ」
ヴィクトルが着替えた後、二人は食卓で夕食を取った。今日は大きなステーキで付け合わせも盛り付けも、まるで記念日のように豪華になった気がする。
「美味い! いつも美味しいけど、今日は特にすごいな」
「そうかな。気合い入っちゃった」
あなたは胸の奥がずっとそわそわしていた。いつ切り出そうかと。
でも早くした方がいいかとも思った。もしかしたら彼はお母さんに連絡するかもしれないし、もう結構遅い時間になってしまったからだ。
「あのね。今日すごいことがあったんだ」
「ん? 何?」
「実はヴィクトルのお母さんに会っちゃったの」
「⋯⋯えっ? どういうこと?」
彼は飲み物を持つ手を止めて目が点になっていた。こんな油断した表情は珍しい。あなたの口から母という言葉が出たことに仰天したのだろう。
「ちょ、ちょっと待って説明して。俺のお袋に会ったのかい? どこで?」
「ここに来たの。それでね――」
あなたは今日の出来事を簡単に説明した。
彼はまさに青天の霹靂だったらしく、驚愕が張り付いた顔つきだったが、なんとか頭の中を整理している。
「そうか、分かった。そんなことが起きていたなんて。ごめんね名無しちゃん、いきなりうちに来てびっくりしただろう」
真面目な彼がうっすらと苦悩をにじませ、緊張が伝わってくる。
「君を一人で会わせるなんて全く考えてなかったんだ」
「ううん、 気にしないで。私が上がってもらったの。それに結果的にすごく楽しかったよ」
「⋯⋯ほ、ほんとに?」
「うんっ。ヴィクトルのお母さん、いい人でとっても優しくて。あとものすごい綺麗! 私好きだなぁって思っちゃった」
彼女の人当たりの良さと温かみを思い出すと、自然と笑みがこぼれる。
あ、でもまだ今日しか会ったことがないのに軽はずみな発言だったかと考えたが、ひとまず彼に伝えたくてたまらなかった。
そのぐらい、彼の母と短い時間ながらわずかでも通じ合えた気がしていたのだ。
「そっか、うん、ちょっと信じられないけどありがたいよ。君がそんな風に感じてくれて。 でも待って、本当にそれ俺の親? なんかイメージが違うんだけどな」
「そうなの? ヴィクトルにそっくりだったよ。優しくて雰囲気が柔らかくて、喋り方も似てたし」
だからあんなにいい空間になったのかな、と勝手に結論づけていると、彼も身を乗り出して耳を傾けている。
「そっか、俺に似てたか。まあ性格は親父よりはお袋の方が近いかもしれないな。それでどんなことを喋ったんだい? というか名無しちゃんすごいよ。俺が思っている以上に君は勇敢だな」
「そんなことないよ、ヴィクトルのお母さんがいい人だったからだよ。えっとね――」
あなたは喋っているうちにあの事がよぎる。
ここで気軽に「そういえばヴィクトルって結婚考えてたんだね、実は私もだよ。嬉しい!」
なんて明るく幸せに満ちた様子で話せればよかったのかもしれないが、性格上できない。
万が一結婚を急かしてるように取られたら悪いと思ったからである。
もちろん有頂天にはなりそうだったが、彼にも二人の将来的なビジョンが見えているということだけで、あなたは満足だった。
だから今すぐ言う必要はないと考えた。なにより勝手に話してしまったと気にしていた、彼の母クレアを心配したのもある。
「あぁでもよかったよ。なんだか名無しちゃんが俺の母親を結構気に入ってくれたのかなって。あ、でも本当に無理してない? 何でも言ってね。 別に大丈夫だから、なにかあったら俺から言うし」
「いやいや大丈夫だよ、本当に何も問題ないし楽しかったの」
あなたが断言すると彼は安心したようだった。
その後、ヴィクトルはちょっと電話するねと言って席を立った。
あなたはその間キッチンで家事をして待つ。
しばらくしてリビングに戻ると、彼は母親との電話を終えていた。
「どうだった?」
「うん。話したんだけど、すごくお袋も喜んでたよ。もの凄く君のことずっと可愛いとか、優しくていい子とか、舞い上がってたな。まあその通りなんだけどね。思いやりがある素敵な女性だって」
「ええ〜っ! そんな、ないないない! 恥ずかしいよ、すっごい嬉しいけど!」
あなたは褒められすぎて真っ赤になって否定したが、頭の片隅でバレてない⋯とドキドキしていた。
ヴィクトルもにこやかに腕を組んでいる。
「俺も嬉しいよ。でもなんかさ、俺にやけに優しかったんだけど、あれは何なんだ?」
「えっ。はは、なんだろう。いきなり来ちゃったからじゃないかな。気にしてたし」
自然にごまかそうとするが、彼女が状況を察して言わないでいてくれたことに、ひとまず感謝した。
きっとこの話題は二人に任せてくれたのだろうと思う。
それから二人は丸型の囲みソファに移動し、話を続けた。
「ヴィクトルのことも褒めてたよ。とってもいい子って」
「⋯⋯えっ? 君にそういう風に言われると、照れるな」
彼は体をこちらに傾けて、甘い眼差しを向けてくる。もう母親のことよりあなたに集中しているようだ。
醸し出される雰囲気にじりじりしていると、ヴィクトルがふっと笑った。
「いつもは俺のことをやたらとディスってくるんだよ」
「そうなの? どうして?」
砕けた表現に笑いそうになったが、彼も軽く肩をすくめている。
「俺が調子に乗らないためらしい」
「ふふっ。面白いお母さんだねぇ」
そうか。だから彼はこれほど完璧なのに謙虚なのかな。
ヴィクトルもそんな日常に慣れている様子で、ある意味親しい親子関係がうかがえて微笑ましくなった。
「まあでも本当によかったよ。名無しちゃんのおかげだ。一人で親に会うだけでも緊張することなのに、喋ってくれてありがとうね」
「ううん、こちらこそ。ヴィクトルがいない時に勝手にこんなことしちゃって、申し訳なくなっちゃったけど」
「うーん、君がそんな風に思う必要はないけど、確かに大事なときにいつも俺だけ参加できないのは何故だろう」
彼が急に神妙に顎をさすりだして、あなたはどう返していいか分からず、苦笑いするしかなかった。
確かに、彼のいないときに偶然会社の仲間達に会ったこともあるのだ。
「君は俺の大事な人なんだけどねえ」
「ふふふ」
そう言いながらソファの背もたれに腕をかけた彼の、シャツ越しの広い胸が目に入った。あなたは自然と、その温もりに誘われるようにもぐりこんだ。
肌のいい香りを深く吸い込み、リラックスがすぐに最高潮になる。
「おっ? 珍しいな。甘えてくれるの?」
「うん。甘えたい⋯」
素直に答えると、大きな手のひらが頭を優しく撫でてくれた。
ホッとした気持ちに満ちていく。今週も色々あったけれど、やっぱりヴィクトルの腕の中が一番落ち着くのだ。
「はぁー。癒やされる」
気の抜けた声をだすと、上から小さめの笑い声が漏れた。
「やっぱり疲れたんだろう。ずっと俺も世話になっちゃってたから」
「違うよ、元気だよ。いつも一緒がいいもん。何してたって、どんな状況でも。⋯⋯前にヴィクトルもそう言ってくれたよね」
顔を上げてじっと見つめた。どんな表情に映ってただろうか。でも彼は愛おしそうにあなたを抱いて瞳を細めている。
「もちろんそうだよ。每日一緒にいたいって言ったでしょ。君も見ただろ? 俺が帰ってきた時のでれっとした顔を」
「ははっ、見ちゃった」
ああ、好き。
話してるだけで思いが募る。触れているだけで、繋がりを実感する。
「名無しちゃん」
ヴィクトルの顔が近づいてきて、温かな唇が重ねられる。自然と口が開き、深いキスを交じらせていく。
「ん⋯⋯」
あなたは彼の腰に手を回し、背中へ伸ばした。
体を抱えられて、とろけるような感触を味わう。
彼はしばらく没頭していたが、口を離すと色っぽくため息を吐いた。
「ねえ。そろそろいいかな?」
「⋯⋯ん?」
「もう1週間君を抱いてない。おかしくなりそうだ」
そのストレートすぎる文言に目を見張る。
視線をさまよわせて赤面しながらも、あなたは遠慮がちに相槌を打った。
「えっと⋯⋯私もずっとしたかったよ」
「ほんと?」
「⋯⋯うんっ。だってヴィクトル、ベッドでもずっと抱きしめてくるし。近いし熱いし⋯」
普通のときに夜の話をするのは、なんだか照れる以上の感覚だ。
でもそんな恥ずかしがり屋なあなたの様子を、彼は幸せそうに眺めていた。
「それはあれだ、しょうがない。君が魅力的だからさ。少しでも近くにいたかったんだ。⋯⋯じゃあ連れてっていいかい?」
え?
そう聞き返す前に、彼はあなたの膝下にがっちり腕を差し入れ、背中も抱えたまま立ち上がる。
急にふわっと目線が上がり、とっさに首に掴まった。
「わ、わあっ、何してるのっ。重いよ!」
「全然軽いよ。あぁ、可愛いなぁ。やっぱり君は俺のお姫さまだね」
彼が自然に短くウインクしてくる。
お⋯⋯お姫様。
そんなこと言われたの生まれて初めて。
一瞬突っ込みたくなったが、ヴィクトルならばおかしくないかもしれないと思った自分の負けである。
そうこうしてるうちにあなたは寝室に連れられ、彼に朝までじっくり愛されることになった。
