美オヤジを誘って囲われて救われる話
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昨夜ヴィクトルは、ずっとあなたのそばにいると約束してくれた。たとえベッドの上のことだとしても、その言葉はあなたをまばゆく照らす輝きになっていた。
「名無しちゃん。愛してるよ」
「⋯⋯私もだよ。へへ⋯⋯」
次の日になっても、彼の熱い想いを浴び続ける。
腕の中にしまわれて、せきを切ったかのように伝えられ、愛おしそうに見つめられるのだ。
「あぁ、ごめんよ。あんまり言い過ぎると重みがなくなってしまうかな。でも止まらなくてね」
「大丈夫だよ。何度言われても嬉しいもん」
あなたは彼の胸にくっつき、すべてを受け止める。
ずっとこうしていたかったが、頭の片隅にはもうひとつの大事なこともあった。
「でもヴィクトル。今日はデートだよね? もうそろそろ行かないと⋯」
「そうだよね。よし準備しよう。あぁ待って、あと一回だけ――」
彼はそう言って顔を傾け、あなたの唇に自分の口をしっとり重ねる。
それだけで別の世界に飛んでしまうほど、確かな温もりに包まれた。
少しと言わずしばらく口づけを交わしていたが、ようやく体を離すと、二人は幸せな気分で出かける準備を始めた。
ゆったり彼の自宅を出て、一時間ほど車を走らせた所にある旧市街へやって来た。
ここは陶器が有名な歴史ある街で、国の観光地として世界中から人が集まってくる。
船が運航する大きな河川もあり、その流れに沿ってマーケットも立ち並び、あなたはヴィクトルと楽しく散策しながら歩いていた。
「わあ、可愛いお皿がいっぱいだよ。こういうの好きなんだ〜見てるだけでも楽しいね」
「本当だなぁ。あ、これなんかどう? 二人のおそろいがほしいな」
「えっ!? 本当っ?」
まさか男性の彼からそんな洒落たことを言われるとは思わず、あなたは喜びが湧く。
二人で伝統的で鮮やかな模様のついた陶器を購入しようと決め、小皿やマグカップを選んだ。
「すごく嬉しい! これ家で使えるね。ヴィクトルの家に置く?」
「いいの? じゃあそうしようか。いまのところはね」
彼にウインクされてあなたは深読みし赤くなる。
それはいつか、二人でまた一緒に住むことになる可能性があるということだろうか。
考えただけで幸福感が押し寄せてきた。
それからは河川沿いの石畳ロードを並んで歩いた。向こう岸の町並みも綺麗だし、秋で気温は低めだけど天気もよく、いいデート日和である。
「見てみて、ゴンドラがあるよ! ロマンチックで素敵だなぁ〜っ」
「あとで乗ってみる?」
「うん!」
手すりから身を乗り出していた体を振り返らせると、柔らかく笑んでいる大人の彼が映り、我に返った。
あなたの顔がじわりと赤く染まっていく。
「⋯⋯今のすごい子供っぽかった? 恥ずかしい」
「そんなことないよ。かなり可愛かったけど」
彼はくすくすと笑い、大きな手を差し出す。
あなたは視線を落とし、安心してその手を取った。手を繋いでくれるのがとても嬉しい。
こんなに人が多くいる中でも、恋人として認めてもらっているということに。
「ヴィクトルの手、いつも温かいね」
「そう? 君といると熱くなるよ、そりゃ」
「ええっ? 面白いこと言うなぁ。⋯⋯あっ! あのお店、この街の有名なお菓子のやつだ! 待ってヴィクトル、私買ってくるよ!」
「一人で行くの? 大丈夫?」
「平気平気、ここで待っててね。美味しいの食べさせたいんだ!」
あなたはやたらと張り切っていた。
彼にはいつもリードされっぱなしだし、少しは良いとこを見せたい。
前にSNSで見かけた話題のクレープを買いに行き、彼が好みそうなシナモン味のやつを選び、喜び勇んで戻ろうとした。
だがそこで、予期せぬことを目にする。
石畳の道の、橋の手すりを背にして彼は待っていた。
紺のコートにタートルネックをさらっと着ていて、どこかアンニュイな雰囲気で立っている黒髪の彼だ。
背もひときわ高く目立つし、遠くからでもすぐに見つかる。
だがそんな彼に、外国人の二人組の女性が通りすがった。そして「ハイ、ハンサムさん!」と声をかけて立ち止まったのを目にした。
――え。そんなことある⋯⋯?
あなたはビクリと足を止め、両手にクレープを持ったまま固まった。
自分よりも年上の活発そうなブロンドの女性達は、何か彼と喋っていたが、表情は色めき立ちアピールする様子だった。
まるでこの前のジムの出来事が蘇る。
しかしヴィクトルはあまり顔つきを変えず、一言二言喋ったあと、そっと会釈をして彼らと別れた。
「⋯⋯あぁ、名無しちゃん!」
そしてこちらを見たので、あなたもはっとなって彼のもとに向かう。
自分は完全にぎこちなくなっていたが、彼はあなたに微笑み、何事もなかったかのようにクレープを受け取ってお礼を言った。
「うわ、すごく美味しそうだ。いただきます、うまい!」
「あ、うん⋯⋯よかった。⋯⋯あの、ヴィクトル、今声をかけられてたよね? 完全に」
「⋯⋯んんっ? あぁ、そうなんだ。おかしな人もいるもんだね」
彼は肩をすくめ、まるで本意ではないというふうに話した。
スマートに対処した彼を見ていたため何の問題もないのだが、心情的にはそうはいかない。
「やっぱりヴィクトルって、モテるんだ⋯⋯!!」
「⋯⋯い、いや。俺は別にモテないよ。ほらこんなおじさんだしさ。大丈夫だよ」
いつも謙遜してそんな風に言うけれど、魅力的な人に年なんて関係ないのだ。現にあなたも出会った時に彼をとても素敵だと思い惹かれたのだから。
「ああいうことってよくあるの? なんか心配⋯⋯もうヴィクトルを一人に出来ないよ!」
「⋯⋯くっ。君はこんな外でそんな可愛いことを言ってくれるの? 抱きしめたくなるだろう?」
片方の手で頬を撫でられるけれど、まだ納得できない。
さっきの場面はショックだったが、不思議と負けん気がわいてきた。こんなことは自分でもめずらしいことだ。
「じゃあ私が抱きしめるね。これ持ってて」
「おっ、本当に――? あぁ、かわいいなぁ。⋯⋯参ったな。俺は本当に君以外見えてないよ。心配なんか必要ないんだからね」
クレープで手が塞がったヴィクトルの胴に抱きつき、人目も気にせず、しばらくそのままでいた。
彼の言葉は嬉しいし信じている。
でも同時に独占欲もわいてくる。
外のデートはあんまりしたことないから、余計にだ。
自分は本当にふさわしいのかな?なんて思いがまた出てきそうになるけど、それよりも彼をもっと自分のものに出来たらな、なんて思いのほうが強くなっていった。
「名無しちゃん。愛してるよ」
「⋯⋯私もだよ。へへ⋯⋯」
次の日になっても、彼の熱い想いを浴び続ける。
腕の中にしまわれて、せきを切ったかのように伝えられ、愛おしそうに見つめられるのだ。
「あぁ、ごめんよ。あんまり言い過ぎると重みがなくなってしまうかな。でも止まらなくてね」
「大丈夫だよ。何度言われても嬉しいもん」
あなたは彼の胸にくっつき、すべてを受け止める。
ずっとこうしていたかったが、頭の片隅にはもうひとつの大事なこともあった。
「でもヴィクトル。今日はデートだよね? もうそろそろ行かないと⋯」
「そうだよね。よし準備しよう。あぁ待って、あと一回だけ――」
彼はそう言って顔を傾け、あなたの唇に自分の口をしっとり重ねる。
それだけで別の世界に飛んでしまうほど、確かな温もりに包まれた。
少しと言わずしばらく口づけを交わしていたが、ようやく体を離すと、二人は幸せな気分で出かける準備を始めた。
ゆったり彼の自宅を出て、一時間ほど車を走らせた所にある旧市街へやって来た。
ここは陶器が有名な歴史ある街で、国の観光地として世界中から人が集まってくる。
船が運航する大きな河川もあり、その流れに沿ってマーケットも立ち並び、あなたはヴィクトルと楽しく散策しながら歩いていた。
「わあ、可愛いお皿がいっぱいだよ。こういうの好きなんだ〜見てるだけでも楽しいね」
「本当だなぁ。あ、これなんかどう? 二人のおそろいがほしいな」
「えっ!? 本当っ?」
まさか男性の彼からそんな洒落たことを言われるとは思わず、あなたは喜びが湧く。
二人で伝統的で鮮やかな模様のついた陶器を購入しようと決め、小皿やマグカップを選んだ。
「すごく嬉しい! これ家で使えるね。ヴィクトルの家に置く?」
「いいの? じゃあそうしようか。いまのところはね」
彼にウインクされてあなたは深読みし赤くなる。
それはいつか、二人でまた一緒に住むことになる可能性があるということだろうか。
考えただけで幸福感が押し寄せてきた。
それからは河川沿いの石畳ロードを並んで歩いた。向こう岸の町並みも綺麗だし、秋で気温は低めだけど天気もよく、いいデート日和である。
「見てみて、ゴンドラがあるよ! ロマンチックで素敵だなぁ〜っ」
「あとで乗ってみる?」
「うん!」
手すりから身を乗り出していた体を振り返らせると、柔らかく笑んでいる大人の彼が映り、我に返った。
あなたの顔がじわりと赤く染まっていく。
「⋯⋯今のすごい子供っぽかった? 恥ずかしい」
「そんなことないよ。かなり可愛かったけど」
彼はくすくすと笑い、大きな手を差し出す。
あなたは視線を落とし、安心してその手を取った。手を繋いでくれるのがとても嬉しい。
こんなに人が多くいる中でも、恋人として認めてもらっているということに。
「ヴィクトルの手、いつも温かいね」
「そう? 君といると熱くなるよ、そりゃ」
「ええっ? 面白いこと言うなぁ。⋯⋯あっ! あのお店、この街の有名なお菓子のやつだ! 待ってヴィクトル、私買ってくるよ!」
「一人で行くの? 大丈夫?」
「平気平気、ここで待っててね。美味しいの食べさせたいんだ!」
あなたはやたらと張り切っていた。
彼にはいつもリードされっぱなしだし、少しは良いとこを見せたい。
前にSNSで見かけた話題のクレープを買いに行き、彼が好みそうなシナモン味のやつを選び、喜び勇んで戻ろうとした。
だがそこで、予期せぬことを目にする。
石畳の道の、橋の手すりを背にして彼は待っていた。
紺のコートにタートルネックをさらっと着ていて、どこかアンニュイな雰囲気で立っている黒髪の彼だ。
背もひときわ高く目立つし、遠くからでもすぐに見つかる。
だがそんな彼に、外国人の二人組の女性が通りすがった。そして「ハイ、ハンサムさん!」と声をかけて立ち止まったのを目にした。
――え。そんなことある⋯⋯?
あなたはビクリと足を止め、両手にクレープを持ったまま固まった。
自分よりも年上の活発そうなブロンドの女性達は、何か彼と喋っていたが、表情は色めき立ちアピールする様子だった。
まるでこの前のジムの出来事が蘇る。
しかしヴィクトルはあまり顔つきを変えず、一言二言喋ったあと、そっと会釈をして彼らと別れた。
「⋯⋯あぁ、名無しちゃん!」
そしてこちらを見たので、あなたもはっとなって彼のもとに向かう。
自分は完全にぎこちなくなっていたが、彼はあなたに微笑み、何事もなかったかのようにクレープを受け取ってお礼を言った。
「うわ、すごく美味しそうだ。いただきます、うまい!」
「あ、うん⋯⋯よかった。⋯⋯あの、ヴィクトル、今声をかけられてたよね? 完全に」
「⋯⋯んんっ? あぁ、そうなんだ。おかしな人もいるもんだね」
彼は肩をすくめ、まるで本意ではないというふうに話した。
スマートに対処した彼を見ていたため何の問題もないのだが、心情的にはそうはいかない。
「やっぱりヴィクトルって、モテるんだ⋯⋯!!」
「⋯⋯い、いや。俺は別にモテないよ。ほらこんなおじさんだしさ。大丈夫だよ」
いつも謙遜してそんな風に言うけれど、魅力的な人に年なんて関係ないのだ。現にあなたも出会った時に彼をとても素敵だと思い惹かれたのだから。
「ああいうことってよくあるの? なんか心配⋯⋯もうヴィクトルを一人に出来ないよ!」
「⋯⋯くっ。君はこんな外でそんな可愛いことを言ってくれるの? 抱きしめたくなるだろう?」
片方の手で頬を撫でられるけれど、まだ納得できない。
さっきの場面はショックだったが、不思議と負けん気がわいてきた。こんなことは自分でもめずらしいことだ。
「じゃあ私が抱きしめるね。これ持ってて」
「おっ、本当に――? あぁ、かわいいなぁ。⋯⋯参ったな。俺は本当に君以外見えてないよ。心配なんか必要ないんだからね」
クレープで手が塞がったヴィクトルの胴に抱きつき、人目も気にせず、しばらくそのままでいた。
彼の言葉は嬉しいし信じている。
でも同時に独占欲もわいてくる。
外のデートはあんまりしたことないから、余計にだ。
自分は本当にふさわしいのかな?なんて思いがまた出てきそうになるけど、それよりも彼をもっと自分のものに出来たらな、なんて思いのほうが強くなっていった。
