HPMI短編
名前変換
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凍えるような夜。
そろそろ年も終わる今日、小腹が空いてしまい、近くのコンビニへ足を運んだ。
暗い道を歩いていると垢抜けた声で名前を呼ばれた。
「よーっ!名前!!こんな時間に何出歩ってんだあ??」
呼び声に一瞬だけ身を強張らせた。
夜中だったので単純に驚いた。
「あぁ、なんだ……帝統か…。びっくりした。帝統こそこんな夜中にどーしたの?」
「んあ?俺?俺は…この辺うろついてたら名前に会えるかと思って。」
ニッと笑いながら恥ずかしい事を簡単に言ってのけた。凄いなコイツ。
「何言ってんだか…。私はちょっとお腹が空いたからコンビニに行こうと思って。」
「こんな夜中に出歩いたらあぶねーだろ〜。あ、そうだ。今日はすんげ〜儲かったんだ!俺がなんでも奢ってやる!だから、一緒にコンビニ行こうぜ!」
「また上手いこと言って、家に転がり込む気でしょう…?」
少し呆れたように言ってみせた。
「うっ…。ばれたか…。だ、だめか?」
「…別にいーけどっ!沢山おつまみとお酒買ってもらうかんね!家でのも〜!」
「そうこなくっちゃな!」
そうして、おつまみやお酒をしこたま買ったあと、宅路についた。荷物は帝統が持ってくれた。何気なく優しい。
まぁ家すぐそこなんだけどさ。
「帝統」
玄関のドアノブに手をかけた。
「ん?なんだ?」
「ありがとうね。」
「…? いいってことよ!」
何のことかあまりよくわかっていないようだけれど荷物を持ってくれた事と、心配をしてくれた事だ。
なんだかんだ優しい奴。そんな帝統が自分は好きだ。
こんなロクでもない奴でも好きになってしまったのだ。
「ふぅーっ!ただいまーっっ!」
帝統は居間にバタバタと走って行く。
「あんたの家じゃないでしょ!」
笑いながら突っ込みを入れる。
可愛いやつめ。これだから憎めない。
「まーまー!細かい事はいいじゃん!」
定位置に座りテレビのリモコンを勝手に付け、おつまみの袋を開けた。
なんかいいなぁ。こういうの。同棲してるみたい。
「まぁ、もう別にいいけどさ。」
プシュッとお酒の缶を開ける。
幸い明日はお休みなのでゆっくり呑める。
「…帝統さ。」
「ん〜?」
帝統は缶に口をつけて、テレビを見たまま返事をした。
「これからさ、適当に家きたら?鍵渡すし。」
「えっ……。それマジで言ってる????」
「うん。マジマジ。帝統の好きなように使っていいからさ。」
最初の適当に返事をしたのとは打って変わり、目を見開いてこっちを見る。
「いや、流石にさ〜名前!危機管理なさすぎね!?こーやって軽々男上げたり鍵渡したり!!帝統君心配だわ!お前の貞操!」
なんだかんだ、そういうの気にするんだな。やっぱ優しい奴。
「いや、私帝統の事……その…好きだからさ………。別に貞操とか、なんとか…そーゆーのいいし…。」
さすがにめちゃくちゃ照れた。
死ぬほど恥ずかしかった。というか言ってしまった。酔っているんだろうか。飲み始めたばかりだというのに。
「へ…??」
帝統は顔を赤くしてさらに目を見開いた。
そのあとすぐに嬉しそうな顔になり、ガッツポーズをして抱きついてきた。
「っ!!!だ、帝統?!」
「俺!名前の事すっげー好きだから!大事にするからな!!」
ぎゅうぎゅうに抱きつかれてちょっと苦しい。
そして、ゆっくり床に身を倒され口を塞がれた。
角度を少しずつ変えながらちゅっちゅっと口をつけてくる。
「名前、大好きだぜ。」
そう言った帝統の表情は妙に艶やかで。まだまだ夜はゆっくりと楽しめそうだ。
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