ハロウィン
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去年はイルーゾォの蜂蜜づけに成功した。
シャンプー、ボディソープ、歯磨き粉にいたるまで空き容器を全て回収し、蜂蜜を入れておいたのだ。
そのうえ、タイミング悪くチョコレートまみれでバスルームに転がり込んだ二人のとばっちりをくって、メローネに全身を舐められている。
パニックに陥った普通の人間三人より、一人の変態が強いという事を学んだ。
―――思い出したくもない、阿鼻叫喚地獄絵図。
と、鏡に近付いたその時。
『ナナシ本体のみ許可する!!だが!スタンド、武器およびあらゆる菓子類は許可しないイィィ!!』
「いやあぁぁぁァァァ!!』
ホルマジオの目の前で、菓子を撒き散らしながらナナシが鏡に引きずり込まれた。
ゴトン!カシン!と銃とナイフが落ちる。
『残念だったなぁホルマジオ』
鏡の中にはナナシを羽交い締めにしたイルーゾォ。
頭に獣の耳をつけ、狼男に扮している。
「ちっ!」
ホルマジオが鏡の横の壁に爪を突き立てた。
鏡の中の死の世界。
ホルマジオからは死角になるソファにナナシを引き倒し、イルーゾォは覆い被さった。
「さぁ、選べよ『トリック・オア・トリート』……菓子があるのならな」
許可されていない菓子は、もちろん全て鏡の外。
「早くしないと狼に喰われるぜ?」
太もものガーターベルトと空になったホルスターを指でずらしながらニヤリと笑った。
「イルーゾォのだったら、『トリック』でもいい か も」
ナナシが首に腕を回す。
「口紅付いちゃうけど、いい?」
「勿論」
イルーゾォはナナシのスカートをたくし上げながら深く口付けた。
「ンぁ、イルーゾォ」
ナナシが絡めていた腕と舌を離す。
ニヤリ。
「はい『お菓子』」
イルーゾォは余韻の残る眼差しのまま、小さく息をはいた。
いつだったか、二人でフランス菓子の店で買った伝統的な菓子。
「『美女の唇』、自分で言うかァ?」
体を起こして棚から包みを持ってくる。中には大きなマカロンのようなも。
「チナーゼ(中国の)だよ。なかなか旨かった」
そう言ってイルーゾォはナナシだけを鏡の外に出した。
「今年は何か惨敗だな―」
「まぁ、イルーゾォはもともと断髪が目的だったしね」
ナナシはホルマジオが拾い集めてくれた菓子とデリンジャーとナイフを受け取る。
「メローネからあんなの貰ったことだし、次は、ね」
「頼むぜ相棒」
二人はアジトを後にした。
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