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このあいだ、子猫を拾ったんだ。
白い体に黒いブチのオスと、こげ茶色の縞のメス。
兄貴の部屋にいくまでに、ちょうど雨の当たらない路地があるからそこの階段下に隠してるんだ。
兄貴にバレたら「自分の事も満足に出来ねぇのに何やってんだ!」って怒られそうな気がするから内緒なんだけど。
釣った魚や食べ残して置いたパスタを二匹はよく食べて、オレによくなついた。
だけどだんだん大きくなって、とうとうあいつらはどっか行ってしまった。
段ボールに古いタオルを入れた寝床には二匹の匂いと抜け毛だけが残ってた。
別れも言えずに去っていった猫達に不思議と怒りは湧かなかった。
ただ、少しだけ悲しくて立ち尽くした。
もうここは通らない。そう決めて路地を出ると、兄貴に会った。
アジトに戻る道を歩きながら、オレがいなくなったら兄貴はどんな気持ちになるんだろう、と思った。
END